目玉焼きの再来
- 2024.10.22
- 魚類チームの日記
「あーーーーーー。またあかんかったーー...。」
今日もバックヤードから、クラゲ担当の残念そうな声が聞こえてきます。
とあるクラゲの育成に取り組んで3年ほどが経ちました。
3年前、当時クラゲ担当になったばかりで、クラゲの「ク」の字も知らない私は、ひたすら図鑑を見て勉強する日々を送っていました。
そんな中で、とあるクラゲに目を奪われることになります。
そのクラゲとは、「チチュウカイイボクラゲ」。
名前の通り地中海に分布する、大型のクラゲです。
飼育個体でもうまくいけば傘の直径が20cmくらいになるのだとか。
傘は中心が膨らみ、黄色みを帯びていて、まるで目玉焼き。英語で「fried egg jellyfish(目玉焼きクラゲ)」と呼ばれるのも納得です。
そして傘の下の付属器が紫色をしていて、とにかくキレイ!!
不思議な見た目が魅力で、いつか見てみたいクラゲになりました。
そして、そのクラゲのポリプは海遊館でも管理しており、クラゲ飼育を始めたばかりの私は、生意気にも「絶対に展示したい!!!」と思うようになりました。
とはいえ、過去の記録を見ても2018年の「海月銀河」がオープンした年に数ヵ月間の展示以来、記録がありませんでした。
それもそのはず、このクラゲの育成は難しく、一筋縄ではいくはずもなく...
まず、エフィラ(赤ちゃんクラゲ)が育たない。
数日で消滅してしまうこともしばしば...
▲少し大きくなってきた赤ちゃんクラゲ。餌をたくさん咥えていますね。
そして、傘の形は水流に少しでも難があれば、簡単に変形してしまうことがあります。
こちらの個体は、めちゃくちゃ良い感じに育ってくれたのですが...
よし!展示に出すぞ!!!
てなったら傘がひっくり返っちゃいました。なんでやねん。
※ちなみに、この個体は傘がひっくり返った以外は特に問題なく、バックヤードで元気に過ごしています。
そして数ヵ月前に、今までになく形の良いエフィラがポリプから出ました。
この育成チャンスを逃したら、次はいつ状態の良い個体が生まれるのか分からない!!
クラゲ担当一同、試行錯誤しながら飼育に取り組みました。
その結果...
完璧な目玉焼きになりました!!!
美味しそう!!!!←おい。
もちろん、満を持して「海月銀河」にデビューすることになりました!
いや~~長かった!!!
現在は2個体のみですが、今後は安定して育成し、いつか水槽を目玉焼きだらけにするのが私の密かな夢です!
「海月銀河」では、超超久しぶりの「目玉焼きの再来」!!!
ぜひこの機会にご覧ください!!!
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