一足早く春の予感 ~ 植物プランクトン ~

2月に入り、海遊館前の海では植物プランクトンの春の増殖が始まっているようです。特に量が多いのは珪藻のスケレトネマ(Skeletonema spp.)(写真1)です。直径0.01㎜ほどの円筒形をした単細胞生物ですが、細胞が連なって群体を作っています(写真2)。人の髪の毛(直径約0.1㎜)と比べてみると大変小さいことがわかります(写真3)。

大阪湾では、スケレトネマは1年中みられますが、春や秋頃に海水が茶色くなるほど増えて「赤潮」を発生させる事があります。魚介類に大きな被害を与えることは少ないですが、ノリ養殖場で発生すると水中のリンやチッソなどの栄養分を奪い、ノリの生育不全や色落ちにつながることがあるそうです。

2月は海の水温が最も下がる季節です。しかし、植物プランクトンは近づく春を敏感に感じとり、種類ごとに競い合って増殖のチャンスをうかがっています。これから先、それを待っていたように動物プランクトンが増え、海の中は賑やかになってきます。これについては昨年のブログ(2021年2月11日「一足早く春の予感」)を読んでみて下さい。

(写真1) スケレトネマ(Skeletonema spp.) 珪藻の仲間
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(写真2)スケレトネマの群体
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(写真3)人の髪の毛との大きさ比べ
黒い線が髪の毛(直径約0.1㎜)
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