イヌザメの成長

バックヤードの予備水槽では、海遊館で繁殖したメスのイヌザメを飼育しています。
このイヌザメは卵からふ化して以来、毎月全長と体重を定期計測しています。(→ 計測の様子

イヌザメは国内外を問わず多くの水族館で飼育展示されていますが、詳しい生態についてははっきり分かっていません。
生態を知ることが野生のイヌザメを守ることに繋がったり、イヌザメに近い種類の生態を知るヒントになることもあるため、飼育下で成長過程を記録していくのはとても大事なことなのです。


今回ご紹介するメスは、2019年10月11日に産卵された卵から、2020年2月1日にふ化しました。

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(ふ化当日の写真)


産卵からふ化までの日数は113日間で、全長17.5cm(500ml缶の長さくらい)、体重23g(板チョコ6欠分くらい)でした。

体には横縞模様がありますが、成長につれ徐々に薄く変化していきました。

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(ふ化から2か月後)
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(ふ化から10か月後)
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(ふ化から1年8か月後)


月に1回大きさと体重を測定すること1200日...ついに初めて卵を産んだのです!

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(産卵した卵)


産卵したときのメスの大きさは全長130cm、体重10kgでした。
体の模様も「太平洋」水槽に暮らす成魚と同じく、ほとんど目立たなくなりました。

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(産卵時のメス個体)
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(「太平洋」水槽のイヌザメ成魚)


残念ながら、卵黄が無く殻だけでしたが、成熟が近いと考えています。
生まれてから成熟するまでのイヌザメの記録はほとんどないので、今後も引き続き記録を続けます!

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