当館生まれのタカアシガニ、その後

これまでタカアシガニの成長記録をお伝えしてきました。
(→ 「タカアシガニの成長記録Part.3」)
しかし、残念ながら2月末に死亡しました。死因は脱皮の失敗でした。
タカアシガニは大人になっても、稀に脱皮途中で死亡することがあります。
成長するために脱皮は必要ですが、その一方で命がけの行動であることを改めて感じました。

このタカアシガニはふ化直後から飼育しており、これまでゾエア幼生⇒メガロパ幼生⇒稚ガニへと姿を変えて、カニの形になるまでの様子を観察することができました。

生まれてすぐの状態を「ゾエア幼生」と呼び、まるでエビのような形で、大きさは0.8ミリ程度、成長すると泳ぐことのないタカアシガニもこの時期は泳ぎ回ります。光に集まる習性があるので、海面付近を漂い、エサとなるプランクトンを食べていると思われます。
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生まれてから約20日で「メガロパ幼生」になり、ようやく着底します。この頃から食べるエサも変わります。
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生まれてから約60日でようやくカニの姿になります。
この状態にするまでが第一目標だったので、初めて見た時はとても感動しました。
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最終的な飼育日数は352日間で、カニの姿になってから5回脱皮し、脚を広げると2.5cmくらいまでに成長しました。
もっと早く大きくなっていくと思っていたのですが、意外と成長はゆっくりで、大きなタカアシガニになるまでどれくらいの日数がかかるのか?とても興味があります。

今回は残念な結果になってしまいましたが、チャンスがあれば今年も挑戦しようと思います。
次の目標は展示できるサイズまで成長できるように頑張ります!

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