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「コツメカワウソ」の記事

Happy birthday !

8月1日はコツメカワウソ「ツバキ」のお誕生日です。20歳になりました!おめでと~(*^▽^*)飼育下でのコツメカワウソの平均寿命は15歳ほどですので、とても高齢おばあちゃんカワウソです。今は展示を引退し、予備水槽で息子のザクロと一緒にのんびり暮らしています。 (←ツバキ ザクロ→) 昨年よりも朝寝、昼寝と寝ている時間が多いですが、プールで泳いだりする時間もあり食欲も旺盛。給餌の時にザクロより早く食べ終わり、「ちょうだい」ともらいに行こうとすることもあるぐらいです。そしてお腹いっぱいになると休憩するためのタオルをちょうだいと催促されます。私たちも老後はこんなマイペースな生活を送りたいものですね。笑ただ20歳ともなると老化にともない関節症や心臓疾患、乳腺腫瘍などの疾患がありますが、獣医の指導のもと上手くお付き合いしております。 (←ザクロ ツバキ→)そんな日々を送っていましたが、実は数日前に痙攣発作を発症してしまい、一時は係員みんなでその時を覚悟しました。でも2時間程度で餌を食べるまで持ち直し、係員に「私の涙を返せ(笑)」と言わせておりました(^_^;)ツバキは強いな~。(ツバキは2日間ほどでお部屋に戻り、今はまたザクロと一緒にゆっくり過ごしています。)高齢のツバキがこのように疾患を抱えながらも元気に過ごせている理由の一つに、「麻酔をかけたり保定をしなくても、注射や触診がしっかりできる」ということがあります。 これは若い時から身体に触れる、注射をするなどのトレーニングをしっかり行ってきた成果です。ツバキのお世話をしながらその重要性を再認識させられます。と、ハラハラすることもありましたが、無事に20歳の誕生日を迎えられてホッとしました。これまで海遊館で飼育してきたコツメカワウソで一番長寿だったのは、23歳まで生きたニッキです。ツバキにはぜひニッキを超えるほどゆっくり長生きしてほしいものです。

コツメカワウソ

2025.08.01

  • #コツメカワウソ

いろんなカワウソ

5月の最終水曜日は国際カワウソ保護基金(IOSF=The International Otter Survival Fund)がカワウソの現状をみなさまに知っていただくために制定した「世界カワウソの日」。今年は5月28日でした。当館では2018年からこれに賛同していろいろな催しを行っていますが、今年は特別講座でゲームやエコバッグ作りを実施しました。また、エントランスビル4Fの飼育員カウンターにおいて、カワウソについての掲示を行いました。なんとなく、みなさんはカワウソというと当館にもいるコツメカワウソを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?でも、世界にカワウソの仲間は13種いるのです。コツメカワウソの他に日本の園館で見られるのはユーラシアカワウソ、カナダカワウソ、ツメナシカワウソとラッコの4種。以前はビロードカワウソも見ることができました。この中でラッコは水族館で見られる数はもう残り少ないですが、今、北海道で数を増やしつつあるため、唯一、自然下で見られる種です。でも、ラッコがカワウソの仲間だと言われてもピンと来ない方も多い気がしないでもない...。また、ユーラシアカワウソは絶滅したとされるニホンカワウソに非常に近い仲間で、最近、存在が話題になった対馬のカワウソは韓国由来のユーラシアカワウソの可能性が高いと言われています。こちらは土佐清水市役所に展示されているニホンカワウソのはく製です。高知には数ヵ所はく製をおいている場所があるので、興味のある方は見に行ってみてくださいね。 カワウソの分類を見ると、7つの属に分かれます。・Lutra属(2種) ユーラシアカワウソ EURASIAN OTTER スマトラカワウソ HAIRY NOSED OTTER・Lutrogale属(1種) ビロードカワウソ SMOOTH COATED OTTER・Lontra属(4種) カナダカワウソ NORTH AMERICAN RIVER OTTER ウミカワウソMARIN OTTER オナガカワウソ NEOTROPICAL OTTER チリカワウソ SOUTHERN RIVER OTTER・Hydrictis(1種) ノドブチカワウソ SPOTTED NECKED OTTER・Pteronura属(1種) オオカワウソGIANT OTTER・Aonyx属(3種) ツメナシカワウソ AFRICAN CLAWLESS OTTER コツメカワウソ ASIAN SHORT CLAWED OTTER コンゴツメナシカワウソ CONGO CLAWLESS OTTER・Enhydra属(1種) ラッコ SEA OTTER更に分布図を見ると...。このうち、アフリカにいるのがツメナシカワウソとコンゴツメナシカワウソとノドブチカワウソの3種、南アメリカにいるのがオオカワウソとウミカワウソ、オナガカワウソ、チリカワウソの4種、北アメリカにいるのがカナダカワウソ、ラッコ。ただし、ラッコはロシアや日本にもいます。ユーラシア大陸に広くいるのがユーラシアカワウソで、東南アジアにいるのがスマトラカワウソ、ビロードカワウソ、コツメカワウソとなります。 分布と分類を比べると、南アメリカに生息するオオカワウソを除いた3種は北アメリカに暮らすカナダカワウソと近い仲間であり、東南アジアのスマトラカワウソはユーラシアカワウソと近い仲間であること。アフリカに暮らすツメナシカワウソとコンゴツメナシカワウソは東南アジアのコツメカワウソと近い仲間なのがわかります。ある場所で暮らしていたカワウソが別の地に行き、そこで増えていったのだろうなあ。考えるとすごいですよね。 こちらは当館の係員が数年前にチリに行った際に見たというウミカワウソ(Marine otter)です、豆粒サイズですけども。主に海の近くで暮らす小型のカワウソですが、遠くに動いているのがいくつか見られたそうです。自然の海でカワウソが見られるってなんかすてきです。 カワウソにもいろいろいるのですというお話でした。

コツメカワウソ

2025.06.11

  • #コツメカワウソ

特別講座「世界カワウソの日」

5月最終水曜日といえば、「世界カワウソの日」!海遊館ではちょっと早めの5月17日、18日に、カワウソについて楽しく学べる特別講座を開催しました。17日は小学生以上とその保護者、18日は大人の皆さまを対象に、カワウソの給餌見学やオリジナルエコバックづくり、ボードゲームなどを取り入れながら、カワウソや保全について参加者のみなさまと一緒に考えました。毎年、カワウソについてどんなテーマでお話しようかと頭を悩ませている担当なのですが、今年のテーマは「野生のカワウソの探し方」にしよう!ということで、私がコツメカワウソの生息地でもあるマレーシアで実際にみた風景や巣穴、糞など生息地の写真を見たり、2017年にカワウソが発見された長崎県の対馬のお話をしました。「図鑑に載っている生息地ってどうやって、何をしらべていると思いますか??」という質問に、最初は「・・・・・」と考え込んでしまった参加者のみなさまも、お話を聞きながら「なるほど...」「糞はどこだ?誰の足跡だ?」と考えをめぐらせてくださいました。そして、頭の中がカワウソでいっぱいになったところでオリジナルエコバック作りに突入!海遊館オリジナルカワウソスタンプとペンを使ってトートバックを完成させるのですが、なんとも皆様のセンスの良さ!!どれも素敵で私が欲しくなってしまいました。ちなみに足型のハンコは、海遊館のコツメカワウソに協力してもらった型をもとにハンコを作ったので、肉球の形や広がり方は本物なんです~(*^▽^*)後半はカワウソの保全についてのお話です。わたしたちの身近なものとコツメカワウソの生息地である東南アジアがどのように繋がっているのか、遠く離れた日本からカワウソを守るためにできることがあるのか、ボードゲームを使って感じていただきました。 今回の特別講座が「カワウソを取り巻く問題を自分ごととして理解していただき、自分ができることから1アクションをおこし、そして続けていただく」きっかけになれば嬉しいなと思う担当でした。今週は、日本各地のカワウソ飼育園館が、さまざまなイベントや情報発信をしていますのでぜひチェックしてみてくださいね。

イベントレポート

2025.06.05

  • #コツメカワウソ

お引越し準備中

今日は嬉しいお知らせです。 コツメカワウソの「センティ」が高知県立のいち動物公園へお引越しすることが決まりました!センティは2021年に香港オーシャンパークから海遊館にやってきて、2023年に「ビジュ」と子宝に恵まれ、国内に新たな血統となる子供たちが誕生しました。日本動物園水族館協会では、国内で飼育している希少動物約150種について、動物の戸籍簿(血統登録)を作成し、種ごとに繁殖計画を作り、繁殖に取り組んでいます。 海遊館でもカマイルカ、ゴマフアザラシ、カリフォルニアアシカなどの海獣類の他、ペンギン全種、コツメカワウソの血統登録を行っています。それぞれの遺伝的多様性を維持し、持続可能な繁殖を促進するためには、新しいペアを必要とします。 そこで、センティが新しいパートナーと繁殖に臨むことができるように、このたび、高知県立のいち動物公園へ移お引越しすることになりました。 現在、センティは「日本の森」水槽で娘の「シイ」と一緒に暮らしており、ごはんの時には お引越しのためのトレーニングに取り組んでいます。輸送用のケージへ誘導する際にセンティが暴れると輸送中に体調を崩してしまう要因にもなるので、事前にケージに慣れてもらうための大事なトレーニングです。今回は去年の「ヒノキ」のお引越しの時と同じように、事前にのいち動物公園から輸送ケージを送っていただきました。 扉のバネの音に警戒することもありますが、少しずつ慣れてきました。 センティとシイは6月3日まで「日本の森」で過ごし、お引越しに向けて4日からは予備室(非公開)へ移動する予定です。みなさま、「日本の森」で遊んでいるセンティとシイにぜひ会いに来てください。※予備室への移動は生きものの状態によっては急遽変更することもあります

コツメカワウソ

2025.05.31

  • #コツメカワウソ

カワウソコロコロ氷玉

海遊館のコツメカワウソは「日本の森」水槽の他にバックヤードでも暮らしています。それらの個体にも楽しく、刺激のある毎日を過ごしてもらうために日々遊び道具などを用意しています。この日用意したのは球状の氷です。中には餌で使用しているカワエビを入れています。氷が解けることで中のエビを取り出せますが、どんな反応をしてくれるでしょうか。まずはポポに渡しました。氷を受け取るとコロコロと転がしながらプールに入れてガジガジとかじります。プールから出してまた転がして、そしてまたプールに入れてを繰り返して、溶けてきた氷からエビを取り出して上手に食べています。 ▲エビを食べた後も氷で遊ぶポポ「ミウ」と「ロック」にも渡しましたが、ひたすら氷をかじるロックと、氷を丸ごとかじりだすミウと、2頭とも違った反応が見られました。▲ひたすらかじってエビを取り出そうとするロック▲溶け切るのを待てず丸かじるミウ同じものでも個体によって反応が違ってくるのは面白いですね。いろいろな刺激を与えながら退屈にならないように今後も工夫していきますので、その様子をまたお伝えできればと思います。

コツメカワウソ

2025.05.06

  • #コツメカワウソ

ツバキのこと

昨秋より「日本の森」上部の塗装工事で天井部分をシート等で覆っていたため、エリア全体が薄暗くなっていました。このたび工事が終了したので、徐々にシートを除いています。ガラス越しとはいえ、太陽の光の偉大さを感じます。さて、寒いこの時期は「日本の森」の植物も葉が落ち、緑も少なく寂しい雰囲気。その中でふと見上げると赤い花がぽつぽつ見えます。ツバキ(ヤブツバキ)です。漢字では木偏に春と書いて「椿」ですが、花は寒い冬から春にかけて咲きます。庭木として植えられることが多く、メジロなどが蜜を吸いに来るのをみかけたことはありませんか?花の奥のほうに蜜があります。私は吸ったことはないけど、吸ったことがある係員によると、まあまあ甘いらしいです。蜜を吸う時に鳥たちの体に花粉がつくため、彼らの移動によってツバキは広く受粉の機会を得ることになるわけ。ツバキの戦略はたいしたもの!そんなことを思い出しながら、「日本の森」を見上げてみてくださいね。一方、こちらはバックヤードにいるコツメカワウソの「ツバキ」です。今年20歳になるツバキ。なかなかお茶目でしょ?(左は撮影当時、同居していたハチです)年相応で時々体調を崩すこともありますが、元気にやってます。植物のツバキにあやかり、たくましく過ごしてほしいものです。

植物

2025.03.03

ロックのその後

2023年に突然左半身の麻痺の症状が現れたコツメカワウソのロック。海遊館で行ったX線検査や血液検査では原因が分からず、大阪公立大学さんの協力のもとCT検査、MRI検査を行い「線維性軟骨塞栓症(脊髄梗塞)」による麻痺である可能性が高いことが分かりました。その時の様子は過去のブログをご覧ください。投薬治療とリハビリですっかり元気になったロック。現在の様子について、紹介したいと思います。昨年9月にニフレルへお引越ししたロック。もともと水があまり得意ではないので、引っ越し当初はなかなかプールに入ろうとしなかったようですが、プールにスロープを設置する、入水訓練を実施するなどニフレル飼育員の努力で、自分からプールに入って泳ぐようになっていたとのこと。ニフレルでのロックの様子そして、この1月に海遊館に再び戻り、現在はバックヤードでのんびり過ごしています。水に入ったり、お昼寝をしたり、相変わらずマイペースなロック。歩行をみても行動をみても、以前麻痺があったとは思えない回復ぶりです。水に入っているロック寝袋代わりのトレーナーの上でくつろぐロック周りの様子をうかがうロック元気になって本当によかったです。カワウソにおける線維性軟骨塞栓症の報告はこれまでになく、ロックが初めての症例となります。今回の臨床症状や診断基準、治療や臨床経過が、今後カワウソの健康管理に役立つことがあるかもしれません。この度、「コツメカワウソにおける線維性軟骨塞栓症の診断と臨床経過」についての研究論文が、日本獣医学会が刊行する「The journal of veterinary medical science」のオンライン速報版に掲載されました。詳しく知りたい方は、ぜひこちらのリンクをご覧ください。https://www.omu.ac.jp/info/research_news/entry-16234.htmlhttps://www.jstage.jst.go.jp/article/jvms/advpub/0/advpub_24-0462/_article/-char/en

コツメカワウソ

2025.02.14

  • #コツメカワウソ
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