以布利通信Vol.118「マンタ!!、、、ではないんです」
過ぎ去ったと思ったら、また現れる台風。天気予報を見るたびに、心がソワソワしっぱなしの以布利センターです。そんな以布利センターには、餌の時間になるとひときわソワソワし始める生きものが暮らしています。
のんびりと目の前を通り過ぎた今回の主役。その名も「ヒメイトマキエイ」です。ヒメイトマキエイは最大でも2m程度で、成長すると3m以上になる「イトマキエイ」とは異なる種類です。以布利センターでは現在、2尾のヒメイトマキエイが暮らしています。そんな彼らを見たお客様からよく聞こえてくるのが......「マンタだ!!」......惜しい!!マンタは一般的に、イトマキエイ科に属する3種類(オニイトマキエイ・ナンヨウマンタ・アトランティックマンタMobula yarae)の総称といわれています。ヒメイトマキエイも、彼らと同じイトマキエイ科の仲間ですが、厳密にいうと、マンタではないようです。いわいるマンタと以布利センターの「ヒメイトマキエイ」では大きな違いがあり、その一つが口の位置です。▼ナンヨウマンタ▼ヒメイトマキエイマンタである海遊館のナンヨウマンタは口が体の先のほうにあるのに対し、ヒメイトマキエイは体の下側についています。マンタの仲間と比べると小柄なヒメイトマキエイですが、泳ぐ姿は負けていません。左右に大きく広がった胸鰭を羽ばたかせ、水の中を優雅に泳ぎます。しかし・・・餌の時間になると、その優雅な雰囲気が一変します。
遠くから加速をして、餌の入った柄杓を目掛けて駆け抜けるように餌を食べます。毎日見ている飼育員でも、思わず「速っ!」と声が出てしまいます。普段は大きな胸鰭を使って優雅に泳ぎ、餌の時間には一転してダイナミックな姿を見せてくれるヒメイトマキエイ。見た目だけでなく、こうした行動のギャップも彼らの魅力のひとつです。そんな、ときに優雅に、時に激しいヒメイトマキエイは、現在国内で見られるのはわずか2施設、そのうちの1つが以布利センターです。
通常は一般公開をおこなっていませんが、地域振興への協力を目的に、調査研究に支障のない範囲で公開しています。詳しくは土佐清水市観光協会までお問い合わせを。タイミングの合う方はぜひ彼らに会いに来てください!遠い遠い土佐清水でお待ちしております!
海洋生物研究所「以布利センター」
2026.10.07