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コツメカワウソ

いろんなカワウソ

2025年06月11日

5月の最終水曜日は国際カワウソ保護基金(IOSF=The International Otter Survival Fund)がカワウソの現状をみなさまに知っていただくために制定した「世界カワウソの日」。今年は5月28日でした。
当館では2018年からこれに賛同していろいろな催しを行っていますが、今年は特別講座でゲームやエコバッグ作りを実施しました。また、エントランスビル4Fの飼育員カウンターにおいて、カワウソについての掲示を行いました。

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なんとなく、みなさんはカワウソというと当館にもいるコツメカワウソを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?でも、世界にカワウソの仲間は13種いるのです。
コツメカワウソの他に日本の園館で見られるのはユーラシアカワウソ、カナダカワウソ、ツメナシカワウソとラッコの4種。以前はビロードカワウソも見ることができました。
この中でラッコは水族館で見られる数はもう残り少ないですが、今、北海道で数を増やしつつあるため、唯一、自然下で見られる種です。でも、ラッコがカワウソの仲間だと言われてもピンと来ない方も多い気がしないでもない...。また、ユーラシアカワウソは絶滅したとされるニホンカワウソに非常に近い仲間で、最近、存在が話題になった対馬のカワウソは韓国由来のユーラシアカワウソの可能性が高いと言われています。
こちらは土佐清水市役所に展示されているニホンカワウソのはく製です。

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高知には数ヵ所はく製をおいている場所があるので、興味のある方は見に行ってみてくださいね。

カワウソの分類を見ると、7つの属に分かれます。

・Lutra属(2種)
 ユーラシアカワウソ EURASIAN OTTER
 スマトラカワウソ HAIRY NOSED OTTER
・Lutrogale属(1種)
 ビロードカワウソ SMOOTH COATED OTTER
・Lontra属(4種)
 カナダカワウソ NORTH AMERICAN RIVER OTTER
 ウミカワウソMARIN OTTER
 オナガカワウソ NEOTROPICAL OTTER
 チリカワウソ SOUTHERN RIVER OTTER
・Hydrictis(1種)
 ノドブチカワウソ SPOTTED NECKED OTTER
・Pteronura属(1種)
 オオカワウソGIANT OTTER
・Aonyx属(3種)
 ツメナシカワウソ AFRICAN CLAWLESS OTTER
 コツメカワウソ ASIAN SHORT CLAWED OTTER
 コンゴツメナシカワウソ CONGO CLAWLESS OTTER
・Enhydra属(1種)
 ラッコ SEA OTTER

更に分布図を見ると...。

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このうち、アフリカにいるのがツメナシカワウソとコンゴツメナシカワウソとノドブチカワウソの3種、南アメリカにいるのがオオカワウソとウミカワウソ、オナガカワウソ、チリカワウソの4種、北アメリカにいるのがカナダカワウソ、ラッコ。ただし、ラッコはロシアや日本にもいます。ユーラシア大陸に広くいるのがユーラシアカワウソで、東南アジアにいるのがスマトラカワウソ、ビロードカワウソ、コツメカワウソとなります。

分布と分類を比べると、南アメリカに生息するオオカワウソを除いた3種は北アメリカに暮らすカナダカワウソと近い仲間であり、東南アジアのスマトラカワウソはユーラシアカワウソと近い仲間であること。アフリカに暮らすツメナシカワウソとコンゴツメナシカワウソは東南アジアのコツメカワウソと近い仲間なのがわかります。
ある場所で暮らしていたカワウソが別の地に行き、そこで増えていったのだろうなあ。考えるとすごいですよね。

こちらは当館の係員が数年前にチリに行った際に見たというウミカワウソ(Marine otter)です、豆粒サイズですけども。

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主に海の近くで暮らす小型のカワウソですが、遠くに動いているのがいくつか見られたそうです。自然の海でカワウソが見られるってなんかすてきです。

カワウソにもいろいろいるのですというお話でした。

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カテゴリ
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