「日本の森」に朝、佇むとほのかに花の良い香りがします、とはいえ今年は梅雨明けも異常に早く、もう花も終わりかけてしまってますが...
香りの正体はクチナシの花です。
クチナシはアカネ科の仲間でなんと!コーヒーの木が近い仲間だそうです。
東南アジアに広く分布し、日本では静岡県以西の本州や四国、九州、南西諸島の森林に自生します。温暖でやや湿った半日陰の場所を好みますが、園芸種として用いられることも多く、海遊館に来る途中の街路でも見られます。道端で香りと花の姿を見かけたら、少し遅れて「日本の森」で花が開きます。
花が咲くのは6~7月で、よい香りがするということで、春のジンチョウゲ、秋のキンモクセイとともに夏のクチナシとして「三大香木」と呼ばれます。どの花も香りが特徴的ですね。
クチナシの名前は諸説ありますが、冬になる実が熟しても口が開かないため、「口無し」に由来するといわれています。「死人に口無し」という言葉を連想させるとして、庭に植えることを好まない人もいらっしゃるようです。しかし、花は学名の Gardenia jasminoides からわかるようにジャスミンのような良い香りだし、実は生薬や染料として用いられるなどたいへん有用な種なのです。身近なところだと、たくあんや栗きんとんなどの色付けに使うため、お正月前にはスーパーや八百屋さんで売っていることもあるそうですよ。
クチナシの色素はこのように黄色だけでなく、赤や青もあるのだとか。3種類の色素を混合し、カラーバリエーションを生み出すことも可能だというので、すごいですね。
花は有名ですが、実はあまり気にしていなかったので、「日本の森」のクチナシ、今年は実についても注意深く見守りたいと思います。
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