ペンギンたちの声
- 2022.06.29
- 海獣チームの日記
ペンギンたちの鳴く姿を見たお客様から「何で鳴いているんですか?」「なんて言っているんですか?」と時々質問を頂く事があります。
飼育をする立場からするとペンギンの言葉が分かればすごく良いことだなと思うのですが、やはりなんと言っているか正確な言葉は、飼育員でもわかりません。
ですがペンギンも意味が無く鳴いているわけではありません。どういうシチュエーションで鳴いているか、どんな動きをして鳴くかによって、意味については私たちでも知ることが出来ます。
ペンギンはディスプレイと呼ばれる行動で自身をアピールするのです。
飼育下でもよく見られる主なディスプレイに注目して、どうやってペンギン同士でコミュニケーションを取るのか少しですが皆さんに知っていただきたいと思います。
1つ目は、性的ディスプレイというものに含まれる「おじぎ」です。ペアが向き合い絆を強化したり、抱卵や抱雛を交替する時などに見られるものです。「鳴き」ではないじゃないかと思われた方、とても聞こえにくいのですがこの時もとても小さく低い声で「はぁー」と鳴いているのです。これは繁殖期に多く見られる行動です。
次は、なわばりに入る飼育員を敵対している鳴き声です。頭を高くし警戒しているのが分かります。動かず鳴きだけで追い払おうとするペンギンや、お互いの距離が近くなるとくちばしでつついたり、翼を大きく動かし戦闘の意思を示すペンギンもいます。
最後の2つは、恍惚(こうこつ)のディスプレイに含まれる「トランペット鳴き」と呼ばれるものです。繁殖期によく見られる行動で、ペアのいないオスが巣に入りメスに巣があることを知らせたり、オスとしてほかのオスに自分のなわばりをアピールする効果があると考えられています。ミナミイワトビペンギンの場合、くちばしを振りながら上を向いて鳴くのが特徴です。ジェンツーペンギンの場合、こちらも上を向きながら鳴くのですがくちばしを振ってはいませんね。ペンギンの種類が違うと鳴き方にも違いが出ます。
どうでしたか!ペンギンのディスプレイは上で紹介したもの以上にたくさんあります。ペンギンの外見だけでなく、こういったコミュニケーションの部分に注目してみるのもまた新しい発見があるかもしれません。
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