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コツメカワウソ

ツバキの思い出

2025年11月17日

10月30日朝、コツメカワウソのツバキが死亡しました。20歳2ヵ月のカワウソ生でした。
2005年8月1日に生まれたツバキ。今年の誕生日のようすは以下のとおりです。
→ 「Happy birthday !

ブログで紹介したとおり、8月頃に痙攣発作を起こしたのですが、その後も何回か発作を起こし、そのたびにもうだめかもと思いました。それでも次の日には復活して「ツバキ強いな~」と言われていて、このままずーっといくんじゃないかと思っていました。
数日前に朝の掃除に入った際も、温水をためたプールで「ふぇーっ」いう感じでつかっていたし、前日も普通に餌を食べ、夕方にはザクロと一緒に寝袋にくるまったのに...。
次の日の朝、係員が部屋をのぞくとザクロ1頭が起きてうろうろしており、ツバキは寝床で冷たくなっておりました。穏やかな性格のツバキらしい最期だったように思います。

当館では生後2ヵ月ごろに係員がこどもたちに離乳食を与える練習をします。ミルクと魚やキャットフードをまぜたものを口に入れるのです。ツバキも兄のイブキとともにそれを行いましたが、神経質な兄は係員に対しブーブー怒るのに、ツバキは餌をぱくぱくと食べ、餌の途中でうとうとする余裕があるほどです。きょうだいなのに違うもんだな~、ツバキは大物になるぞと密かに思ってました(笑)。

▼生後2ヵ月のツバキ
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母コウメが次の年に出産した際は「日本の森」で母と仮の父や兄、叔父、祖父と共に弟たちのお世話をしていました。この時、カワウソは9頭展示で、「日本の森」の展示数としては最大でした。

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ツバキと兄はお世話といっていいのか?生まれて間もない弟たちをくわえて巣箱から出したり、そのまま入水したりするので、両親は戻すのに疲労困憊、私たちは「あー頭打った~」「底まで沈むのやめて~」と大慌てです。でも、弟たちは無事育ちました。カワウソ強い。

その後、ツバキは2009年にシュロたち4きょうだいを出産、

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次に「王子」と呼ばれていたひとりっこゴボウ、そしてロックやグミたちを育てました。一番印象に残っているのは最初の子育てです。ちょうど特別展示「発見!体験!ふれあいライブ館」を開催しており、そこで相方のソラとともに、4きょうだいと一緒に展示したのです。

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ソラが子育てにとまどっていたこともあり、ツバキは獅子奮迅。こどもを移動するために1頭を口にくわえ、残りの3頭を両脇に抱え込み、時にはまとめて押しながら4頭同時に運ぶという荒業を発するため、見守るこちらはハラハラしておりました。肝っ玉母さんぶりを発揮したツバキです。

また、ツバキは運動能力が非常に高く、捕まえようとしてもぴょーんと跳ねて逃げ、バックヤードでは金網をスルスルっと上り、天井にあがったはいいもの?の降りてこられらくなることもありました。下で「私が受け止める!」と大手を広げていましたが、私に当たって降りました。

今も当時の担当者に会うと必ず出る話は、新しくカワウソ担当になった飼育員が体重測定を行うため、体重計を持って入り、よいしょと床に置いたその瞬間。体重計にかけより、体重計の足についているゴムをくるくるっと回して取り外し、水に入って向こう岸に行ってしまったのです。

▼ゴムは赤で囲った部分(このカワウソはツバキではありません)
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体重計が傾いてガターンと倒れ、何が起こったのかわからずに茫然としている飼育員の顔が忘れられません。素早くゴムを回す様子は職人のようでした。

末娘のグミと一緒にニフレルにお目見えしたこともありましたね。
本当にいろいろなツバキの姿が思い出されます。

ツバキ、20年間楽しかったね。
そちらにいるお母さんやおじいちゃんたちによろしく伝えてほしいです。

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