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無脊椎動物

紫の再来

2025年11月29日

皆様お馴染み(?)、クラゲ担当です。
再来シリーズ2本目となります。

前回は「目玉焼きの再来」でした。

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この時の経験を経て、目玉焼きクラゲこと「チチュウカイイボクラゲ」は、今のところ比較的安定して育成させることができています。成長〜。

さて、今回の再来はこちら!

2511_murasaki_02.jpg
アカクラゲに似てるけど、傘と触手が紫っぽい...?
こちらのクラゲは、「パープルストライプトジェリー」という名前で北米太平洋沿岸に分布し、日本にはいません。

なんと、12年振りの登場です(笑)

このクラゲ、海遊館がクラゲ飼育を開始したときからポリプを管理している、文字通り古株です。多い時は1日に50個体単位でエフィラ(赤ちゃんクラゲ)を出してくれるのですが...

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2511_murasaki_04.jpg▲ポリプから出てすぐのエフィラたち

このエフィラが全然育たない。
水流をつける、流れを止める、容器を変える、アルテミアと餌用クラゲの量を増やしてみる...。
どれをやっても効果はイマイチでした。なんやねん君ら。

「昔はアルテミアとミズクラゲを給餌したら育ったのにな〜」
という前情報はありましたが、ポリプが古いためか、全くうまくいかずに展示に至らず、月日が経っていきました。

それからご縁があり、海外でパープルストライプトジェリーを継続して飼育されている水族館の方が海遊館を訪れたこと、そして私がクラゲの勉強会に参加させていただいき、私と若手で質問しまくったことで、パープル育成は急展開を迎えます。

色々なお話を要約すると、「暴力的な給餌が必要」とのことでした。
そこで、餌となるアルテミアとミズクラゲの他、ワムシや加工したイサザアミ等も用意し、給餌の際は胃に餌が確実に入るよう工夫しました。

2511_murasaki_05.jpg▲給餌中のパープルたち

成長スピードはゆっくりですが、3ヵ月以上育成し、とうとう展示できる大きさまで成長しました!

今回育成がうまくいった条件としては、

・ミズクラゲの他に、代替餌料が見つかったこと
・初期餌料のワムシが継続して培養できたこと

ということかな...と思っています!
(ワムシも色々苦労したので、近々ブログに書きたいな...)

改めて、アドバイスをいただいた園館の皆様、育成を頑張ってくれた若手たちに感謝です!

この経験をパープルストライプトジェリーの継続展示や他のクラゲ育成にも活かすことができればと思っています!

さ〜て、次の再来はどんなクラゲになるのやら...?
クラゲ担当の模索は続く...。

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