こんにちは。連日とても暑い日が続き、今年は梅雨だなと感じる間もなく梅雨明けしましたね。
今日は「特設水槽」にいるアオリイカの繁殖行動の様子をお話します。
アオリイカは主に、春から夏にかけて繁殖を行います。海遊館においても、同じ時期に繫殖行動が行われます。水槽の擬海藻をよく見てもらうとサヤエンドウのような卵のう塊が付いています。↑産み付けられた卵のう塊
アオリイカの繁殖行動はオスが精きょうと呼ばれる精子が入ったカプセルのようなものをメスに渡すという方法です。
繁殖期になると1匹のメスに複数のオスが求愛する様子や、交接する様子が見られます。
オスはメスをめぐりオス同士で争い、時には嚙みつかれて傷がつくほどの個体もいます。大きなオス個体が争いに勝つ場合が多いです。
動画においても、ペアになったオス(一番体が大きく、体色が濃くなった個体)が他のオス(画面中央の最下の個体)を威嚇する様子(0:01頃)や、メスを守って寄り添って泳ぐ様子(0:04以降)が見られ、争いに負けたオスはペアから離れます。
しかし、負けたオスは繁殖行動に参加できないという訳ではありません!
スニーキングという繁殖戦略をもっているのです。
スニーキングとはペアになれなかったオスがペアオスの隙を狙い交尾を試みる方法で、スニーカーと呼ばれます。スニーキングはサケ科魚類などにも見られます。
動画ではペアになったオスとメスが産卵している様子、先ほどペアのオスに負けた、スニーカーのオス(最下から右側に泳いでいく個体)が卵のう塊を触りながら(0:00~0:03頃)、産卵しているペアのメス(0:13頃)の体色に紛れてメスに近づき、交尾の機会をうかがう様子が見られます。
スニーカーオスは、強い個体ではないものの、限られた機会を捉えて子孫を残すための戦略としてとても重要です。
繁殖行動を見ていると、生きものの戦略や、強さに改めて感心します。
アオリイカの産卵行動は海遊館では主に朝から昼にかけてよく観察できます。
是非、アオリイカの動きや鮮やかな体色の変化をみてください!
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