ワモンアザラシ「アラレ仔」誕生(中編)

アラレの赤ちゃんの人工哺育を行うと決定したものの、海遊館でのワモンアザラシの繁殖は今回が初めてのことです。

しかも国内の水族館でワモンアザラシを完全な人工哺育で育てたという記録は見当たらず、ワモンアザラシの繁殖経験や補助的に人工哺育を行ったことがある水族館から提供して頂いたデータと、過去に海遊館で行ったゴマフアザラシの人工哺育のデータを照らし合わせながら、進めていくことにしました。

始めのうちは順調に進んでいましたが、生後1週間頃から排便があまり見られなくなり、生後9日目にCT検査を実施した結果、獣医さんから「腸が詰まっている可能性があるかもしれない。浣腸や腸内洗浄を行って数日様子を見て改善しないなら、最悪の場合はお腹を切って手術する必要が出て来るかも。」との事でした。
※CTは大阪公立大学獣医内科学研究グループから共同研究に伴って、お借りしているものです。



しかし、獣医さんがその後毎日、排便が出るように繰り返し様々なケアをしたことにより、徐々に症状は改善して毎日排便が出るようになり、数日後にはもう手術の必要は無いと判断できるまでになりました。

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