ジンベエザメの口の中

「太平洋」水槽はジンベエザメを水槽の上方からも下方からも見ることができるので、色々な角度から観察していただけます。
でも、ジンベエザメ担当者は、お客様には見えないところを見ることができるのです。それは"口の中"。

ジンベエザメは普段、口を閉じているか、薄く開けていますが、餌を食べる時にはガバーッと、大きく口を開けます。
海遊館ではジンベエザメに2通りの方法で給餌します。1つめは長い柄をつけた柄杓で、水槽上の通路から給餌する方法。

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2つめは一緒に泳ぎながら給餌する方法。

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1つめの方法では、ジンベエザメは立ち泳ぎの姿勢となり、口が水面に位置する状態で餌と海水を吸い込むため、泡や水の流れで口の中がよく見えません。しかし、2つめの方法であれば担当者の目線がジンベエザメの口と同じ位置にくるので、口の中を良く観察でき、外見ではわからない異変に気づきやすくなります。口の中だけではなく、眼や鼻孔(鼻のあな)、傷の有無、肌の状態など、間近で様々な観察ができるので、とっても重要な給餌方法なのです。

今回、遊ちゃんと海くんの口内撮影に成功したのでご覧ください。


映像を見ると、餌を吸い込む様子が良くわかります。口の中には餌と一緒に吸い込んだ海水から餌だけを濾しとる鰓板(さいばん)という器官があります。また、においを感じる鼻孔や眼なども確認できますね。ちなみに、この映像ではわかりませんが、歯もちゃんとあるんですよ。
過去ブログ(以布利通信27「ジンベエザメの落とし物?」)

餌の食べ方にも注目してください。海くんは2口目には口の中の餌が無くなりました。すぐに餌を飲み込んだのか、実は口の奥に餌を溜める場所があるのか。。。遊ちゃんは何度か吸い込んで、徐々に餌を口の奥に流し込むようにしています。
外見だけでなく、餌の食べ方まで個体差があるなんて、非常に興味深いですよね。今後も生物たちの健康管理に余念が無いよう、尽力していきます!

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