2018.12.28
生きもの情報
カマイルカのアーチが残してくれたこと
海遊館では、1990年のオープン時より、「タスマン海」の自然環境を再現した水槽で、イルカの飼育展示を行なっています。アーチ(愛称)は、海遊館にはじめてやってきたカマイルカで、施設が新しいだけでなく、飼育員も未熟ななか、アーチはカマイルカの飼育に必要なすべてのことを教えてくれました。2001年から2014年にかけて計5回出産し、胎児が成長する様子から出産の瞬間、小さくて頼りない赤ちゃんに夜中もずっと寄り添って泳ぐ姿、仔イルカへの深い愛情など、アーチから、命を繋ぐことの大変さとすばらしさを学びました。また、「カマイルカの繁殖生態」「仔イルカと母イルカの行動分析」「人工授精に向けた基礎データーの収集」など、飼育下でしか得られない情報を残してくれました。たくさんの情報を与えてくれたアーチですが、残念ながら2018年12月24日に亡くなりました。これからもカマイルカの飼育展示を通して、海生哺乳類の進化・適応のおもしろさや生命のすばらしさ・尊さを伝え、調査研究を通して種の保存や生息環境の保全に貢献できるよう努力してまいります。
2018.07.24
生きもの情報
※展示終了しました 有明海に生息する大型種「ビゼンクラゲ」を展示中!クラゲの魅力を追求した「海月銀河」でご覧いただけます。
2018年7月21日(土)からクラゲ展示エリア「海月銀河」で、有明海に生息している「ビゼンクラゲ」(傘の直径およそ40㎝、計3匹)を期間限定で展示しております。 ※展示終了しました。 【期間限定「ビゼンクラゲ」展示概要】 展示期間: 7月21日から8月末頃まで(予定) 場 所: 海遊館3階「海月銀河」 展 示 数: 3匹(傘の直径およそ40cm) ※生物の状況により、予告なく展示期間や展示数を変更する場合があります。 【ビゼンクラゲについて】 学名 Rhopilema esculenta 南日本の沿岸海域に生息する。かつて岡山県児島湾が名産地だったことから「備前クラゲ」の名がついたといわれている。 有明海沿岸では「あかくらげ」と呼ばれている。食用になり、寒天質の傘の部分は厚くて硬く歯ごたえがある。 成長すると傘の直径が50cm、重さが10kg程度になり、大きな個体では80cm、20kgにもなる個体もいるといわれている。 傘の縁に触手(しょくしゅ)はなく、8本の口腕(こうわん)には、それぞれ多数の棒状の付属器が付いている。 傘は白く、口腕は赤い。傘の縁を力強く開閉させて活発に泳ぐ。7月から10月頃にかけて、有明海沖合で刺網漁(さしあみりょう)によって漁獲される。 有明海で見られるものは、他の海域のものと別の種類の可能性もあり、現在研究が進められている。
2018.04.17
生きもの情報
ゴマフアザラシの赤ちゃんの愛称が決定しました!
ゴマフアザラシの赤ちゃんの愛称が「ひすい」に決定しました! 2018年3月7日から4月8日までの期間、ゴマフアザラシの赤ちゃんの愛称を飼育員が設定した12個の候補名への投票形式(愛称募集専用の応募フォーム)で募集したところ、合計2,503通の応募がありました。その中で最も多くの票を獲得した愛称「ひすい」に決定しました。 愛称が「ひすい」に決定した赤ちゃんアザラシ 1.愛称募集の結果について 応募総数:2,503通 愛 称:「ひすい」 ※「ひすい」に投票された544名の方の中から、抽選により3名を命名者代表に決定し、アザラシの赤ちゃんを間近で見られる「スペシャルバックヤードツアー体験」をプレゼントします。※応募していただいた方の中から抽選で10名様に記念品として「海遊館オリジナルグッズ」をプレゼントします。 2.今回愛称が決まったゴマフアザラシの赤ちゃんについて 出 生 日:2018 年 1 月 27 日(土) 体長など:体長約 70cm、体重約 24 ㎏(4月13日現在)、メス 母 親:愛称「ダイヤ」、体重約78kg、推定年齢 14 歳 父 親:不明 3.ゴマフアザラシ 英名Largha seal 学名Phoca largha アザラシ科。北太平洋のベーリング海からオホーツク海などに分布する。体色は明灰色で、背側は黒っぽく、黒色の小斑点が多数点在することからこの名がある。魚類、イカ、タコ、貝類などを食べる。出産期は2月中旬から4月で、流氷帯の辺縁部や、沿岸に近い氷上で出産する。授乳期間は約2~3週間で、この時期は白色の新生児毛に覆われている。
2018.02.01
生きもの情報
ゴマフアザラシの赤ちゃんが生まれました♪大切に赤ちゃんを育てています
2018年1月27日(土)の午後10時17分、「モンタレー湾」水槽でゴマフアザラシの赤ちゃんが生まれました。 ※ゴマフアザラシの赤ちゃんは母親の『ダイヤ』が水槽の岩陰で子育てをしているため、ご覧いただけない場合があります。ご了承ください。母子ともに健康状態は良好で、出生後まもなく母親からの授乳行動を確認することができました。海遊館におけるゴマフアザラシの赤ちゃん誕生は、2014年3月に続き8例目です。 今回生まれた赤ちゃん(1月29日撮影) 今回、出産したゴマフアザラシの愛称は「ダイヤ」(推定14歳)で、出産は今回が2回目です。出生時の体重は7.98kgで、性別は未確認です。一般にゴマフアザラシの赤ちゃんの成長速度は非常に早く、母親の乳をよく飲み、多い日には一日あたり、1kg以上も体重が増加します。生後2週間から3週間で白色の体毛からゴマ模様に生え換わります。一般公開している「モンタレー湾」水槽で、赤ちゃんのかわいらしい姿をご覧いただき、生命の誕生や命のかけがえのなさについて、お伝えできればと考えています。 今回生まれたゴマフアザラシの赤ちゃんについて 誕生日時2018年1月27日(土)午後10時17分 体 重7.98kg(出生時) 性 別未確認 母 親ダイヤ (推定14才、父親は不明) ゴマフアザラシ 英名Spotted seal 学名Phoca largha アザラシ科。北太平洋のベーリング海からオホーツク海などに分布する。体色は明灰色で、背側は黒っぽく、黒色の小斑点が多数点在することからこの名がある。魚類、イカ、タコ、貝類などを食べる。出産期は2月中旬から4月で、流氷帯の辺縁部や、沿岸に近い氷上で出産する。授乳期間は約2~3週間で、この時期は白色の新生児毛に覆われている。 「モンタレー湾」展示水槽について 水槽容量1,050t、深さ約8m、水温18℃、展示面積250㎡。 アメリカ合衆国カリフォルニア沿岸の岩場を再現した水槽で、現在、6頭のカリフォルニアアシカと9頭のゴマフアザラシを展示しています。
2018.02.01
生きもの情報
【開催中】ミニ企画展『カワウソおったー!!コツメカワウソのホントのおはなし』
ミニ企画展『カワウソおったー(Otter)!!コツメカワウソのホントのおはなし』を開催中 開催期間2018年1月26日(金)~ 4月8日(日)(予定) 時 間海遊館営業時間と同じ 場 所海遊館4F ビューイングルーム 料 金海遊館入館料に含む 問合せ海遊館インフォメーション06-6576-5501
2017.10.10
生きもの情報
たくさんの感動をありがとう!ラッコの「パタ」が天寿を全うしました
たくさんの感動をありがとう、パタ。そして、パタをたくさん愛してくれてたみなさん、ありがとうございます。 平成29年10月10日(火)朝4:00、海遊館生まれのラッコ「パタ」が亡くなりました。21歳でした。一般にラッコの寿命は15~20歳と言われていることから大変長寿で、国内の水族館生まれのラッコとして最高齢でした。「パタ」は平成8年6月28日に海遊館で生まれたメスのラッコです。生まれた当初から海遊館で暮らし、赤ちゃん時代にはぷかぷか水面を泳ぐ母親ラッコのお腹の上に乗る姿が愛くるしいと、話題になりました。性格はいたずら好きでやんちゃ。可愛らしい姿の写真がWEB上で何度も話題になったり、毎年6月28日の誕生日にはお客様からお誕生日カードを受け取ったり、誕生会イベントへの参加に応募者が殺到したりと、日本中にたくさんのファンがいたこともパタならではです。パタはラッコの中でも一番トレーニングで出来るようになった動作が多く、陸上での握手や、口をパカッと開ける動き、自ら体重計に乗る行動などが出来ました。このような多様なトレーニングが上手く出来たからこそ、長年こまめにケガや体重、体調のチェックなど健康管理を行うことができ、しっかりと長生きをしてくれました。パタは平成29年10月3日(火)頃から体調に変化があり、8日(日)からバックヤードで24時間体制でケアを続けましたが、老衰により天寿を全うしました。なお、海遊館では現在ラッコの展示を行っておりません。◆担当者から "パタは海遊館で誕生し、21年間その姿を見てきました。ラッコのなかでもひときわ「わがまま」という個性があって、たくさん困らせてくれました。ラッコの中でも小柄で、丈夫な体ではないように思っていたが、いつのまにか水族館生まれとして国内最高齢にまでなっていました。本当によくがんばってくれました。この数年は1頭での生活だったので、飼育員たちが出来るだけパタに会いに行き、生活に刺激を与え健やかに暮らしてくれるよう見守ってきました。そんな毎日の中で、私をはじめ飼育員たちはみな、パタから学ぶことがたくさんありました。感謝しています。今はすごく悲しくさみしいですが、パタには本当にありがとう!と伝えたいです。"(海遊館 飼育展示部海獣環境展示チーム マネージャー地本(パタ誕生時より海獣担当) ◆パタを愛してくださったみなさまへ ラッコのパタを大切に想ってくださってきたみなさま、本当にありがとうございました。たくさんの魅力で、ラッコと海の生きものの素晴らしさや不思議さを教えてくれたパタに、海遊館は感謝しています。海遊館では、パタへの感謝を伝える場を設ける予定です。パタを愛してくださったみなさまからのお気持ちも、その際にお受けできるよう検討しておりますので、お待ちいただきますようお願いいたします。 ◆ラッコのパタについて 愛 称:パタ性 別:メス年 齢:21歳(平成29年10月10日現在)誕生日:平成8年6月28日(海遊館生まれ)特 徴:かわいい顔して、かなりの気分屋。よく飼育員を悩ませている。おやつでもらう、氷とカニが好き。しかし気分によっては食べずに捨てる飼育員泣かせなラッコ。しかしそんな姿さえもが魅力的で、21年間、海遊館の飼育員はもちろん日本中にファンを持つアイドルのようなラッコ。その魅力で、「ラッコ」という生きものの素晴らしさや不思議さを広く私たちに伝えてくれた。 ◆海遊館とラッコについて 海遊館ではラッコが不在となりますが、開館以来27年間取り組んできた飼育経験と知識を、ラッコの保全・保護活動に役立てていきたいと考えています。ラッコの生態研究を今後も継続して行い、自然で暮らすラッコの保護・保全活動の一助となれるように取り組んで参ります。
2017.06.07
ニュース
ミナミイワトビペンギンの赤ちゃんが誕生しました!
新体感エリアの「フォークランド諸島」水槽で、愛くるしい姿の赤ちゃんと微笑ましい子育ての様子をご覧いただけます。 2017年6月7日(水)の朝、ミナミイワトビペンギンの赤ちゃんが1羽誕生しました。一般公開中の「フォークランド諸島」水槽では、愛くるしい姿の赤ちゃんと微笑ましい子育ての様子をご覧いただけます。現在は親鳥が熱心に子育てをしています。赤ちゃんは親鳥のお腹の下に隠れていますが、親鳥が動いたタイミングなどに顔を出し、ピーピーと鳴く様子をご覧いただけます。 今回誕生したミナミイワトビペンギンの赤ちゃんは、人工授精を行った親鳥から産まれました。昨年、海遊館ではミナミイワトビペンギンの人工授精に世界で初めて成功しましたが、今回はさらに発展させた試みとして、凍結した精子を用いて人工授精を行いました。人工授精による赤ちゃんであるかどうかは、DNA検査を行い約1ヶ月後に判明する予定です。人工授精であることが確認できた場合、ミナミイワトビペンギンにおける凍結精子を用いた人工授精として、世界で初めて成功したことになります。
2017.04.05
生きもの情報
国内水族館初展示の "ミクロドイバラモエビ" など、深海性のエビ、カニ類を展示します
海遊館4階の「日本海溝」水槽にて、4種のエビやカニを追加展示! 海遊館では、高知県立海洋深層水研究所と共同で、室戸岬周辺の深海生物について研究を行なっています。今回、共同研究の一環で、深海にすむミクロドイバラモエビ(国内水族館初展示)をはじめ、高知県室戸岬周辺で確認された4種のエビやカニを展示します。 ◆ ミクロドイバラモエビ 学名:Lebbeus tosaensis高知県室戸市の海洋深層水研究所の深層水取水ラインに迷入した非常に小型のエビです。同研究所が新種として発表しました。国内水族館での展示は初めてです。◆オオホモラ学名:Paromola japonica第5脚を背面側に折り曲げることができ、この脚を使ってカイメンやカイガラなどを背負って身を隠します。◆オキノスジエビ学名:Plesionika narval水深200~300mに生息するジンケンエビ属の仲間です。春から初夏には30m以浅で発見されることもあり、大群をなすことから繁殖のために浅海に移動してくるのではと考えられています。◆ツノワラエビ学名:Eumunida dofleiniカニのような姿をしていますが、温帯域の深海域に生息するワラエビ科のエビです。 ※今回展示する生物は、詳しい生態がわかっていないため、予告なく展示を終了する場合があります。
2015.10.06
ニュース
オウサマペンギンの赤ちゃんが誕生しました!
9月25日(金)、「南極大陸」水槽でオウサマペンギンの赤ちゃんが誕生しました。 《産 卵 日》 平成27年7月31日(金) ※卵の長径102.0mm、短径71.0mm、重量273.3g 《ふ 化 日》 平成27年9月25日(金) ※産卵後56日目、体長約10cm(目測)、体重186.9g 《雛の大きさ》 体長約15cm(目測)、体重511g ※10月6日現在 赤ちゃんはまだまだ小さいため、親鳥のおなかの下からわずかに顔をのぞかせるくらいです。これからぐんぐん成長し、かわいらしい姿が見られるように飼育スタッフが見守ります。 「南極大陸」水槽では、アデリーペンギン2羽(6月21日と6月23日)とジェンツーペンギン(7月20日)が誕生し、それぞれ元気に成長しています。
2015.07.30
生きもの情報
ジェンツーペンギンの赤ちゃんが誕生しました!
海遊館のペンギン ベビーラッシュ! 7月20日に「南極大陸」水槽でジェンツーペンギンの赤ちゃんが誕生しました。まだ小さい赤ちゃんの愛くるしい姿と微笑ましい子育ての様子をご覧いただけます。《産 卵 日》 平成27年6月17日(水) *卵の長径約73.6mm、短径約53.4mm、重量約117.6g《孵 化 日》 平成27年7月20日(月) *産卵後33日目《雛の大きさ》 体長約12㎝、体重346g(体長は目測、7月29日現在) 現在、「南極大陸」水槽では、6月に誕生した2羽のアデリーペンギンが大きく成長しています。またオウサマペンギンが産卵し、2組のペアがオウサマペンギンらしい特徴的なスタイルで卵を温めていて、ペンギンたちの繁殖シーズンが続いています。▼抱卵中のオウサマペンギン(2ペア) 今回誕生したジェンツーペンギンの赤ちゃんは、子育て経験の豊富なペアが育てています。産卵したのは別の個体ですが、貴重な生命を大切に育てることを優先し、卵が割れてしまわないよう孵卵器で管理したのち、孵化の直前にベテランペアに卵を託しました。6月に生まれた2羽のアデリーペンギンの赤ちゃんは、巣の外に出てうろうろ歩きはじめるほどに成長しました。またオウサマペンギンの抱卵行動は独特で、足の上に置いた1つの卵に、お腹のたるみを被せるようにして温めます。