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以布利通信Vol.115「以布利クラゲ調査 その1」

夏真っ盛り。ハンディファンが手放せなくなってまいりました。以布利センターです。さて、今回は以布利センターで実施している、ある調査をご紹介します☆以布利センターでは、3年前より継続してクラゲ調査を実施しています。高知県では全域でクラゲ調査は実施されていますが、以布利周辺に特化した調査記録はないため「この環境でクラゲ調査しないのは、もったいない!」という前任者の行動力により調査が始まりました。調査は、プランクトンネットを使って海中のクラゲを回収する方法をとっています。その際に、海水の塩分濃度や水温も記録として残しておきます。▼こちらが採集で使用するプランクトンネットです!他にもシュノーケリングや、漁師さんの船に乗せていただくこともあり、ハナガサクラゲや、沖合で遊泳する激レアクラゲに出会えることも!前任者は2023〜2025年の調査で61種のクラゲを確認しています。参考までに、大阪湾のクラゲ調査では2021年〜2025年で32種確認なので、以布利港のクラゲ相がかなり豊かであることが伺えます...!そして今回(2026年)は4〜7月までの調査で、18種のクラゲが確認されました。その一部を紹介します。▼ギンカクラゲ台風の後にやってきました。毒が強いので注意!▼コモチカギノテクラゲ「子持ち」の名の通り、若い個体は自分のクローンをポンポン出して増えます!飼育してみると、やっぱり勝手に増えてますね...。▼ハネウミヒドラ日の入り後にポリプからいっせいに離れます。生殖のために生まれるため、クラゲの寿命はわずか数時間。ちょっと切ないクラゲです。他に見つかったクラゲたちも、またブログでご紹介したいと思います!まだまだ分かっていないことが多い、以布利周辺のクラゲたち。どんなクラゲがいるの?どこにいるの?何時になったら出てくるの...?分からないことだらけです!今後も調査がんばっていくぞー!笑

海洋生物研究所「以布利センター」

2026.08.20

(最終回)北極圏への道2026 ようこそ海遊館へ

7月31日。約1か月半の北極航海を終え、函館に帰ってきました!!到着してからは手分けして研究機材などを積み下ろし、お世話になった方々へご挨拶して解散!これにておしまい、めでたしめでたし...ではないのが「北極圏への道」。私たちは生きものたちを大阪まで連れて帰るという最後の大仕事が残っているため、おしょろ丸でもう1泊。輸送の準備を済ませて早めに就寝しますzzz...8月1日AM4:00。いよいよ最後のお仕事開始です。なんと、おしょろ丸の乗組員の皆さんもお手伝いに駆け付けてくださいました!生きものを種類や大きさごとに仕分けするチーム、袋に酸素を入れて縛る「パッキング」をするチーム、袋を保冷剤と一緒に箱に詰めるチームに分かれて作業を進めていきます。箱の数は全部で23箱になりましたが、乗組員さんのご協力もあり予定よりかなりスムーズに終わらせることができました!本当に感謝です(TAT)生きものの受け取りは海遊館組にお任せして、今度こそ北極圏への道は最終回を迎えるのでした。~~~~~ところ変わって海遊館組。生きものを運ぶ飛行機便に変更があり到着が遅くなりましたが、当日中に大阪へ到着しました。車の座席を一部収納して、なんとか載せきれました。ギリギリ!海遊館では、「番外編」でご紹介した新水槽に生きものを収容しました。水槽の水と袋の中の水は水温などの数値が違うので、生きものに負担がかかりにくいよう少しずつ慣れさせながら移していきます。こうして生きものたちを無事に海遊館へ連れて帰ることができました!これからは健康管理を続けながら、展示デビューに向けて準備を進めます。時期が決まったら海遊館HPのニュースなどでお知らせします。お楽しみに!!

北極圏調査2026

2026.08.16

  • #北極圏

(番外編)北極圏への道2026 船での食事

今回は船での生活、特に食事についてご紹介します。乗船前にも「船の食事ってどんなの?「金曜日はやっぱりカレー?」「和食は出るの?」など、食事についてよく聞かれました。先にお答えすると、船での食事は和食中心ですが洋食や中華もでます。金曜に限らずカレー(ちょっと辛め)はよく出ます。そんな食事は船の司厨部の方が作ってくれます。船の食糧庫もちらっと見せていただいたので、ご紹介しますね!まずはお米や調味料が置かれている冷蔵庫です。写真を撮ったのが航海の2/3くらいが過ぎた時だったので少なくなっていますが、日本出港時には棚に入りきらないくらい大量のお米があったそうです。その量なんと10kg×80袋!1日15kgくらいお米を炊いているそうです。そしてお米は無洗米ではないので、毎日手で洗っているとのこと...ありがとうございますm(_ _)m続いては野菜用の冷蔵庫です。冷気が直接当たると傷んでしまう白菜や大根などはシートで覆って保存されていました。そして約40日間の航海中、生野菜が不足してしまうので、寄港したノームでトマトやレタスなどの野菜を買い足したそうです。おかげでおいしいサラダが食べられます。ありがたい...最後はお肉やお魚用の冷凍庫。ブロックの大きな塊肉もありました!お肉やお魚は冷凍保存ができるので日本で積み込んだものを使用しているそうです。ちなみにメニューは航海が始まる前に全て料理長が考え、それに合わせて食材を発注、積み込むとのこと。今は次の航海のメニューを考えているのだとか...なるべく航海中にメニューが被らないよう、たまにレシピサイトなども参考にしながら献立を組み立ててくれているとのこと、本当に頭が下がります。今日もおいしいご飯をありがとうございます!そして、そんな司厨部のインタビューもあり、海遊館の生物紹介もあった国立極地研究所さんのライブ配信はご覧いただいたでしょうか?もし見逃していてもご安心ください!アーカイブを残してくださっています!【極地研公式】LIVE!「おしょろ丸」北極航海2026 第2回第1回のライブ配信にも海遊館がちょこっと出演していますので、ぜひ併せてご覧ください!【極地研公式】LIVE!「おしょろ丸」北極航海2026 第1回

北極圏調査2026

2026.08.14

  • #北極圏

サメやエイの呼吸

前回、「魚の呼吸方式とは?」というブログで、一般的なお魚(硬骨魚類)の呼吸について紹介しました。 今回はサメやエイ(板鰓類)の呼吸について、硬骨魚類との違いや特徴をご紹介したいと思います。サメやエイも魚類です。魚は水中生活をしているので、肺ではなく鰓を使って水中の酸素を取り込んでいます。それはサメやエイの仲間も同じです。鰓に水を流す方式が、ポンプ方式とラム換水方式の2種類あるのも同じです。 では、硬骨魚類とサメやエイ(板鰓類)はどんな違いがあるのでしょう。 硬骨魚類とサメやエイはエラの外部形態が大きく違います。 硬骨魚類は鰓蓋(えらぶた:鰓を覆うフタ構造)が左右にそれぞれ一つあり、外側から鰓は見えません。▼ヒフキアイゴ一方、サメやエイには鰓蓋はなく、鰓孔と呼ばれるスリット状の穴が左右に5-7対開いています。▼イヌザメ鰓孔呼吸の際に鰓孔が開くと板状に並んだエラが外からも確認できます。これが、サメエイの仲間が板鰓類と呼ばれる由来とも言われています。また、多くのサメやエイには、目の後方に噴水孔と呼ばれる穴が開いており、これは水の取り込み口として機能します。 ▼トラフザメの噴水孔 噴水孔は底生性のサメエイでよく発達していますが、外洋性や遊泳性の高い種類では水の抵抗を極力小さくするため、噴水孔は退化しているといわれています。▼エイラクブカの噴水孔例えば底生性のエイは、口がお腹側に付いており、その口が底に接して水の取り込みを塞いでしまうため、口から水を取り込むのは効率的ではありません。 口だけでなく噴水孔からも水を取り込み、鰓に水を流します。 【エイの呼吸】 噴水孔の発達や退化は、それぞれの種の呼吸様式にも関係しています。サメやエイも、硬骨魚類と同じポンプ方式とラム換水方式の主に2つの呼吸様式を持っています。ポンプ方式を取るサメは、底でじっとしているタイプの底生性、低遊泳性の種類(ネコザメやイヌザメ、ドチザメなど)で、噴水孔がしっかりと発達しています。【イヌザメの呼吸】 反対にラム換水方式を取るサメは、外洋性、遊泳性が高い種類(シュモクザメ、ツマグロなど)が含まれます。▼シュモクザメ2つの呼吸方式、どちらも行うサメやエイもいます。こちらはエイラクブカの呼吸です。【エイラクブカのラム換水呼吸】 【エイラクブカのポンプ方式呼吸】 口を開けて泳ぎほとんど鰓孔が動かないラム換水方式と口と噴水孔の開閉によって水を取り込み呼吸するポンプ方式、どちらも使い分けているようです。サメやエイたちの呼吸、とっても奥が深いのです。ぜひ水族館に来た際は、呼吸にも注目してみてくださいね。

魚類

2026.08.02

⑭北極圏への道2026 もう1つのお仕事

航海も終盤に差し掛かってきました。北極圏での観測を全て終え、船は日本に向けて航海を続けています。今日のお話は「講義」についてです。私たちは生きものの収集だけでなく、航海後半から乗船されている「公開実習プログラム」の実習生の方々へ、水族館飼育員として生きものや仕事内容について講義をするというもう一つの乗船目的があります。公開実習の詳細はこちら⇒ArCS III おしょろ丸公開実習そんな講義のお話に入る前に、皆さんは覚えておいででしょうか?⑤北極圏への道2026で、私たちは日付変更線を超えたために「6月27日」を2回経験することになりました。そして、帰りにもう一度日付変更線を超えた時、〇月×日がなかった事になる...。それはいつだったのか?発表します。デケデケデケデケ...デン! 「7月20日(海遊館開業記念日)」でした!!(UTC...世界の標準時間 JST...日本の時間 SMT...船の時間)世間では36歳を迎えた海遊館ですが、私たちはまだ35周年イヤーが続くということで、もう1年盛り上がっていきたいと思います。では本題の講義へ。今回のお題は「採集」です。おしょろ丸航海や2016年のカナダでの北極圏生物収集、その他国内での採集まで、それぞれの採集方法についてお話ししました。 実習生の皆さんは自然や生物学だけでなく、経済学や教養学、農学といった様々な専攻の方が参加されています。普段とは違った視点の質問をたくさんいただき、私たちも刺激になりました。 午後は外に出て飼育体験です。水槽の仕組みを解説した後、餌やりと水槽掃除を体験いただきました。真剣に取り組む皆さんを見て、新米飼育員だった頃の懐かしい気持ちが蘇りました。いや、今も真剣に仕事してますけどね?そんな実習生や北海道大学の学生さん、研究者の方々と過ごす旅ももうすぐ終わりです。日本が近づいてじわじわ暑くなっていますが、自分も生きものたちも体調を崩さないよう、最後まで気を抜かずに頑張ります!

北極圏調査2026

2026.07.31

  • #北極圏

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