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Blog 海遊館の舞台ウラ

展示のこだわりや、赤ちゃん情報、生きものたちの普段の様子など、
現場ならではの裏側をのぞいてみませんか?新しい発見がたくさんあるかも。

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餌のおわりを信じられないアザラシたち

生きものたちの給餌の最後には「餌はおわりだよ」というサインがあります。そのサインをみた生きものたちはスッっと飼育員の前からいなくなります。しかし、そのおわりサインを信じることができないアザラシがいるのです。ということで、海遊館で暮らしているアザラシたちのおわりサインを見た後の反応をご紹介します。まずはスッと帰るパターン。 こちらはゴマフアザラシの美桜です。サインと同時に水中へ帰っていきました。普段はアシカのおこぼれも狙う食いしん坊アザラシですが、それはそれ、これはこれ、なようです。 こちらはゴマフアザラシのショウです。サインを見て、一息ついてから帰っていきました。続いてうまみタイムを入れてから帰るパターン。※うまみタイムとは... 飼育員が勝手に名付けた、餌終了後に食べた餌を思い返しているような様子のことです。 こちらはゴマフアザラシのナナです。うまみタイムをしていましたが、後ろから来たダイヤの圧に負けて水中へと帰っていきました。 こちらはゴマフアザラシのしげのぶです。一番うまみタイムが長いアザラシです。飼育員がもう一度おわりサインを出すとやっと帰っていきました。続いてちょっとチェックしてから帰るパターン。 こちらはゴマフアザラシのラピスです。飼育員の足元に餌が落ちていないかチェックしてからすこし名残惜しそうに帰っていきました。そして皆様お待ちかね、餌が終わったことを信じられないパターン。 こちらはゴマフアザラシのダイヤです。海遊館で一番食いしん坊なアザラシで、おわりサインをみてもずーっと催促するように鳴いています。そして飼育員の目をとても見つめてきます。ちなみにこの後、飼育員がダイヤの目の前からいなくなるまで何度おわりサインを出しても帰りませんでした(笑) こちらはワモンアザラシのユキです。ユキもかなり食いしん坊アザラシです。おわりサインをみても信じられず、ずーっと飼育員の目を見つめてきます。まだありますよね?といわんばかりに見つめてきますが、最後は諦めて帰っていきました。まだ食べたそうなアザラシたちですが、体重等を見ながら餌の量を調整して健康管理はきちんと行っています。ですので、ご安心くださいね!皆様も海遊館でお食事タイムを見る際は、アザラシたちの餌を食べ終わった後の帰り方にも注目してみてくださいね!最後に番外編として、帰りたくても帰れないパターンをお見せします。 こちらはゴマフアザラシのおんぷです。おわりサインを見て帰ろうとしますが、そこにはダイヤが!!どうしようとばかりにキョロキョロ。最後は飼育員が板でガードした隙に帰っていきました。

哺乳類

2025.11.09

  • #ゴマフアザラシ
  • #ワモンアザラシ

性別が変わる魚たち

先日「瀬戸内海」水槽にコブダイが1匹入りました。もともといたコブダイと比べると、名前にもあるコブがないなどの違いがありますね。今回入ったコブダイ↓先に展示されていたコブダイ↓今回入ったコブダイはメスの個体です。先に水槽に入っていたのはオスのコブダイで、比べると大きさ、そして頭のコブがあるかないかの違いが良くわかりますコブダイは大きくなるまでメスで、成長するとオスになりコブが出てきます。このメス→オスに性転換(性別が変わること)することを雌性先熟といいます。他にもハタやハゼの仲間も雌性先熟の性転換をする種類がいます。雌性先熟に該当するハナダイの仲間逆にオス→メスの性転換をする魚もいます。こちらは「グレート・バリア・リーフ」水槽で示されているクマノミやクロダイ等が該当します。こちらは雌性先熟の反対で雄性先熟といいます。雄性先熟に該当するクマノミそして一部のハゼの仲間などはメス→オス、オス→メスの両方に性転換できる種類もいます。魚類にとって、性転換というのはよくあることなのかもしれません。このように魚類が性転換する理由としては多くの子孫を残せるよう、生存競争を有利に進めるためだと考えられています。雌性先熟では、初めはメスで、大きくなってからオスになると、縄張りを広く守ることができ、多くのメスと子孫を残せる可能性が出てきます。逆に雄性先熟では、一番大きな個体がメスになれば、より多くの卵を産むことができるため、子孫を残しやすくなります。とくにコブダイなどのブダイの仲間やハナダイの仲間はオスとメスで姿かたちが違う種類もいるので、ぜひ水槽をよく観察してみてくださいね。

魚類

2025.10.31

  • #コブダイ

この木なんの木?(街路樹)

海遊館の前には街路樹があります。これは観覧車の近くで撮影したものですが、海遊館側(写真左)にあるのはクスノキ、その対面(写真右)にあるのはイチョウの木です。そういえば、ちょうど今、道端に銀杏が落ちてます。で、何が気になるかというと、この街路樹の区画に見かけるこの木です。これは街路樹として植えたものなのでしょうか?でも、横にはイチョウの木があるし...。弁天町付近で生えているのをみたら、そうではないように思えます。それから注意して、いろいろな場所の区画を探すと、あちこちに見られるのです。この木は前からあったっけ??こちらは大阪港駅までの道の途中にある建物の前に生えているものですが、こんなに大きくなるんだ!と驚きました。調べてみると、この木はセンダンという木です。センダンは落葉高木で、暖地の海岸近くに自生しますが、公園などに植えられたものが野生化していることも多いそうです。樹高は一般的に10mくらいですが、高いものだと30mに達するとのこと。花は初夏に紫の花をつけ、写真で見ると美しいです。花があれば気になりそうなもんなんだけど、その時にはまったく気づいていませんでした。結実は10月ごろからで、ヒヨドリやカラスはよく食べるそうですが、毒性の強いサポニンを多く含むため、人や犬、猫は食べないように注意が必要とのこと。葉はその昔、農家で除虫に用いていたそうです。私がこの木を気にするようになったのは、葉の形がウルシの仲間にも似ていて、通行時に触れた際にかぶれるかも、と思ったためですが、かぶれるとの記載はありませんでした。更にセンダンについて調べると、衝撃的なのは平安時代には重罪人の首をその枝にかけてさらしたり、センダンの木材は首を切った罪人の頭部を晒す「獄門台」として用いることがあったとか...。なぜこの木を使ったのかは定かではありません。ついでに、大阪の街路樹について興味を持ったので、調べてみると、大阪市内ではセンダンを植えている地域が多くあるようです。特筆すべきは、土佐堀川にかかる橋で、淀屋橋と北浜の間は栴檀木橋(せんだんのきばし)というこの木の名前がついた橋があるそうです。市内を歩く時はまた探してみようと思います。最近、この近くでセンダンが増えたのは、市内で実を食べた鳥たちが運んできたのかな?と思ったり、いろいろ想像がふくらみます。

植物

2025.10.29

飼育員が聞いている音

皆さんこんにちは。海遊館で使われているアクリルパネルはとても分厚く、お客様側からはなかなか生きものたちが奏でる音が聞こえません。そこで本日はアクリルパネルの向こう側で飼育員が聞いているいろんな"音"について紹介します!まずは、ワモンアザラシのユキユキは自分のお腹を叩いて音を鳴らすことができます。 実はこの腹叩き、アザラシが威嚇をする際によく取る行動なのです。にしても、ユキの腹たたきは音に迫力があってたまりません!(笑)続いては、同じくワモンアザラシのアラレが出す音「ブーン!」です。 実はアラレのこの音も、威嚇の時によく出す音なのです。同じ水槽で暮らすモヤが近づくとアラレはよくブーンと鳴いています...。(ユキとアラレの動画は、飼育員によるトレーニング時のものです。)最後にカリフォルニアアシカの親子、アスカとハクの声をどうぞ! アスカは大きな声で今年の6月に生まれた我が子ハクを呼び、ハクもまた母の呼びかけにしっかりと答えています。この二頭のやり取りは子育て中の期間限定で聞ける声なので意外と貴重なんですね!!海遊館に足を運んだ際には、アクリルパネルの向こうの音に耳を澄ませると、もしかしたら生きものたちが奏でる音が聞こえてくるかもしれません♪

ワモンアザラシ

2025.10.28

  • #カリフォルニアアシカ
  • #ワモンアザラシ

エトピリカたちもそろそろ衣替えの季節!

皆さんこんにちは!暑く長い夏もやっと終わり最近は夜も肌寒くなってきましたね。そろそろ半袖から長袖に変える時期になってきました!海遊館で暮らしているエトピリカたちも同じく衣替えの時期を迎えているんです!鳥類は換羽といって古い羽が抜け落ち、新しい羽に生え変わる生理現象で、エトピリカは1年に2回換羽を行い、夏羽と冬羽を使い分けています。以前のお伝えしました「お引っ越し後のエトピリカ!!」で上げていたエトピリカたは顔がまっしろな夏羽になっていました!しかし最近のエトピリカはというと、、、 白い羽が所々抜けており真っ黒な羽に生え変わり始めています。またエトピリカの代表的な飾り羽も冬になると抜けてしまう為、全く別の鳥のように見えますよね!他のエトピリカはというと・・・ まだ夏羽が残っているようですが、飾り羽が抜けきっていない子は飾り羽が眉毛のようでとても可愛らしく見えます!そして、こんな落とし物もありました! 陸上だけでなく水面にも様々な大きさの羽が落ちており、このタフトという黄色の羽は夏羽時に生えていた頭部の飾り羽です!!一年でもこの時期しか味わえないことなのでとても嬉しい瞬間で、私はタフトを見つけるとなんだかラッキーな気分になれます!現在「アリューシャン列島」水槽はリフレッシュ工事中ですが、随時、エトピリカの近況報告はお知らせいたしますので楽しみにしてくださいね。

鳥類

2025.10.24

  • #エトピリカ

エトピリカの見分け方~雛の成長~

早速ですが、↓この4羽見分けがつきますか?毎日飼育をしていると、顔立ちや目つき、歩き方、飾り羽(夏羽のみ)なんかを見てどんどん見分けがついてきますが、最初は全く見分けがつきません。皆さんも一度見たぐらいでは、なかなか見分けがつかないと思います。ではどうすれば簡単に見分けられるのかというと...よーく見ると、足にバンドがついています!!このバンドの色で初めて見た方でもすぐに見分けることができるのです!ちなみに、右足はメス、左足はオスと決まっています。海遊館では7羽のエトピリカを飼育しています。そのうち1羽は今年の8月に孵化した雛で、現在は飼育員による人工育雛中です。(水槽リニューアル工事のため、現在はバックヤードにて飼育管理中です)バンドの色が黒:おこっぺ      茶:けろち      無:ところ   オレンジ:しゃり      緑:さるる      青:ちりっぷ      雛:愛称投票中(エトピリカツアーにご参加の方&飼育員による投票)では、この2羽は誰でしょうか...?正解は、しゃり(右オレンジ) おこっぺ(左黒)です。この2羽は今年孵化した雛の親鳥ペアです。2羽で巣を作り、しっかり守っています。 今回はバックヤードでの産卵だったため、環境が整わなかったこともあり、産卵当日から孵卵器に収容し、一から人工育雛にチャレンジしました。 親鳥に餌を要求する時、雛は高い音で鳴きます。だんだんと翼も大きくなり、現在は500gを超えてきました(孵化時53g)。これからの成長も楽しみです!リフレッシュ工事の終了後に展示水槽で見る機会があれば、ぜひ皆さんも見分けてみてください!!

鳥類

2025.10.20

  • #エトピリカ

皮の手袋?

「アクアゲート」水槽に鎮座するこちら。皆さんはなんだと思いますか?実はこれ、ヒトデの仲間で、その名も「カワテブクロ」インド洋~太平洋などの熱帯地域に分布しますが、日本では奄美大島以南に生息します。体の中心から腕の先までの長さは8cm程になります。これがなかなかの存在感で、展示直後に館内スタッフから「あれはなんですか?」と聞かれたほど。皮(革)手袋というと...汚れていてわかりにくいですが指の部分が太くて厚みがあるところなどは確かに似てる?一般的にヒトデは触ると固いのですが、このカワテブクロは革手袋のようにすべすべとしているそうです。そう言われると触ってみたくなります。最初の写真のカワテブクロですが、擬サンゴの上に1匹、裏側に1匹いますよね?仲良しか?(笑)ただ、その場所は以前 「好みの隠れ家」 でコクテンフグがくつろいでいた場所じゃないですか。好みの場所を奪われたコクテンフグは?というと、所在なさげに水槽の端でうろうろしていました。存在感のあるカワテブクロの圧にはあらがえなかったのかもしれません。コクテンフグが不憫になりました。その後、若干擬サンゴなどの模様替えがあり、新たな隠れ家ができました。別の日に見てみると、カワテブクロ1匹は別の場所にいて、もう1匹は先日、模様替えをした新しい隠れ家にいました!そして、コクテンフグはというと、 その隠れ家の上にいる!別のフグはこれとは別の場所を見つけたようです。よかったね。朝の楽しみが増えました。

無脊椎動物

2025.10.13

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