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スズメダイ科の繁殖行動

あっという間に夏らしい気温になり汗をかく季節になりましたね!さて、昨年11月に "サンゴの生命力" をテーマに生まれ変わった「グレート・バリア・リーフ」水槽ですが、実は魚たちの生命力や命の巡りも感じることができます。今日はその一部分を紹介したいと思います。最下層のサンゴの周りではスズメダイ科の魚が多く遊泳していますが、実は産卵行動を見ることができます。最近ではグレートバリアリーフの固有種であるバリアリーフクロミスや、きれいな水色の体色をしているデバスズメダイ等が多く産卵しています。産卵行動は現在朝から昼にかけて観察できることが多く、① オスが産卵場所(構造物)を口や胸鰭を使ってキレイにする、産卵場所に入ってくる魚を追い払う② オスがメスに求愛行動を行い、産卵場所に誘う③ メスが擦り付けるように卵を産んだものにオスが放精する④ オスは卵が孵化するまで、死んでしまった卵を口で取る行動や、口や胸鰭を使って新鮮な海水を送る大まかに①~④の流れで産卵行動が行われます。 ↑この動画はバリアリーフクロミスの産卵行動で、上記では③にあたります。↑この写真はデバスズメダイの産卵行動で、上記では④にあたります。1つのサンゴに対して数個体のデバスズメダイたちが卵を守っている様子が見られます。みなさまも是非、スズメダイ科たちの繁殖行動を見に来てくださいね!

魚類

2025.06.01

  • #デバスズメダイ
  • #バリアリーフクロミス

お引越し準備中

今日は嬉しいお知らせです。 コツメカワウソの「センティ」が高知県立のいち動物公園へお引越しすることが決まりました!センティは2021年に香港オーシャンパークから海遊館にやってきて、2023年に「ビジュ」と子宝に恵まれ、国内に新たな血統となる子供たちが誕生しました。日本動物園水族館協会では、国内で飼育している希少動物約150種について、動物の戸籍簿(血統登録)を作成し、種ごとに繁殖計画を作り、繁殖に取り組んでいます。 海遊館でもカマイルカ、ゴマフアザラシ、カリフォルニアアシカなどの海獣類の他、ペンギン全種、コツメカワウソの血統登録を行っています。それぞれの遺伝的多様性を維持し、持続可能な繁殖を促進するためには、新しいペアを必要とします。 そこで、センティが新しいパートナーと繁殖に臨むことができるように、このたび、高知県立のいち動物公園へ移お引越しすることになりました。 現在、センティは「日本の森」水槽で娘の「シイ」と一緒に暮らしており、ごはんの時には お引越しのためのトレーニングに取り組んでいます。輸送用のケージへ誘導する際にセンティが暴れると輸送中に体調を崩してしまう要因にもなるので、事前にケージに慣れてもらうための大事なトレーニングです。今回は去年の「ヒノキ」のお引越しの時と同じように、事前にのいち動物公園から輸送ケージを送っていただきました。 扉のバネの音に警戒することもありますが、少しずつ慣れてきました。 センティとシイは6月3日まで「日本の森」で過ごし、お引越しに向けて4日からは予備室(非公開)へ移動する予定です。みなさま、「日本の森」で遊んでいるセンティとシイにぜひ会いに来てください。※予備室への移動は生きものの状態によっては急遽変更することもあります

コツメカワウソ

2025.05.31

  • #コツメカワウソ

花が咲き始めました

今年も梅雨を前に「日本の森」でヤマアジサイが咲き始めました。アジサイの語源は小さな青い花が集まるので「集真藍」=「あづさあい」となったのではないかといわれています。でも、漢字では「紫陽花」と書きますよね。実は中国の「紫陽花」は別の花なのだそう。ただ、太陽の光の下で咲く紫の花ということであれば、「紫陽花」のほうがそれらしい気もします。こちらはテイカカヅラ。花はこちら。語源などはこちらをご覧ください → どこまで増えるかな?(「日本の森」のテイカカズラ)最近、私の好きな某劇団のショーの中で、愛する式子内親王が亡くなり、トップスター演ずる藤原定家がテイカカヅラとなって内親王の墓にまきつく場面が出てきて「おう、これは!!」となりました。ファンの方、ぜひご覧ください。そして、こちらは初めて見る花。ハコネウツギです。花の色が白から紅色に変わるため、ゲンペイウツギと呼ばれることもあるそう。ウツギは「空木」、「卯木」と示されますが、ハコネウツギのようにスイカズラの仲間、アジサイの仲間、ユキノシタの仲間など科や属が違うものがあります。「空木」は幹が空洞になっていることから、花が卯月(5月)に咲くから、この字があてられました。また、ハコネウツギは「箱根」に多いというわけではなく、牧野新日本植物図鑑には「それは誤認」と書かれていました。なせ、箱根だったのでしょうね??担当者曰く、「伸び放題だったので、今年はメンテナンス時にばっさり剪定しようと思ってた」そうですが、花も咲いたので、もう少し様子をみてもらいたいものです。

植物

2025.05.28

  • #日本の森

お引越し後のエトピリカ!!

皆さんこんにちは!今回のお話の主役はエトピリカ、お久しぶりの登場です!「アリューシャン列島」水槽のリフレッシュ工事に伴い、バックヤードへのお引越しを行いました。エトピリカは警戒心が強く、少しの変化でもびっくりして近づいてこなくなってしまうことがあります。そのため引越しが完了したあと、私たち飼育員は新しい環境に慣れてくれるのか見守っていました、、、私たちの心配をよそに、引っ越し後すぐに落ち着いた様子で歩いたり、水面を泳ぐ姿を見ることができました。また給餌の時間にはてくてくと餌を食べに寄ってくる姿も見せてくれました!(私たちもこれには一安心です)さて、海遊館では生きものたちの健康状態を把握するために体重測定を行っていますが、引越しで環境が変わったこともあり、なかなか体重計に乗ってくれません、、、体重測定のトレーニングを続けていると、最近ではエトピリカたちが自ら体重計に乗ってくれるようになり、体重をはかることができるようになりました!今回はそんなエトピリカの体重測定の様子を皆さんに少しお見せしたいと思います。一番乗りで体重計に乗ってきてくれたのはいったい誰だと思いますか!? 正解は「ちりっぷ」でした!!ちりっぷはいつもお腹がすいているのか、毎回すごいスピードで走ってきて餌を食べにくる子なんです。まずは体重計に乗ってもらって画面に表示される体重の数値を記録し、その後餌を与えるようにします。空腹時の体重を記録することで毎回同じ条件の正確な数値を記録することができます! 続いてやってきたのはこの子!「さるる」です!のそのそと上がってきました。くわえずらかったのか、なかなか食べてくれませんでしたが、最後は食べてくれました!この2羽を比べてみるとやはり、ちりっぷのスピード感が伝わってきますよね!この後、残りの5羽も自ら体重計に上がってきてくれ、全羽の体重をはかることができました!海遊館では記録した体重を基にグラフを作成し、餌の量や体調把握など多くに役立てています。今後もエトピリカたちの生活の質の向上の為、体重測定はもちろん健康管理に役立てられるような飼育環境を心がけていきたいと思います!しばらく展示水槽では見られませんが、これからもエトピリカたちの様子を皆さんにお伝えしていきますので、ブログのチェックを忘れないでくださいね!

鳥類

2025.05.27

  • #エトピリカ

カワウソコロコロ氷玉

海遊館のコツメカワウソは「日本の森」水槽の他にバックヤードでも暮らしています。それらの個体にも楽しく、刺激のある毎日を過ごしてもらうために日々遊び道具などを用意しています。この日用意したのは球状の氷です。中には餌で使用しているカワエビを入れています。氷が解けることで中のエビを取り出せますが、どんな反応をしてくれるでしょうか。まずはポポに渡しました。氷を受け取るとコロコロと転がしながらプールに入れてガジガジとかじります。プールから出してまた転がして、そしてまたプールに入れてを繰り返して、溶けてきた氷からエビを取り出して上手に食べています。 ▲エビを食べた後も氷で遊ぶポポ「ミウ」と「ロック」にも渡しましたが、ひたすら氷をかじるロックと、氷を丸ごとかじりだすミウと、2頭とも違った反応が見られました。▲ひたすらかじってエビを取り出そうとするロック▲溶け切るのを待てず丸かじるミウ同じものでも個体によって反応が違ってくるのは面白いですね。いろいろな刺激を与えながら退屈にならないように今後も工夫していきますので、その様子をまたお伝えできればと思います。

コツメカワウソ

2025.05.06

  • #コツメカワウソ

かしわもちあれこれ

「ぎゅぎゅっとキュート」ののぞき窓では、5月5日の「こどもの日」「端午の節句」に関連する海遊館の生きものについて紹介しています。例えば、生きものの「こども」ということで、今、エントランスビル4F飼育員カウンターで展示中のタカアシガニのこどもについてや、こどもとおとなで姿の異なる生きものなど。その中で、この時期に食べるかしわもちを取り上げました。かしわもちをくるむカシワは残念ながら当館にはないので「日本の森」に生えているカシワに近いブナ科コナラ属の樹木、コナラ、クヌギ、シラカシ、アラカシ、マテバシイを紹介しました。コナラ属の木は秋にはどんぐりをつけます。ただ、シラカシやアラカシの葉は細長いし、マテバシイはちょっと小さいので、おもちをくるむにはあまり適していないような??そもそもこの時期になぜかしわもちを食べるのかというと、カシワの葉は新芽が育つまでは古い葉が落ちないことから、家系が途切れない=子孫繁栄のため。かしわもちを求めて町中をうろうろしたところ、4月中旬ごろまではまだ桜餅がでまわっていて、20日を過ぎて、やっとかしわもちを発見!おもちはおいしく味わった後、葉っぱの写真を撮っていて、気づきました。「ん?私、こどものころ、食べてたかしわもちはこの葉っぱじゃなかった」▲カシワちょっと調べてみると、実はかしわもちにはいろいろバリエーションがあり、小豆のあんだけでなく、みそあんなどもあるし、あんをくるむのがよもぎもちであるとか、地方によって異なるようです。そして、もちをくるむ葉ですが、カシワが関西ではあまりみられないことから、代わりに使われていたのはサルトリイバラ。そうそう、私が食べてたのはこれです。かしわもちは1枚でくるっと巻く感じですが、これは2枚で包む感じです。サルトリイバラはつる性の多年草で、実や根は漢方薬としても使われます。ちなみにこのサルトリイバラのかしわもちは和歌山が実家の係員に買ってきてもらいました。係員の相方さんは高野山のほうではこの葉を「サンキライ」と呼んでいるというのも教えてくれたそうです。サンキライとは「山帰来」と書き、山に行った人が体調をくずしたが、これを食べて回復して戻ってきたというお話からきています。この時食べたのは実ですが、根も煎じて漢方薬に使われます。三重のほうではサルトリイバラの葉でつつんだもちを「いばらもち」として食することもあるそう。かしわもちの葉については、2007年に「兵庫県立人と自然の博物館」の方が調べられていて、使われている植物はなんと17種類、その中には当館にあるコナラやクヌギも含まれていたそうです。カシの仲間も使われている地域もあったので、私の予想ははずれました(笑)。かしわもちの葉から「私はこっちの葉だった」とか「こんな葉っぱ見たことない」など係員の間でも話がはずみました。みなさんのまわりではいかがですか?

植物

2025.05.04

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