海遊館

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Blog 海遊館の舞台ウラ

展示のこだわりや、赤ちゃん情報、生きものたちの普段の様子など、
現場ならではの裏側をのぞいてみませんか?新しい発見がたくさんあるかも。

祝!「古賀賞」受賞

ブログでも何度も紹介している、ミナミイワトビペンギンの人工繁殖研究。昨年、世界で2例目となる冷凍精液を用いた人工授精によるヒナが誕生しました!このヒナもう大人と変わらない大きさまで成長し、元気に過ごしています。この度、このミナミイワトビペンギンの人工繫殖研究が、日本動物園水族館協会が定める「古賀賞」を受賞しました!古賀賞!? なにそれ? 初耳.........。そうですよね、この古賀賞、一般的な知名度はほぼありませんが、この業界の中では実はとってもすごい賞で、国内の動物園水族館に与えられる賞の中では最高に栄誉ある賞なのです。希少動物の繁殖における特に優れた業績や、繁殖が難しく世界的にも重要な種の繁殖に成功した場合に贈られる賞で、受賞するのは海遊館では初めてのことなのです。先日その授賞式に葛西臨海水族園のスタッフと海遊館スタッフとで参加してきました。(ミナミイワトビペンギンの繁殖研究は、葛西臨海公園と海遊館の共同研究です)授賞式の様子はこちら。(豊橋総合動植物公園提供)立派な金屏風のある会場での授賞式に少し緊張しましたが、最後はみんなでニコリ。(豊橋総合動植物園提供)授賞式の後には受賞記念講演も行いました。(豊橋総合動植物公園提供)この研究は、2011年から開始し、今年で15年目に入ります。その間、3羽の人工授精によるヒナが誕生しました。ミナミイワトビペンギンの繁殖生理の解明や人工授精技術の開発はようやく目途が立ってきました。ここからの目標は、この技術を使って、国内のミナミイワトビペンギンの繁殖の問題(繁殖率の低さ)を解決していくことです。また、この研究の最終目標は、この人工繁殖技術を野生下のペンギンの保全に役立てることです。野生下のミナミイワトビペンギンは、気候変動や漁獲の増大による餌生物の減少などが要因で生息数が減り、国際自然保護連合(IUCN)が制定するレッドリストでは「危急種(VU)」に指定されているなど絶滅が危ぶまれています。今はまだ、この技術を活かすタイミングではないかもしれませんが、いつの日かペンギンたちに危機が迫った際には、動物園水族館の飼育下だからこそ得られた繁殖技術を活かし、ペンギンたちの未来をまもることができればと考えています。【過去の人工繁殖についてのブログ】人工授精へのチャレンジ(2024.04.27) 葛西臨海水族園とタッグで世界初の快挙達成(2022.08.16)今年もチャレンジしました(2021.08.08)ミナミイワトビペンギン人工繁殖(2018.05.07)

ペンギン

2025.06.19

  • #ミナミイワトビペンギン

北海道の海

先日クラゲの勉強会で北海道の室蘭に行き、現地の海のクラゲを見ることができました。北海道の海はまだ海水温が低く10℃近くまで下がっていました。海に手を入れるととても冷たく痛かったです。海水温が大阪湾と比べるとかなり低いため大阪湾では見ることのできないクラゲがたくさんいました。今回は2種類のクラゲを紹介します。まずはこちらの写真を見てください 。この白いぽつぽつ、実はすべてクラゲです。このクラゲはシロクラゲといい「海月銀河」でもおなじみのクラゲです。私も野生のシロクラゲを初めて見ましたがこんなにたくさんいるとは思いませんでした。(さすが北海道の海。。。)続きましてこちらのクラゲです。このクラゲは大阪湾でもよく見るミズクラゲでは?と思う方もいらっしゃるかと思います。しかしこの個体はミズクラゲではなくキタミズクラゲといいミズクラゲとは別種のクラゲです。このキタミズクラゲの特徴は傘の縁の部分が褐色になります。現在海遊館ではミズクラゲとキタミズクラゲの展示を行っているのでぜひ実際に見比べてみて下さい。今回、この2種のほかにもいろいろなクラゲを見つけることができ、冷たい水域での生態を学ぶことができました。また機会があればほかのクラゲも紹介させていただきます!!

無脊椎動物

2025.06.15

  • #クラゲ

しま模様の成り立ち

大阪といえば野球はタイガースという方も多いでしょう。「ぎゅぎゅっとキュート」の新しい仲間はカゴカキダイです。今は4cm前後の大きさです。大きくなるとこんな感じ(こちらが「アクアゲート」のカゴカキダイ)。大きさは6~7cmです。魚のしま模様は頭を上にして考えるので、カゴカキダイは縦じま、後ろにいるヒレナガハギは横じまということになります。黄色と黒のしま模様はいかにも虎っぽくないですか??個人的には目にも黒い縞がつながっていて、目がきょろきょろ動くのが好みです。今回、「ぎゅぎゅっとキュート」にスカウトしてきたカゴカキダイは高知県の以布利からやってきました。春先にはタイドプールなどにいるのだとか。大阪に来たカゴカキダイはこんな感じ。小さいものは大きさは2cm未満で、しま模様がまだ定かではありません。このしまはどんな風に変わっていくのか?疑問がわき、ちょっと調べてみました。海響館さんの観察によれば、カゴカキダイの卵径は1mmくらい、うまれた直後は1.5mmほど、しかし、54時間後には3mm前後に。そして、2週間後には4mmになるそうです。しま模様の推移については日本産稚魚図鑑(沖山1988)やネットにでているものを参考にさせていただきました。フリーハンドなので、大きさがばらばらだったり、見にくいのはごめんなさい。最初は紡錘形だったのがだんだん体高が高くなり、しまは最初は頭部や側線上、背びれの下などにでき、数も増えていくのがわかります。3枚目の写真のおちびさんは下から3つめのような形、今展示にいるのは一番下が近いように思います。カゴカキダイの名前の由来である頭のもりあがりも4cmくらいででてくるもよう。こんなカゴカキダイ、しま模様の成り立ちを実際にご覧いただけるとうれしいです

魚類

2025.06.13

いろんなカワウソ

5月の最終水曜日は国際カワウソ保護基金(IOSF=The International Otter Survival Fund)がカワウソの現状をみなさまに知っていただくために制定した「世界カワウソの日」。今年は5月28日でした。当館では2018年からこれに賛同していろいろな催しを行っていますが、今年は特別講座でゲームやエコバッグ作りを実施しました。また、エントランスビル4Fの飼育員カウンターにおいて、カワウソについての掲示を行いました。なんとなく、みなさんはカワウソというと当館にもいるコツメカワウソを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?でも、世界にカワウソの仲間は13種いるのです。コツメカワウソの他に日本の園館で見られるのはユーラシアカワウソ、カナダカワウソ、ツメナシカワウソとラッコの4種。以前はビロードカワウソも見ることができました。この中でラッコは水族館で見られる数はもう残り少ないですが、今、北海道で数を増やしつつあるため、唯一、自然下で見られる種です。でも、ラッコがカワウソの仲間だと言われてもピンと来ない方も多い気がしないでもない...。また、ユーラシアカワウソは絶滅したとされるニホンカワウソに非常に近い仲間で、最近、存在が話題になった対馬のカワウソは韓国由来のユーラシアカワウソの可能性が高いと言われています。こちらは土佐清水市役所に展示されているニホンカワウソのはく製です。高知には数ヵ所はく製をおいている場所があるので、興味のある方は見に行ってみてくださいね。 カワウソの分類を見ると、7つの属に分かれます。・Lutra属(2種) ユーラシアカワウソ EURASIAN OTTER スマトラカワウソ HAIRY NOSED OTTER・Lutrogale属(1種) ビロードカワウソ SMOOTH COATED OTTER・Lontra属(4種) カナダカワウソ NORTH AMERICAN RIVER OTTER ウミカワウソMARIN OTTER オナガカワウソ NEOTROPICAL OTTER チリカワウソ SOUTHERN RIVER OTTER・Hydrictis(1種) ノドブチカワウソ SPOTTED NECKED OTTER・Pteronura属(1種) オオカワウソGIANT OTTER・Aonyx属(3種) ツメナシカワウソ AFRICAN CLAWLESS OTTER コツメカワウソ ASIAN SHORT CLAWED OTTER コンゴツメナシカワウソ CONGO CLAWLESS OTTER・Enhydra属(1種) ラッコ SEA OTTER更に分布図を見ると...。このうち、アフリカにいるのがツメナシカワウソとコンゴツメナシカワウソとノドブチカワウソの3種、南アメリカにいるのがオオカワウソとウミカワウソ、オナガカワウソ、チリカワウソの4種、北アメリカにいるのがカナダカワウソ、ラッコ。ただし、ラッコはロシアや日本にもいます。ユーラシア大陸に広くいるのがユーラシアカワウソで、東南アジアにいるのがスマトラカワウソ、ビロードカワウソ、コツメカワウソとなります。 分布と分類を比べると、南アメリカに生息するオオカワウソを除いた3種は北アメリカに暮らすカナダカワウソと近い仲間であり、東南アジアのスマトラカワウソはユーラシアカワウソと近い仲間であること。アフリカに暮らすツメナシカワウソとコンゴツメナシカワウソは東南アジアのコツメカワウソと近い仲間なのがわかります。ある場所で暮らしていたカワウソが別の地に行き、そこで増えていったのだろうなあ。考えるとすごいですよね。 こちらは当館の係員が数年前にチリに行った際に見たというウミカワウソ(Marine otter)です、豆粒サイズですけども。主に海の近くで暮らす小型のカワウソですが、遠くに動いているのがいくつか見られたそうです。自然の海でカワウソが見られるってなんかすてきです。 カワウソにもいろいろいるのですというお話でした。

コツメカワウソ

2025.06.11

特別講座「世界カワウソの日」

5月最終水曜日といえば、「世界カワウソの日」!海遊館ではちょっと早めの5月17日、18日に、カワウソについて楽しく学べる特別講座を開催しました。17日は小学生以上とその保護者、18日は大人の皆さまを対象に、カワウソの給餌見学やオリジナルエコバックづくり、ボードゲームなどを取り入れながら、カワウソや保全について参加者のみなさまと一緒に考えました。毎年、カワウソについてどんなテーマでお話しようかと頭を悩ませている担当なのですが、今年のテーマは「野生のカワウソの探し方」にしよう!ということで、私がコツメカワウソの生息地でもあるマレーシアで実際にみた風景や巣穴、糞など生息地の写真を見たり、2017年にカワウソが発見された長崎県の対馬のお話をしました。「図鑑に載っている生息地ってどうやって、何をしらべていると思いますか??」という質問に、最初は「・・・・・」と考え込んでしまった参加者のみなさまも、お話を聞きながら「なるほど...」「糞はどこだ?誰の足跡だ?」と考えをめぐらせてくださいました。そして、頭の中がカワウソでいっぱいになったところでオリジナルエコバック作りに突入!海遊館オリジナルカワウソスタンプとペンを使ってトートバックを完成させるのですが、なんとも皆様のセンスの良さ!!どれも素敵で私が欲しくなってしまいました。ちなみに足型のハンコは、海遊館のコツメカワウソに協力してもらった型をもとにハンコを作ったので、肉球の形や広がり方は本物なんです~(*^▽^*)後半はカワウソの保全についてのお話です。わたしたちの身近なものとコツメカワウソの生息地である東南アジアがどのように繋がっているのか、遠く離れた日本からカワウソを守るためにできることがあるのか、ボードゲームを使って感じていただきました。 今回の特別講座が「カワウソを取り巻く問題を自分ごととして理解していただき、自分ができることから1アクションをおこし、そして続けていただく」きっかけになれば嬉しいなと思う担当でした。今週は、日本各地のカワウソ飼育園館が、さまざまなイベントや情報発信をしていますのでぜひチェックしてみてくださいね。

イベントレポート

2025.06.05

スズメダイ科の繁殖行動

あっという間に夏らしい気温になり汗をかく季節になりましたね!さて、昨年11月に "サンゴの生命力" をテーマに生まれ変わった「グレート・バリア・リーフ」水槽ですが、実は魚たちの生命力や命の巡りも感じることができます。今日はその一部分を紹介したいと思います。最下層のサンゴの周りではスズメダイ科の魚が多く遊泳していますが、実は産卵行動を見ることができます。最近ではグレートバリアリーフの固有種であるバリアリーフクロミスや、きれいな水色の体色をしているデバスズメダイ等が多く産卵しています。産卵行動は現在朝から昼にかけて観察できることが多く、① オスが産卵場所(構造物)を口や胸鰭を使ってキレイにする、産卵場所に入ってくる魚を追い払う② オスがメスに求愛行動を行い、産卵場所に誘う③ メスが擦り付けるように卵を産んだものにオスが放精する④ オスは卵が孵化するまで、死んでしまった卵を口で取る行動や、口や胸鰭を使って新鮮な海水を送る大まかに①~④の流れで産卵行動が行われます。 ↑この動画はバリアリーフクロミスの産卵行動で、上記では③にあたります。↑この写真はデバスズメダイの産卵行動で、上記では④にあたります。1つのサンゴに対して数個体のデバスズメダイたちが卵を守っている様子が見られます。みなさまも是非、スズメダイ科たちの繁殖行動を見に来てくださいね!

魚類

2025.06.01

お引越し準備中

今日は嬉しいお知らせです。 コツメカワウソの「センティ」が高知県立のいち動物公園へお引越しすることが決まりました!センティは2021年に香港オーシャンパークから海遊館にやってきて、2023年に「ビジュ」と子宝に恵まれ、国内に新たな血統となる子供たちが誕生しました。日本動物園水族館協会では、国内で飼育している希少動物約150種について、動物の戸籍簿(血統登録)を作成し、種ごとに繁殖計画を作り、繁殖に取り組んでいます。 海遊館でもカマイルカ、ゴマフアザラシ、カリフォルニアアシカなどの海獣類の他、ペンギン全種、コツメカワウソの血統登録を行っています。それぞれの遺伝的多様性を維持し、持続可能な繁殖を促進するためには、新しいペアを必要とします。 そこで、センティが新しいパートナーと繁殖に臨むことができるように、このたび、高知県立のいち動物公園へ移お引越しすることになりました。 現在、センティは「日本の森」水槽で娘の「シイ」と一緒に暮らしており、ごはんの時には お引越しのためのトレーニングに取り組んでいます。輸送用のケージへ誘導する際にセンティが暴れると輸送中に体調を崩してしまう要因にもなるので、事前にケージに慣れてもらうための大事なトレーニングです。今回は去年の「ヒノキ」のお引越しの時と同じように、事前にのいち動物公園から輸送ケージを送っていただきました。 扉のバネの音に警戒することもありますが、少しずつ慣れてきました。 センティとシイは6月3日まで「日本の森」で過ごし、お引越しに向けて4日からは予備室(非公開)へ移動する予定です。みなさま、「日本の森」で遊んでいるセンティとシイにぜひ会いに来てください。※予備室への移動は生きものの状態によっては急遽変更することもあります

コツメカワウソ

2025.05.31

  • #日本の森
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