海遊館

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Blog 海遊館の舞台ウラ

展示のこだわりや、赤ちゃん情報、生きものたちの普段の様子など、
現場ならではの裏側をのぞいてみませんか?新しい発見がたくさんあるかも。

いろんなカワウソ

5月の最終水曜日は国際カワウソ保護基金(IOSF=The International Otter Survival Fund)がカワウソの現状をみなさまに知っていただくために制定した「世界カワウソの日」。今年は5月28日でした。当館では2018年からこれに賛同していろいろな催しを行っていますが、今年は特別講座でゲームやエコバッグ作りを実施しました。また、エントランスビル4Fの飼育員カウンターにおいて、カワウソについての掲示を行いました。なんとなく、みなさんはカワウソというと当館にもいるコツメカワウソを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?でも、世界にカワウソの仲間は13種いるのです。コツメカワウソの他に日本の園館で見られるのはユーラシアカワウソ、カナダカワウソ、ツメナシカワウソとラッコの4種。以前はビロードカワウソも見ることができました。この中でラッコは水族館で見られる数はもう残り少ないですが、今、北海道で数を増やしつつあるため、唯一、自然下で見られる種です。でも、ラッコがカワウソの仲間だと言われてもピンと来ない方も多い気がしないでもない...。また、ユーラシアカワウソは絶滅したとされるニホンカワウソに非常に近い仲間で、最近、存在が話題になった対馬のカワウソは韓国由来のユーラシアカワウソの可能性が高いと言われています。こちらは土佐清水市役所に展示されているニホンカワウソのはく製です。高知には数ヵ所はく製をおいている場所があるので、興味のある方は見に行ってみてくださいね。 カワウソの分類を見ると、7つの属に分かれます。・Lutra属(2種) ユーラシアカワウソ EURASIAN OTTER スマトラカワウソ HAIRY NOSED OTTER・Lutrogale属(1種) ビロードカワウソ SMOOTH COATED OTTER・Lontra属(4種) カナダカワウソ NORTH AMERICAN RIVER OTTER ウミカワウソMARIN OTTER オナガカワウソ NEOTROPICAL OTTER チリカワウソ SOUTHERN RIVER OTTER・Hydrictis(1種) ノドブチカワウソ SPOTTED NECKED OTTER・Pteronura属(1種) オオカワウソGIANT OTTER・Aonyx属(3種) ツメナシカワウソ AFRICAN CLAWLESS OTTER コツメカワウソ ASIAN SHORT CLAWED OTTER コンゴツメナシカワウソ CONGO CLAWLESS OTTER・Enhydra属(1種) ラッコ SEA OTTER更に分布図を見ると...。このうち、アフリカにいるのがツメナシカワウソとコンゴツメナシカワウソとノドブチカワウソの3種、南アメリカにいるのがオオカワウソとウミカワウソ、オナガカワウソ、チリカワウソの4種、北アメリカにいるのがカナダカワウソ、ラッコ。ただし、ラッコはロシアや日本にもいます。ユーラシア大陸に広くいるのがユーラシアカワウソで、東南アジアにいるのがスマトラカワウソ、ビロードカワウソ、コツメカワウソとなります。 分布と分類を比べると、南アメリカに生息するオオカワウソを除いた3種は北アメリカに暮らすカナダカワウソと近い仲間であり、東南アジアのスマトラカワウソはユーラシアカワウソと近い仲間であること。アフリカに暮らすツメナシカワウソとコンゴツメナシカワウソは東南アジアのコツメカワウソと近い仲間なのがわかります。ある場所で暮らしていたカワウソが別の地に行き、そこで増えていったのだろうなあ。考えるとすごいですよね。 こちらは当館の係員が数年前にチリに行った際に見たというウミカワウソ(Marine otter)です、豆粒サイズですけども。主に海の近くで暮らす小型のカワウソですが、遠くに動いているのがいくつか見られたそうです。自然の海でカワウソが見られるってなんかすてきです。 カワウソにもいろいろいるのですというお話でした。

コツメカワウソ

2025.06.11

特別講座「世界カワウソの日」

5月最終水曜日といえば、「世界カワウソの日」!海遊館ではちょっと早めの5月17日、18日に、カワウソについて楽しく学べる特別講座を開催しました。17日は小学生以上とその保護者、18日は大人の皆さまを対象に、カワウソの給餌見学やオリジナルエコバックづくり、ボードゲームなどを取り入れながら、カワウソや保全について参加者のみなさまと一緒に考えました。毎年、カワウソについてどんなテーマでお話しようかと頭を悩ませている担当なのですが、今年のテーマは「野生のカワウソの探し方」にしよう!ということで、私がコツメカワウソの生息地でもあるマレーシアで実際にみた風景や巣穴、糞など生息地の写真を見たり、2017年にカワウソが発見された長崎県の対馬のお話をしました。「図鑑に載っている生息地ってどうやって、何をしらべていると思いますか??」という質問に、最初は「・・・・・」と考え込んでしまった参加者のみなさまも、お話を聞きながら「なるほど...」「糞はどこだ?誰の足跡だ?」と考えをめぐらせてくださいました。そして、頭の中がカワウソでいっぱいになったところでオリジナルエコバック作りに突入!海遊館オリジナルカワウソスタンプとペンを使ってトートバックを完成させるのですが、なんとも皆様のセンスの良さ!!どれも素敵で私が欲しくなってしまいました。ちなみに足型のハンコは、海遊館のコツメカワウソに協力してもらった型をもとにハンコを作ったので、肉球の形や広がり方は本物なんです~(*^▽^*)後半はカワウソの保全についてのお話です。わたしたちの身近なものとコツメカワウソの生息地である東南アジアがどのように繋がっているのか、遠く離れた日本からカワウソを守るためにできることがあるのか、ボードゲームを使って感じていただきました。 今回の特別講座が「カワウソを取り巻く問題を自分ごととして理解していただき、自分ができることから1アクションをおこし、そして続けていただく」きっかけになれば嬉しいなと思う担当でした。今週は、日本各地のカワウソ飼育園館が、さまざまなイベントや情報発信をしていますのでぜひチェックしてみてくださいね。

イベントレポート

2025.06.05

スズメダイ科の繁殖行動

あっという間に夏らしい気温になり汗をかく季節になりましたね!さて、昨年11月に "サンゴの生命力" をテーマに生まれ変わった「グレート・バリア・リーフ」水槽ですが、実は魚たちの生命力や命の巡りも感じることができます。今日はその一部分を紹介したいと思います。最下層のサンゴの周りではスズメダイ科の魚が多く遊泳していますが、実は産卵行動を見ることができます。最近ではグレートバリアリーフの固有種であるバリアリーフクロミスや、きれいな水色の体色をしているデバスズメダイ等が多く産卵しています。産卵行動は現在朝から昼にかけて観察できることが多く、① オスが産卵場所(構造物)を口や胸鰭を使ってキレイにする、産卵場所に入ってくる魚を追い払う② オスがメスに求愛行動を行い、産卵場所に誘う③ メスが擦り付けるように卵を産んだものにオスが放精する④ オスは卵が孵化するまで、死んでしまった卵を口で取る行動や、口や胸鰭を使って新鮮な海水を送る大まかに①~④の流れで産卵行動が行われます。 ↑この動画はバリアリーフクロミスの産卵行動で、上記では③にあたります。↑この写真はデバスズメダイの産卵行動で、上記では④にあたります。1つのサンゴに対して数個体のデバスズメダイたちが卵を守っている様子が見られます。みなさまも是非、スズメダイ科たちの繁殖行動を見に来てくださいね!

魚類

2025.06.01

お引越し準備中

今日は嬉しいお知らせです。 コツメカワウソの「センティ」が高知県立のいち動物公園へお引越しすることが決まりました!センティは2021年に香港オーシャンパークから海遊館にやってきて、2023年に「ビジュ」と子宝に恵まれ、国内に新たな血統となる子供たちが誕生しました。日本動物園水族館協会では、国内で飼育している希少動物約150種について、動物の戸籍簿(血統登録)を作成し、種ごとに繁殖計画を作り、繁殖に取り組んでいます。 海遊館でもカマイルカ、ゴマフアザラシ、カリフォルニアアシカなどの海獣類の他、ペンギン全種、コツメカワウソの血統登録を行っています。それぞれの遺伝的多様性を維持し、持続可能な繁殖を促進するためには、新しいペアを必要とします。 そこで、センティが新しいパートナーと繁殖に臨むことができるように、このたび、高知県立のいち動物公園へ移お引越しすることになりました。 現在、センティは「日本の森」水槽で娘の「シイ」と一緒に暮らしており、ごはんの時には お引越しのためのトレーニングに取り組んでいます。輸送用のケージへ誘導する際にセンティが暴れると輸送中に体調を崩してしまう要因にもなるので、事前にケージに慣れてもらうための大事なトレーニングです。今回は去年の「ヒノキ」のお引越しの時と同じように、事前にのいち動物公園から輸送ケージを送っていただきました。 扉のバネの音に警戒することもありますが、少しずつ慣れてきました。 センティとシイは6月3日まで「日本の森」で過ごし、お引越しに向けて4日からは予備室(非公開)へ移動する予定です。みなさま、「日本の森」で遊んでいるセンティとシイにぜひ会いに来てください。※予備室への移動は生きものの状態によっては急遽変更することもあります

コツメカワウソ

2025.05.31

  • #日本の森

花が咲き始めました

今年も梅雨を前に「日本の森」でヤマアジサイが咲き始めました。アジサイの語源は小さな青い花が集まるので「集真藍」=「あづさあい」となったのではないかといわれています。でも、漢字では「紫陽花」と書きますよね。実は中国の「紫陽花」は別の花なのだそう。ただ、太陽の光の下で咲く紫の花ということであれば、「紫陽花」のほうがそれらしい気もします。こちらはテイカカヅラ。花はこちら。語源などはこちらをご覧ください → どこまで増えるかな?(「日本の森」のテイカカズラ)最近、私の好きな某劇団のショーの中で、愛する式子内親王が亡くなり、トップスター演ずる藤原定家がテイカカヅラとなって内親王の墓にまきつく場面が出てきて「おう、これは!!」となりました。ファンの方、ぜひご覧ください。そして、こちらは初めて見る花。ハコネウツギです。花の色が白から紅色に変わるため、ゲンペイウツギと呼ばれることもあるそう。ウツギは「空木」、「卯木」と示されますが、ハコネウツギのようにスイカズラの仲間、アジサイの仲間、ユキノシタの仲間など科や属が違うものがあります。「空木」は幹が空洞になっていることから、花が卯月(5月)に咲くから、この字があてられました。また、ハコネウツギは「箱根」に多いというわけではなく、牧野新日本植物図鑑には「それは誤認」と書かれていました。なせ、箱根だったのでしょうね??担当者曰く、「伸び放題だったので、今年はメンテナンス時にばっさり剪定しようと思ってた」そうですが、花も咲いたので、もう少し様子をみてもらいたいものです。

植物

2025.05.28

  • #日本の森

お引越し後のエトピリカ!!

皆さんこんにちは!今回のお話の主役はエトピリカ、お久しぶりの登場です!「アリューシャン列島」水槽のリフレッシュ工事に伴い、バックヤードへのお引越しを行いました。エトピリカは警戒心が強く、少しの変化でもびっくりして近づいてこなくなってしまうことがあります。そのため引越しが完了したあと、私たち飼育員は新しい環境に慣れてくれるのか見守っていました、、、私たちの心配をよそに、引っ越し後すぐに落ち着いた様子で歩いたり、水面を泳ぐ姿を見ることができました。また給餌の時間にはてくてくと餌を食べに寄ってくる姿も見せてくれました!(私たちもこれには一安心です)さて、海遊館では生きものたちの健康状態を把握するために体重測定を行っていますが、引越しで環境が変わったこともあり、なかなか体重計に乗ってくれません、、、体重測定のトレーニングを続けていると、最近ではエトピリカたちが自ら体重計に乗ってくれるようになり、体重をはかることができるようになりました!今回はそんなエトピリカの体重測定の様子を皆さんに少しお見せしたいと思います。一番乗りで体重計に乗ってきてくれたのはいったい誰だと思いますか!? 正解は「ちりっぷ」でした!!ちりっぷはいつもお腹がすいているのか、毎回すごいスピードで走ってきて餌を食べにくる子なんです。まずは体重計に乗ってもらって画面に表示される体重の数値を記録し、その後餌を与えるようにします。空腹時の体重を記録することで毎回同じ条件の正確な数値を記録することができます! 続いてやってきたのはこの子!「さるる」です!のそのそと上がってきました。くわえずらかったのか、なかなか食べてくれませんでしたが、最後は食べてくれました!この2羽を比べてみるとやはり、ちりっぷのスピード感が伝わってきますよね!この後、残りの5羽も自ら体重計に上がってきてくれ、全羽の体重をはかることができました!海遊館では記録した体重を基にグラフを作成し、餌の量や体調把握など多くに役立てています。今後もエトピリカたちの生活の質の向上の為、体重測定はもちろん健康管理に役立てられるような飼育環境を心がけていきたいと思います!しばらく展示水槽では見られませんが、これからもエトピリカたちの様子を皆さんにお伝えしていきますので、ブログのチェックを忘れないでくださいね!

鳥類

2025.05.27

  • #エトピリカ
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