感慨深い
- 2022.02.14
- 魚類チームの日記
みなさま。昨年のスミツキイシガキフグニュースはご覧いただきましたでしょうか?
★孵化した記事
★全長の測り方
★「ぎゅぎゅっとキュート」に展示
★市立しものせき水族館 海響館へ
その後も、バックヤードでは幼魚が毎日元気に餌を食べ、みるみる成長しました。約2mmの卵から全長約3mmの仔魚が孵化し、1歳1ヶ月で全長17cm(170mm)になったのです。なんと、孵化した時から55倍も大きくなりました。
本種の成魚が海遊館で普段食べているイカやシシャモ、アジなどを幼魚が食べるようになったので、2月2日!ついに!満を持して!幼魚2個体が「クック海峡」水槽にデビューしました!!!
デビューしてしばらくは落ち着きなく、うろうろしていました。
★水槽内を遊泳する様子
繁殖した個体が展示にデビューすることは、育成に尽力した担当者として感慨深いものがあります。早く水槽に慣れて元気に成長して、将来、3世代目の誕生が楽しみです。
さらになんと、今年も産卵が確認されました!
親魚のお腹が秋ごろから大きくなってきて、1月に急にお腹が小さくなったので「もしや!」と思い急いでウェットスーツに着替え、潜水して砂を掘り起こしたらたくさん卵が採れたのです。その数約3200粒!
バックヤードに移し、卵を毎日観察していると、卵の中の様子が変わってきたので、受精卵ということが判明。
孵化直前には、色や眼もはっきりと分かるほどです。
そして徐々に孵化が始まったので、孵化する瞬間を見てみたい!と思い撮影してみました。その様子をご覧ください。
スミツキイシガキフグが卵から孵化する様子
(卵から出る瞬間は2分28秒)
手前味噌かもしれませんが、本種が孵化する瞬間の映像は世界で初めて撮影できたと思います。
ちなみに、先日海遊館で孵化したイヌザメも、孵化の瞬間の撮影に成功したので、ぜひご覧ください。
★【海遊館日記】イヌザメのたまご
★イヌザメの幼魚が孵化する様子
スミツキイシガキフグもイヌザメも、頭から殻を破って出てきました。
一気に孵化するというよりも、殻から頭が出たら一度休憩するような様子が見られましたね。卵から出る時は体力が必要なのかもしれません。
このような貴重な映像や写真を撮るために、私の机にはいつもデジカメが転がっています。百聞は一見に如かず。これからも貴重な映像、記録を蓄積して、スミツキイシガキフグの生態に迫りたいと思います!
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