海遊館

Language
eチケット発売中 駐車状況

Blog 海遊館の舞台ウラ

展示のこだわりや、赤ちゃん情報、生きものたちの普段の様子など、
現場ならではの裏側をのぞいてみませんか?新しい発見がたくさんあるかも。

記事テーマを選ぶ

リンゴくん、ありがとう

アカハナグマのリンゴ(雄)が10月25日に死亡しました。15歳で、飼育下ではかなり高齢にあたるのだそうです。リンゴはここ数年心臓の調子がよくなかったこともあり、今年は後肢付近にできた血栓が原因で、2回程歩行困難になりました。しかし、投薬や後肢をマッサージするなどの治療を進めていくうちに見違える程よくなったので、今回も復活を期待していたのですが、残念な結果になってしまいました。リンゴは、2010年9月18日生まれで、当館には2011年2月11日にやってきました。2012年5月末から7月上旬まで故アズキと同居し、2012年9月6日には3頭のアカハナグマの父親になりました。仔のうちの1頭・パプリカは現在、当館の「パナマ湾」水槽で生活しています。若い頃のリンゴは飼育員を威嚇するなどイケイケで、一部からは「怖い」と言われていたのだとか、、、(笑)。私は足元にきてマッサージをねだるような、最近のリンゴくんしか知らないので、若い頃はそんなだったのかと驚いています(笑)。年を重ねて、だんだん穏やかになっていったのかもしれません。病気やケガの治療に耐えて、いつも私たちに癒しと元気をくれたリンゴくん、本当にありがとう。

哺乳類

2025.12.04

  • #アカハナグマ

紫の再来

皆様お馴染み(?)、クラゲ担当です。再来シリーズ2本目となります。前回は「目玉焼きの再来」でした。この時の経験を経て、目玉焼きクラゲこと「チチュウカイイボクラゲ」は、今のところ比較的安定して育成させることができています。成長〜。さて、今回の再来はこちら!アカクラゲに似てるけど、傘と触手が紫っぽい...?こちらのクラゲは、「パープルストライプトジェリー」という名前で北米太平洋沿岸に分布し、日本にはいません。なんと、12年振りの登場です(笑)このクラゲ、海遊館がクラゲ飼育を開始したときからポリプを管理している、文字通り古株です。多い時は1日に50個体単位でエフィラ(赤ちゃんクラゲ)を出してくれるのですが...▲ポリプから出てすぐのエフィラたちこのエフィラが全然育たない。水流をつける、流れを止める、容器を変える、アルテミアと餌用クラゲの量を増やしてみる...。どれをやっても効果はイマイチでした。なんやねん君ら。「昔はアルテミアとミズクラゲを給餌したら育ったのにな〜」という前情報はありましたが、ポリプが古いためか、全くうまくいかずに展示に至らず、月日が経っていきました。 それからご縁があり、海外でパープルストライプトジェリーを継続して飼育されている水族館の方が海遊館を訪れたこと、そして私がクラゲの勉強会に参加させていただいき、私と若手で質問しまくったことで、パープル育成は急展開を迎えます。色々なお話を要約すると、「暴力的な給餌が必要」とのことでした。そこで、餌となるアルテミアとミズクラゲの他、ワムシや加工したイサザアミ等も用意し、給餌の際は胃に餌が確実に入るよう工夫しました。▲給餌中のパープルたち成長スピードはゆっくりですが、3ヵ月以上育成し、とうとう展示できる大きさまで成長しました!今回育成がうまくいった条件としては、・ミズクラゲの他に、代替餌料が見つかったこと・初期餌料のワムシが継続して培養できたことということかな...と思っています!(ワムシも色々苦労したので、近々ブログに書きたいな...)改めて、アドバイスをいただいた園館の皆様、育成を頑張ってくれた若手たちに感謝です!この経験をパープルストライプトジェリーの継続展示や他のクラゲ育成にも活かすことができればと思っています!さ〜て、次の再来はどんなクラゲになるのやら...?クラゲ担当の模索は続く...。

無脊椎動物

2025.11.29

  • #パープルストライプトジェリー
  • #海月銀河

エトピリカの雛!愛称決定!

みなさん、こんにちは!以前の舞台裏ブログ「エトピリカの見分け方~雛の成長~」でもご紹介していた、エトピリカの雛...。ついに愛称が決定しました!今回の愛称は、飼育係の投票と、エトピリカツアーにご参加いただいたお客様の投票を合わせて決定しました。候補は全部で8種類。すべて**北海道にある野湯(自然の温泉)**の名前からピックアップしました♨️その中で堂々の1位に輝いたのが......☆いわぼっけ☆愛称は「いわぼっけ」に決定しました!たくさんの方にご参加・ご投票いただき、本当にありがとうございました!~いわぼっけの成長記録~皆さまに温かく見守られながら育ったいわぼっけは、10月19日に無事巣立ちの日を迎えました!人工育雛で育ったため、とても人懐っこい性格で、掃除中もスタッフのあとをちょこちょことついて歩きます☺️ 現在は、潜水の練習を一生懸命頑張っています!その様子を少しだけご紹介します↓ まだまだ練習中ですが、日々上達していますよ????~現在の姿~綿羽はすべて抜け落ち、くちばしの色も少しずつ変化してきました。日に日にたくましく成長していく姿に、スタッフ一同感動しています✨これからも「いわぼっけ」の成長を、ぜひ温かく見守ってくださいね。また、リフレッシュ工事中だった「アリューシャン列島」水槽のオープンが12月1日に決まりました。「いわぼっけ」も成鳥のエトピリカたちと一緒に水槽デビューする予定です。海遊館にお越しの際はぜひ探してみてくださいね!今後の舞台裏ブログやSNSでも、成長の様子をお届けしていきますのでお楽しみに!

鳥類

2025.11.21

  • #エトピリカ

ツバキの思い出

10月30日朝、コツメカワウソのツバキが死亡しました。20歳2ヵ月のカワウソ生でした。2005年8月1日に生まれたツバキ。今年の誕生日のようすは以下のとおりです。→ 「Happy birthday !」ブログで紹介したとおり、8月頃に痙攣発作を起こしたのですが、その後も何回か発作を起こし、そのたびにもうだめかもと思いました。それでも次の日には復活して「ツバキ強いな~」と言われていて、このままずーっといくんじゃないかと思っていました。数日前に朝の掃除に入った際も、温水をためたプールで「ふぇーっ」いう感じでつかっていたし、前日も普通に餌を食べ、夕方にはザクロと一緒に寝袋にくるまったのに...。次の日の朝、係員が部屋をのぞくとザクロ1頭が起きてうろうろしており、ツバキは寝床で冷たくなっておりました。穏やかな性格のツバキらしい最期だったように思います。当館では生後2ヵ月ごろに係員がこどもたちに離乳食を与える練習をします。ミルクと魚やキャットフードをまぜたものを口に入れるのです。ツバキも兄のイブキとともにそれを行いましたが、神経質な兄は係員に対しブーブー怒るのに、ツバキは餌をぱくぱくと食べ、餌の途中でうとうとする余裕があるほどです。きょうだいなのに違うもんだな~、ツバキは大物になるぞと密かに思ってました(笑)。▼生後2ヵ月のツバキ母コウメが次の年に出産した際は「日本の森」で母と仮の父や兄、叔父、祖父と共に弟たちのお世話をしていました。この時、カワウソは9頭展示で、「日本の森」の展示数としては最大でした。ツバキと兄はお世話といっていいのか?生まれて間もない弟たちをくわえて巣箱から出したり、そのまま入水したりするので、両親は戻すのに疲労困憊、私たちは「あー頭打った~」「底まで沈むのやめて~」と大慌てです。でも、弟たちは無事育ちました。カワウソ強い。その後、ツバキは2009年にシュロたち4きょうだいを出産、次に「王子」と呼ばれていたひとりっこゴボウ、そしてロックやグミたちを育てました。一番印象に残っているのは最初の子育てです。ちょうど特別展示「発見!体験!ふれあいライブ館」を開催しており、そこで相方のソラとともに、4きょうだいと一緒に展示したのです。ソラが子育てにとまどっていたこともあり、ツバキは獅子奮迅。こどもを移動するために1頭を口にくわえ、残りの3頭を両脇に抱え込み、時にはまとめて押しながら4頭同時に運ぶという荒業を発するため、見守るこちらはハラハラしておりました。肝っ玉母さんぶりを発揮したツバキです。また、ツバキは運動能力が非常に高く、捕まえようとしてもぴょーんと跳ねて逃げ、バックヤードでは金網をスルスルっと上り、天井にあがったはいいもの?の降りてこられらくなることもありました。下で「私が受け止める!」と大手を広げていましたが、私に当たって降りました。今も当時の担当者に会うと必ず出る話は、新しくカワウソ担当になった飼育員が体重測定を行うため、体重計を持って入り、よいしょと床に置いたその瞬間。体重計にかけより、体重計の足についているゴムをくるくるっと回して取り外し、水に入って向こう岸に行ってしまったのです。▼ゴムは赤で囲った部分(このカワウソはツバキではありません)体重計が傾いてガターンと倒れ、何が起こったのかわからずに茫然としている飼育員の顔が忘れられません。素早くゴムを回す様子は職人のようでした。末娘のグミと一緒にニフレルにお目見えしたこともありましたね。本当にいろいろなツバキの姿が思い出されます。ツバキ、20年間楽しかったね。そちらにいるお母さんやおじいちゃんたちによろしく伝えてほしいです。

コツメカワウソ

2025.11.17

  • #コツメカワウソ

水中超音波検査

今回は、水族館における「超音波検査」=通称「エコー検査」についてのお話です。超音波検査というと、産婦人科でお腹の中の赤ちゃんの様子を診断する検査といえば分かりやすいかもしれません。超音波は空気中では伝わりにくいので、病院で検査をするときには、トロっとしたゼリーを塗って①プローブ(探触子)を当てて検査をします。これは体とプローブの間に空気の層ができないようにする目的があります。逆に超音波が得意なのは水(液体)。空気中では伝わりにくい超音波ですが、水中では空気中の約5倍の速さ、約1500m/秒で伝播することが知られています。例えば魚群探知機でも超音波が使われていますし、イルカやクジラのエコロケーションも超音波を利用しています。水族館といえば水!つまり、超音波検査は水中で暮らしている生きものに対しては非常に有用な検査方法なのです。水中で検査を実施すれば、魚達を捕まえたり、水から上げる必要がなくなり、検査によるストレスが軽減できるメリットもあります。ただ、超音波検査の機械は精密機器で、水がかかっただけでも壊れてしまいます。ましてや海水は、機械の天敵。だとすれば、機械を丸ごと水から保護してしまえば、水中に持ち込めるのでは?と考えられたのがハウジング作戦です。水中撮影で使用されるカメラは、カメラを水中に持ち込むためにハウジングという専用の防水容器に収納して使用されています。それと同じで、②超音波検査の機械専用のハウジングを使用して、超音波検査を水中で実施したらいいのです。簡単に「専用のハウジングを利用して」と言いましたが、そんなハウジングは残念ながら簡単に手に入れるわけではありません。そこで海遊館では、(一財)沖縄美ら島財団の協力を得て、水中超音波検査を実施しています。海遊館での検査は、まだ試行中。これまで、マンボウやヤイトハタ、シノノメサカタザメやジンベエザメの水中超音波検査を実施しました。今後も、健康管理を目的に水中超音波検査を実施していく予定です。何か大掛かりな機械を水槽に持ちこんでいるダイバーがいたら、それは水中ハウジングを使用した超音波検査をしているのかもしれませんよ。

調査・研究

2025.11.11

餌のおわりを信じられないアザラシたち

生きものたちの給餌の最後には「餌はおわりだよ」というサインがあります。そのサインをみた生きものたちはスッっと飼育員の前からいなくなります。しかし、そのおわりサインを信じることができないアザラシがいるのです。ということで、海遊館で暮らしているアザラシたちのおわりサインを見た後の反応をご紹介します。まずはスッと帰るパターン。 こちらはゴマフアザラシの美桜です。サインと同時に水中へ帰っていきました。普段はアシカのおこぼれも狙う食いしん坊アザラシですが、それはそれ、これはこれ、なようです。 こちらはゴマフアザラシのショウです。サインを見て、一息ついてから帰っていきました。続いてうまみタイムを入れてから帰るパターン。※うまみタイムとは... 飼育員が勝手に名付けた、餌終了後に食べた餌を思い返しているような様子のことです。 こちらはゴマフアザラシのナナです。うまみタイムをしていましたが、後ろから来たダイヤの圧に負けて水中へと帰っていきました。 こちらはゴマフアザラシのしげのぶです。一番うまみタイムが長いアザラシです。飼育員がもう一度おわりサインを出すとやっと帰っていきました。続いてちょっとチェックしてから帰るパターン。 こちらはゴマフアザラシのラピスです。飼育員の足元に餌が落ちていないかチェックしてからすこし名残惜しそうに帰っていきました。そして皆様お待ちかね、餌が終わったことを信じられないパターン。 こちらはゴマフアザラシのダイヤです。海遊館で一番食いしん坊なアザラシで、おわりサインをみてもずーっと催促するように鳴いています。そして飼育員の目をとても見つめてきます。ちなみにこの後、飼育員がダイヤの目の前からいなくなるまで何度おわりサインを出しても帰りませんでした(笑) こちらはワモンアザラシのユキです。ユキもかなり食いしん坊アザラシです。おわりサインをみても信じられず、ずーっと飼育員の目を見つめてきます。まだありますよね?といわんばかりに見つめてきますが、最後は諦めて帰っていきました。まだ食べたそうなアザラシたちですが、体重等を見ながら餌の量を調整して健康管理はきちんと行っています。ですので、ご安心くださいね!皆様も海遊館でお食事タイムを見る際は、アザラシたちの餌を食べ終わった後の帰り方にも注目してみてくださいね!最後に番外編として、帰りたくても帰れないパターンをお見せします。 こちらはゴマフアザラシのおんぷです。おわりサインを見て帰ろうとしますが、そこにはダイヤが!!どうしようとばかりにキョロキョロ。最後は飼育員が板でガードした隙に帰っていきました。

哺乳類

2025.11.09

  • #ゴマフアザラシ
  • #ワモンアザラシ

カテゴリ別に見る

タグ別に見る

  1. ホーム
  2. 生きものを知る
  3. 海遊館の舞台ウラ

フォローして海遊館とつながろう!