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Blog 海遊館の舞台ウラ

「ぎゅぎゅっとキュート」の記事

「アオウミガメ」の記事

カメたちはこうして休んでます

暑い日が続いていますがいかがお過ごしでしょうか?暑い日は涼しい部屋でゆーっくり休みたくなりますよね...!今回は当館で飼育しているカメたち、アオウミガメとオオヨコクビガメの2種類の休み方に注目してみましょう!彼らは彼らなりの方法で静かに、そして快適に体を休めているんです。〇アオウミガメの場合【展示場所:「クック海峡」水槽】アオウミガメは海で生活をしているカメです。水の中でじっと岩のくぼみやサンゴの間などに入りこんで、体を動かさずに休みます。時々、呼吸をするために水面に上がりますが、リラックスしている時は数時間も潜ったままいられるんです。当館のアオウミガメの休み方は、岩とアクリルの間に挟まって休みます...〇オオヨコクビガメ【展示場所:「エクアドル熱帯雨林」水槽】一方、オオヨコクビガメは淡水で生活しているカメです。特徴的なのは、首をまっすぐ引っ込めず横に曲げて甲羅の横に畳むようにして休むことができます!陸で休むことでもできますが、特に水中では足をのばしたままじっと浮かんでいます。首を曲げている写真は撮れませんでしたが、開館前には水面でじーっと休んでいました!海や川で生活するカメたち、それぞれの場所にあった休み方で上手に休んでいます。みなさまもこの夏、ぐったりしてしまう前に!カメたちのように「自分らしく・のんびり休む」ことも大切かもしれませんね!

爬虫類・両生類

2025.08.09

  • #アオウミガメ
  • #カメ

「アオリイカ」の記事

アオリイカの展示

ただいま「特設水槽」 では、アオリイカたちがすいすいと泳ぐ姿をご覧いただけます。光を受けながら体の色が変わる様子はとても幻想的で、つい見とれてしまいます...。さらにイカたちに加えて、マイワシの群れやクロホシイシモチも泳ぐ豪華ラインナップになっています~。イカと魚の群れを作る性質は、見れば見る程面白いものです...。そして実は...バックヤードでもイカを卵から育てる挑戦をしています!今では頭胴長約15cmにまで成長してくれました(^^ このサイズまで育っているのは、なんと "海遊館初!"なのです☆ ( これまでのチャレンジも見てください~ → 「海遊館でのアオリイカ育成」)イカはとてもデリケートな生きもので、エサや環境づくりには配慮が欠かせません。担当飼育員は日々試行錯誤しながら育てています...。特にイカは食欲旺盛なため、毎日のエサに工夫が必要です!「今日はシラスを食べたよ~。」「キラキラしたものの方が反応してくれるね。」など、毎日話し合いをしています!早く「特設水槽」にデビューして、みなさまに見ていただけるよう、日々奮闘中です!(>_<)!ぜひ海遊館で、イカの美しい世界を体感してみてくださいね ~くコ:彡

無脊椎動物

2025.09.22

  • #アオリイカ

アオリイカの三角関係

こんにちは。連日とても暑い日が続き、今年は梅雨だなと感じる間もなく梅雨明けしましたね。今日は「特設水槽」にいるアオリイカの繁殖行動の様子をお話します。アオリイカは主に、春から夏にかけて繁殖を行います。海遊館においても、同じ時期に繫殖行動が行われます。水槽の擬海藻をよく見てもらうとサヤエンドウのような卵のう塊が付いています。↑産み付けられた卵のう塊アオリイカの繁殖行動はオスが精きょうと呼ばれる精子が入ったカプセルのようなものをメスに渡すという方法です。繁殖期になると1匹のメスに複数のオスが求愛する様子や、交接する様子が見られます。 オスはメスをめぐりオス同士で争い、時には嚙みつかれて傷がつくほどの個体もいます。大きなオス個体が争いに勝つ場合が多いです。動画においても、ペアになったオス(一番体が大きく、体色が濃くなった個体)が他のオス(画面中央の最下の個体)を威嚇する様子(0:01頃)や、メスを守って寄り添って泳ぐ様子(0:04以降)が見られ、争いに負けたオスはペアから離れます。しかし、負けたオスは繁殖行動に参加できないという訳ではありません!スニーキングという繁殖戦略をもっているのです。スニーキングとはペアになれなかったオスがペアオスの隙を狙い交尾を試みる方法で、スニーカーと呼ばれます。スニーキングはサケ科魚類などにも見られます。 動画ではペアになったオスとメスが産卵している様子、先ほどペアのオスに負けた、スニーカーのオス(最下から右側に泳いでいく個体)が卵のう塊を触りながら(0:00~0:03頃)、産卵しているペアのメス(0:13頃)の体色に紛れてメスに近づき、交尾の機会をうかがう様子が見られます。スニーカーオスは、強い個体ではないものの、限られた機会を捉えて子孫を残すための戦略としてとても重要です。繁殖行動を見ていると、生きものの戦略や、強さに改めて感心します。アオリイカの産卵行動は海遊館では主に朝から昼にかけてよく観察できます。是非、アオリイカの動きや鮮やかな体色の変化をみてください!

無脊椎動物

2025.07.23

  • #アオリイカ

「アカハナグマ」の記事

ハナグマだんご

寒い日が続きますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?寒い日はなんだか人恋しく、ぬくもりが欲しくなりますよね(笑)今日は、ハナグマだんごを紹介します。こちらがハナグマだんごダンゴって食べ物の団子じゃないの???と思われた方、すみません...。動物たちがくっつきあって暖をとっている様子を「○○だんご」と呼ぶことがあります。こちらの写真は「パナマ湾」水槽で暮らしているアカハナグマの、ソラ・ミラ・ラーラ。夜になるとこのようにくっついて寝ています。アカハナグマは、自然界では15-30頭のバンドと呼ばれる群れを作って生活しています。ただ、このバンドはメスのみの群れで、オスがこの群れに加わるのは繁殖期だけ。オスは普段は単独で生活しています。ちなみに紹介した3頭も、メスの個体。日中はケンカをすることもありますが、夜は寄り添って寝ています。ちなみにこの場所とても狭いのですが、うまく3頭で場所を譲り合って寝ているんですね。夜の海遊館にお越しの際は、ぜひ「ハナグマだんご」を探してみてください。バックヤードで暮らすメス3頭(イチゴ・トマト・パプリカ)も、一つのネコハウスでギューギューになって寝ています。

哺乳類

2025.01.10

  • #アカハナグマ

「アークティックチャー」の記事

「イズヒメエイ」の記事

イズヒメ2歳おめでとうぅぅ!!

みなさんこんにちは!今回は海獣や動物ではよくありますが、魚類では珍しいブログになります!それは魚の誕生日!!ということで、6月1日、バックヤードで飼育している3尾のイズヒメエイが2歳になりました!拍手~っ!お祝いに誕生日ケーキを作ろうと思ったのですが、なかなかいい案が思いつかず、とても簡単な誕生日ケーキをつくってみました。それがこちら!シシャモで数字の2を作ってみました。笑こ、こういうのって気持ちが大事ですからね!手抜きなわけではないですからね!毎月月初めにイズヒメエイの計測を行っているため、ケーキと共にお祝いしてみました!この子は一番大きなエイで体重はなんと5.58kg!一番小さいエイが1.54kgなのでおよそ3.6倍...!成長率の違いに驚かされます。これが産まれた日の写真で、体重は平均で174gでした!成長を感じられて、とてもうれしいです!現在、このエイたちの両親は「太平洋」水槽にともに展示しています。イズヒメエイと非常に似ているアカエイと間違えないように!お腹側の縁が黄色いのがアカエイ、茶色いのがイズヒメエイです!両方ともオスとメスが一匹ずついますので探してみてくださいね!

魚類

2025.07.09

  • #イズヒメエイ

「イトマキエイ」の記事

イトマキエイの繁殖に関する論文が出版されました!

海遊館ではイトマキエイを飼育展示しています。イトマキエイの情報は海遊館のホームページをご覧ください。→ 生きもの図鑑「イトマキエイ」光に照らされたイトマキエイの背中の色は非常に美しい藤色で見る者を魅了します。現在飼育展示している個体は2015年11月に高知県にある以布利センターからやってきました。輸送の詳細は 機関紙「かいゆう」(Vol20) をご覧ください。イトマキエイの野生個体数は減少傾向にあるため、現在は絶滅の危機に瀕していると考えられています。そのため本種の生態解明が求められていますが、世界中の外洋(海の沖)に生息する生物であり、追跡調査が困難なことから、成熟までの年齢は?サイズは?交尾方法は?妊娠期間は?など、まだまだ生態に謎が多いのが現状です。このような場合に同一個体を追跡調査できる水族館は、研究にうってつけなのです。 海遊館では2015年〜2022年までオスとメスを飼育しており(残念ながらオスは2022年に死亡)、本種の長期飼育を実現し、2021年には世界で初めて交尾行動を確認しています。→ 海遊館ニュース「世界初・イトマキエイの妊娠を確認しました」嬉しいことに、その後メスには赤ちゃん一個体の妊娠が判明し、2023年5月に世界で初めてとなる、飼育下で出産を確認することができました。しかし、産まれた赤ちゃんは遊泳不良が見られ、獣医を中心とした飼育員による懸命な処置を行いましたが、出産後10時間で死亡してしまいました。→ 海遊館ニュース「イトマキエイの出産と赤ちゃん死亡のお知らせ」イトマキエイの繁殖は簡単にはいかないと痛感したとともに、野生のイトマキエイのために、この知見をなんとか世の中に残すべく、できる限りの記録を集めてまとめました。その結果、国際学術誌へ論文を投稿し、2025年1月に掲載されました!→ Zoo Biology | Zoology Journal | Wiley Online Libraryこの論文は、要約のみ無料で閲覧可能となっておりますのでご興味がある方はぜひご覧ください。今回の事例は今まで知られていなかった事も多く、本種の保護や保全のために重要な生態学的基礎情報を提供することができました。今後は、本論文を参考に他の研究者による調査研究・保全活動が実施されることが期待されます。このような観察を行えるのは水族館の特性であり、今後もイトマキエイをはじめ様々な生物の調査研究を行っていきたいと思います。

イトマキエイ

2025.04.19

  • #イトマキエイ

「エトピリカ」の記事

エトピリカたちもそろそろ衣替えの季節!

皆さんこんにちは!暑く長い夏もやっと終わり最近は夜も肌寒くなってきましたね。そろそろ半袖から長袖に変える時期になってきました!海遊館で暮らしているエトピリカたちも同じく衣替えの時期を迎えているんです!鳥類は換羽といって古い羽が抜け落ち、新しい羽に生え変わる生理現象で、エトピリカは1年に2回換羽を行い、夏羽と冬羽を使い分けています。以前のお伝えしました「お引っ越し後のエトピリカ!!」で上げていたエトピリカたは顔がまっしろな夏羽になっていました!しかし最近のエトピリカはというと、、、 白い羽が所々抜けており真っ黒な羽に生え変わり始めています。またエトピリカの代表的な飾り羽も冬になると抜けてしまう為、全く別の鳥のように見えますよね!他のエトピリカはというと・・・ まだ夏羽が残っているようですが、飾り羽が抜けきっていない子は飾り羽が眉毛のようでとても可愛らしく見えます!そして、こんな落とし物もありました! 陸上だけでなく水面にも様々な大きさの羽が落ちており、このタフトという黄色の羽は夏羽時に生えていた頭部の飾り羽です!!一年でもこの時期しか味わえないことなのでとても嬉しい瞬間で、私はタフトを見つけるとなんだかラッキーな気分になれます!現在「アリューシャン列島」水槽はリフレッシュ工事中ですが、随時、エトピリカの近況報告はお知らせいたしますので楽しみにしてくださいね。

鳥類

2025.10.24

  • #エトピリカ

エトピリカの見分け方~雛の成長~

早速ですが、↓この4羽見分けがつきますか?毎日飼育をしていると、顔立ちや目つき、歩き方、飾り羽(夏羽のみ)なんかを見てどんどん見分けがついてきますが、最初は全く見分けがつきません。皆さんも一度見たぐらいでは、なかなか見分けがつかないと思います。ではどうすれば簡単に見分けられるのかというと...よーく見ると、足にバンドがついています!!このバンドの色で初めて見た方でもすぐに見分けることができるのです!ちなみに、右足はメス、左足はオスと決まっています。海遊館では7羽のエトピリカを飼育しています。そのうち1羽は今年の8月に孵化した雛で、現在は飼育員による人工育雛中です。(水槽リニューアル工事のため、現在はバックヤードにて飼育管理中です)バンドの色が黒:おこっぺ      茶:けろち      無:ところ   オレンジ:しゃり      緑:さるる      青:ちりっぷ      雛:愛称投票中(エトピリカツアーにご参加の方&飼育員による投票)では、この2羽は誰でしょうか...?正解は、しゃり(右オレンジ) おこっぺ(左黒)です。この2羽は今年孵化した雛の親鳥ペアです。2羽で巣を作り、しっかり守っています。 今回はバックヤードでの産卵だったため、環境が整わなかったこともあり、産卵当日から孵卵器に収容し、一から人工育雛にチャレンジしました。 親鳥に餌を要求する時、雛は高い音で鳴きます。だんだんと翼も大きくなり、現在は500gを超えてきました(孵化時53g)。これからの成長も楽しみです!リフレッシュ工事の終了後に展示水槽で見る機会があれば、ぜひ皆さんも見分けてみてください!!

鳥類

2025.10.20

  • #エトピリカ

お引越し後のエトピリカ!!

皆さんこんにちは!今回のお話の主役はエトピリカ、お久しぶりの登場です!「アリューシャン列島」水槽のリフレッシュ工事に伴い、バックヤードへのお引越しを行いました。エトピリカは警戒心が強く、少しの変化でもびっくりして近づいてこなくなってしまうことがあります。そのため引越しが完了したあと、私たち飼育員は新しい環境に慣れてくれるのか見守っていました、、、私たちの心配をよそに、引っ越し後すぐに落ち着いた様子で歩いたり、水面を泳ぐ姿を見ることができました。また給餌の時間にはてくてくと餌を食べに寄ってくる姿も見せてくれました!(私たちもこれには一安心です)さて、海遊館では生きものたちの健康状態を把握するために体重測定を行っていますが、引越しで環境が変わったこともあり、なかなか体重計に乗ってくれません、、、体重測定のトレーニングを続けていると、最近ではエトピリカたちが自ら体重計に乗ってくれるようになり、体重をはかることができるようになりました!今回はそんなエトピリカの体重測定の様子を皆さんに少しお見せしたいと思います。一番乗りで体重計に乗ってきてくれたのはいったい誰だと思いますか!? 正解は「ちりっぷ」でした!!ちりっぷはいつもお腹がすいているのか、毎回すごいスピードで走ってきて餌を食べにくる子なんです。まずは体重計に乗ってもらって画面に表示される体重の数値を記録し、その後餌を与えるようにします。空腹時の体重を記録することで毎回同じ条件の正確な数値を記録することができます! 続いてやってきたのはこの子!「さるる」です!のそのそと上がってきました。くわえずらかったのか、なかなか食べてくれませんでしたが、最後は食べてくれました!この2羽を比べてみるとやはり、ちりっぷのスピード感が伝わってきますよね!この後、残りの5羽も自ら体重計に上がってきてくれ、全羽の体重をはかることができました!海遊館では記録した体重を基にグラフを作成し、餌の量や体調把握など多くに役立てています。今後もエトピリカたちの生活の質の向上の為、体重測定はもちろん健康管理に役立てられるような飼育環境を心がけていきたいと思います!しばらく展示水槽では見られませんが、これからもエトピリカたちの様子を皆さんにお伝えしていきますので、ブログのチェックを忘れないでくださいね!

鳥類

2025.05.27

  • #エトピリカ

「オシドリ」の記事

見た目でアピール

「瀬戸内海」水槽のコブダイ。約5年前のブログ(「立派!」)と比べると、さらにコブが立派になってまいりました。こちらは「エクアドル熱帯雨林」水槽のグリーンテラーです。コブの大きなグリーンテラーは、なわばりを持ち、他の魚が近づくとオラオラしています。他にコブをもつ魚としては現在、当館にはいませんがナポレオンことメガネモチノウオなどがいます。コブがボナパルト・ナポレオンの帽子に似ていることから「ナポレオンフィッシュ」と呼ばれています。では、このコブはなにからできているのでしょう?触ってみるとぷよぷよしますから、骨ではありません。ということは??実は脂肪のかたまりなんです。哺乳類ではありますが、同じように頭にコブのようなものを持つのがシロイルカ。これは「メロン」と呼ばれる器官で、脂肪からできています。イルカの仲間はメロンを有し、音や超音波を集めて物にぶつけて反射させることで、大きさや方向などを知ると言われています。魚のコブは当館のコブダイにしても、グリーンテラーにしても、成長とともに徐々に大きくなり、なわばりを持ったり闘争したりすることから、コブをもつのはオスで、コブはメスに対するアピールになると考えられています。以前、テレビで日本海のある場所に暮らすコブダイの番組を見たのですが、それは立派なコブを持っていて、多くのメスと暮らしていました。でも、他のオスとなわばりを争い、顔を合わせれば闘争の日々で、年をとると若いものになわばりを奪われてしまう...たいへんな世界だと思います。鳥類や魚類の一部のオスは派手な色合いをしています。生きものにとって、見た目でのアピールは重要なのです。▲オシドリ(右がオス)

魚類

2025.03.30

  • #オシドリ
  • #グリーンテラー
  • #コブダイ

「カマイルカ」の記事

「カメ」の記事

カメたちはこうして休んでます

暑い日が続いていますがいかがお過ごしでしょうか?暑い日は涼しい部屋でゆーっくり休みたくなりますよね...!今回は当館で飼育しているカメたち、アオウミガメとオオヨコクビガメの2種類の休み方に注目してみましょう!彼らは彼らなりの方法で静かに、そして快適に体を休めているんです。〇アオウミガメの場合【展示場所:「クック海峡」水槽】アオウミガメは海で生活をしているカメです。水の中でじっと岩のくぼみやサンゴの間などに入りこんで、体を動かさずに休みます。時々、呼吸をするために水面に上がりますが、リラックスしている時は数時間も潜ったままいられるんです。当館のアオウミガメの休み方は、岩とアクリルの間に挟まって休みます...〇オオヨコクビガメ【展示場所:「エクアドル熱帯雨林」水槽】一方、オオヨコクビガメは淡水で生活しているカメです。特徴的なのは、首をまっすぐ引っ込めず横に曲げて甲羅の横に畳むようにして休むことができます!陸で休むことでもできますが、特に水中では足をのばしたままじっと浮かんでいます。首を曲げている写真は撮れませんでしたが、開館前には水面でじーっと休んでいました!海や川で生活するカメたち、それぞれの場所にあった休み方で上手に休んでいます。みなさまもこの夏、ぐったりしてしまう前に!カメたちのように「自分らしく・のんびり休む」ことも大切かもしれませんね!

爬虫類・両生類

2025.08.09

  • #アオウミガメ
  • #カメ

「カリフォルニアアシカ」の記事

飼育員が聞いている音

皆さんこんにちは。海遊館で使われているアクリルパネルはとても分厚く、お客様側からはなかなか生きものたちが奏でる音が聞こえません。そこで本日はアクリルパネルの向こう側で飼育員が聞いているいろんな"音"について紹介します!まずは、ワモンアザラシのユキユキは自分のお腹を叩いて音を鳴らすことができます。 実はこの腹叩き、アザラシが威嚇をする際によく取る行動なのです。にしても、ユキの腹たたきは音に迫力があってたまりません!(笑)続いては、同じくワモンアザラシのアラレが出す音「ブーン!」です。 実はアラレのこの音も、威嚇の時によく出す音なのです。同じ水槽で暮らすモヤが近づくとアラレはよくブーンと鳴いています...。(ユキとアラレの動画は、飼育員によるトレーニング時のものです。)最後にカリフォルニアアシカの親子、アスカとハクの声をどうぞ! アスカは大きな声で今年の6月に生まれた我が子ハクを呼び、ハクもまた母の呼びかけにしっかりと答えています。この二頭のやり取りは子育て中の期間限定で聞ける声なので意外と貴重なんですね!!海遊館に足を運んだ際には、アクリルパネルの向こうの音に耳を澄ませると、もしかしたら生きものたちが奏でる音が聞こえてくるかもしれません♪

ワモンアザラシ

2025.10.28

  • #カリフォルニアアシカ
  • #ワモンアザラシ

アシカの赤ちゃんが産まれました!

2025年6月12日午前8時00分に「モンタレー湾」水槽でカリフォルニアアシカの赤ちゃんが産まれました。出産したお母さんの愛称はアスカです。アスカは過去、3回出産を経験しており、今回で4回目の出産になりました。アシカは妊娠できる期間が1年のうちでごくわずかな期間に限定されており、また出産日の特定が難しい生きものです。今回、より安心してアスカに出産してもらえる環境を整えるため、事前のエコー検査や体重測定など、獣医師との連携を密にしてより一層トレーニングに努めました。 しかし5月に入ると、出産が近くなっていた影響か、日に日にアスカはナーバスになり、今まで順調だった検査やトレーニングが不安定になっていきました。お腹はどんどん大きくなり、体重も過去最高まで上昇。いつ生まれててもおかしくない状況がつづき、飼育員は毎日ドキドキの日々。そして6月11日、アスカはエサを食べなくなり、我々は待ちに待った出産の兆候だと確信しました。24時間体制で観察をつづけ、翌朝6時頃に出産が始まりました。そして2時間後、多くの飼育員らに見守られる中で無事に出産! ※ ↓ 出産シーンの映像ですので、ご視聴にご注意ください※ 赤ちゃんも元気そうで、数時間後には授乳を確認することができました。性別はオス、体重は9.4㎏で、母子ともに健康状態は良好!!!※アスカは出産4回目にして初めての息子です。赤ちゃんは生後1週間を超え、どんどん行動範囲やレパートリーが広がっています。まだ体が小さく岩陰に隠れているため、観覧通路から少し見えにくいかもしれませんが、随時、成長の様子をお届けしたいと思います!

赤ちゃんブログ

2025.06.20

  • #カリフォルニアアシカ

「カワハギ」の記事

おもしろいカワハギ

「瀬戸内海」水槽のカワハギ。釣りをする方はこのおちょぼ口でエサを上手にとるので、「エサとり」として嫌がられることも多いと思いますが、白身で肝臓がおいしい魚ではあります。フグの仲間に近いですしね。かたい皮の上に細かい鱗がびっしり並んでいて、皮に切り込みを入れるだけでつるっとむくことができるため「皮はぎ」の名前がつき、別名では「ばくちうち」とか「丸はげ」などと呼ばれることもあります。さて、カワハギ、外見で雌雄を区別することができます。オスは背びれの一番前の軟条が糸のように長く伸びていますが、メスは伸びていません。ということで、上の写真はオス、下の写真はメスです。オスの中で1尾、おもしろいカワハギがいます。それはこちら。糸のように伸びた軟条が先で二股になっているのです。軟条はやわらかいので、喧嘩でもしたのか、裂けてしまったようです。個人的には「枝毛」と呼んでいますが、担当からすれば「毛じゃないわ!!」って言いそう(笑)じゃあ何?枝条?→「えだじょう」ってちょっと俳優さんみたいですね。二股?→響きがなんだか...呼び方はまあいいとして、枝をなびかせて泳ぐカワハギを探してみてくださいね。

魚類

2025.07.29

  • #カワハギ

「クラゲ」の記事

こぶこぶデビュー(コブエイレネクラゲ)

みなさんこんにちは(^▽^)/ 突然ですが、皆様にぜひ見てほしいクラゲをご紹介します! このクラゲは現在 "コブエイレネクラゲ" といいます。 このクラゲは特に珍しいクラゲでは無いのですが、少し変わった経歴があります。 実は、数年前まで水族館の中でしか見つかっておらず、このクラゲについてあまり分かっていませんでした。 ところが、実は中国ではすでに見つかっており、別種(ギヤマンクラゲの仲間)として誤登録されていたのです!  今回、コブエイレネクラゲは大量の稚クラゲが発生したのですが、クラゲが沈まないぎりぎりの弱めの水流をエアレーションで発生させて管理してみました。クラゲ担当曰く、通常通り、止水で管理するほうが育つのでは?とのことでしたが、今回のクラゲたちは止水では全く育たず、水流を発生させたほうが育ちました。その後、形が崩れてしまう個体が出てきたり、徐々に消滅する個体が出てきたりと展示できるサイズまで育つかハラハラドキドキでした。今回、私が初めて管理に関わったクラゲを展示デビューさせることができたので、うれしくてブログに書いてみました。海遊館では久しぶりの展示になります。みなさん是非私が育てたクラゲを見て、SNS等にたくさんアップしてくださいね!

無脊椎動物

2025.06.29

  • #クラゲ

北海道の海

先日クラゲの勉強会で北海道の室蘭に行き、現地の海のクラゲを見ることができました。北海道の海はまだ海水温が低く10℃近くまで下がっていました。海に手を入れるととても冷たく痛かったです。海水温が大阪湾と比べるとかなり低いため大阪湾では見ることのできないクラゲがたくさんいました。今回は2種類のクラゲを紹介します。まずはこちらの写真を見てください 。この白いぽつぽつ、実はすべてクラゲです。このクラゲはシロクラゲといい「海月銀河」でもおなじみのクラゲです。私も野生のシロクラゲを初めて見ましたがこんなにたくさんいるとは思いませんでした。(さすが北海道の海。。。)続きましてこちらのクラゲです。このクラゲは大阪湾でもよく見るミズクラゲでは?と思う方もいらっしゃるかと思います。しかしこの個体はミズクラゲではなくキタミズクラゲといいミズクラゲとは別種のクラゲです。このキタミズクラゲの特徴は傘の縁の部分が褐色になります。現在海遊館ではミズクラゲとキタミズクラゲの展示を行っているのでぜひ実際に見比べてみて下さい。今回、この2種のほかにもいろいろなクラゲを見つけることができ、冷たい水域での生態を学ぶことができました。また機会があればほかのクラゲも紹介させていただきます!!

無脊椎動物

2025.06.15

  • #クラゲ

春の知らせはカヌレと共に

3月の寒さも残るある日、岩壁調査に行った普及交流チームのメンバーがクラゲ担当の私に、「カヌレみたいなクラゲがいる!」とお知らせが。カヌレってあのお菓子のアレですか???なんじゃそりゃ???と採集されたクラゲ(?)を見て、私は一言。「カヌレやん」真っ先に思い浮かんだのが冠(かんむり)クラゲ目ですが、形状があまりにも違う...。以布利センターの元クラゲ担当を含む、クラゲ界隈にも聞いてみましたが、「ナニコレ???」状態。しばらく飼育してみるも、3日くらいでしぼんでしまいます。そもそも摂餌をしていないみたいです。その後も何個体か採集できたので、しばらく観察してみると、何やら側面にコイル状の模様があるのに気づきました。これってもしかして...春先によく見かける、「カミクラゲ」の生殖巣やないかーい!衰弱して触手や内臓の部分が抜け落ちて、このような形状になってしまったと思われます。(クラゲ界隈のみなさま、その節はお騒がせしました!!!!m(_ _)m )ということは、いつも行くクラゲ調査地点では、もうカミクラゲが発生している...ってコト...?※海遊館近くの岩壁は川の水が混ざっているので、クラゲ採集にはあまり適していません後日、クラゲ調査に行くと、カミクラゲを採集することができました!もちろん、さっそく「海月銀河」へデビューしてもらってます!それにしても、まさか春の訪れをカヌレで感じることになるとは思いませんでした(笑)「海月銀河」ではカミクラゲをはじめ、春先に見られるクラゲを続々と展示しています!海遊館に訪れた際には、カヌレではなく、クラゲで春の訪れを感じてみてくださいね〜!

無脊椎動物

2025.04.12

  • #クラゲ

新春クラゲ調査!

極寒の中ですが、クラゲ調査に行って参りました!さむい!!!!冬の海を舐めてた!!!ヒー○テック着てくれば良かった!!!!!!というわけで、今回も大阪湾で出会ったクラゲたちを紹介していきますね。まずはこちら、チョウクラゲ。有櫛(ゆうしつ)動物門というグループの、刺さないクラゲです。左右にある翼のような突起で羽ばたくように泳ぐ姿は「あなたホントにクラゲなの???」と思ってしまいます。そしてこちら、蛇のように泳ぐ「オビクラゲ」先ほどご紹介したチョウクラゲと同じく有櫛動物門に属するクラゲです。着物で使用する「帯」のような形をしていますが、ヘビにも見えます。まさに今年の干支、ヘビ年にふさわしいクラゲですね。さらに、ヒトモシクラゲ蛍光タンパク質を持ち、光るクラゲとして有名です。オワンクラゲとよく似ているのですが、触手の数や放射管(傘の中の線)の本数によって区別できます。担当としては、隣同士の水槽でオワンクラゲとヒトモシクラゲを展示して「何が違うねーん!」と見比べられる展示をしても良いかな...と思っています。あとは、めちゃデカな「ヒクラゲ」も採集することができました!海遊館でも展示したことのあるアンドンクラゲの仲間で、大きさ20cmほどになる毒の強いクラゲです。大阪湾での採集事例は聞いたことはありますが、まさか見ることができるとは・・・!他にもたくさんのクラゲに出会えました!新年から幸先の良いスタートを切れた大阪湾クラゲ調査!今年もいろんなクラゲや生きものに出会えるといいな〜

無脊椎動物

2025.02.05

  • #クラゲ

以布利通信90 クラゲフィーバー!

明けましておめでとうございます、以布利センターです。朝晩はかなり冷え込みますね。この時期、天気のいい日は絶好のクラゲ探索日和です。おおっと!なんだかたくさんいますね!え?見えない?(前にもこんなこと書いたような気も...)ちょっと柄杓で掬ってみましょう!本体は見えなくても影でわかるはず!たっくさんクラゲがいます!でも何ていう種類かわからん...というわけで顕微鏡でのぞいてみます。こちらはフタナリクラゲです。オスとメスの生殖腺を持っているクラゲです。外洋からの潮が入ってくるときに多く見られます。こちらはボウズニラです。まるでモヤシのように見えますね。このクラゲも外洋からの潮が入ってくるときにたまーーーーーーに見られる激レア種です。こちらはヒメツリガネクラゲ。水中だとキラキラして見えるきれいなクラゲです。真ん中のバナナみたいなところは生殖腺です。まだまだいろんなクラゲが見られますが、小さい&輸送が難しいことから海遊館で展示するには至っていません...。種類によっては皆さんの近くの海でも見られるかと思いますので、安全には十分気を付けて探しに行ってみてください!最後に以布利センターの前で見られたきれいな虹の写真を...。今年も皆様にとっていい年になりますよう、そしてクラゲがたくさん採れますように(笑)

海洋生物研究所「以布利センター」

2025.01.16

  • #クラゲ

「クロウミウマ」の記事

「グリーンテラー」の記事

見た目でアピール

「瀬戸内海」水槽のコブダイ。約5年前のブログ(「立派!」)と比べると、さらにコブが立派になってまいりました。こちらは「エクアドル熱帯雨林」水槽のグリーンテラーです。コブの大きなグリーンテラーは、なわばりを持ち、他の魚が近づくとオラオラしています。他にコブをもつ魚としては現在、当館にはいませんがナポレオンことメガネモチノウオなどがいます。コブがボナパルト・ナポレオンの帽子に似ていることから「ナポレオンフィッシュ」と呼ばれています。では、このコブはなにからできているのでしょう?触ってみるとぷよぷよしますから、骨ではありません。ということは??実は脂肪のかたまりなんです。哺乳類ではありますが、同じように頭にコブのようなものを持つのがシロイルカ。これは「メロン」と呼ばれる器官で、脂肪からできています。イルカの仲間はメロンを有し、音や超音波を集めて物にぶつけて反射させることで、大きさや方向などを知ると言われています。魚のコブは当館のコブダイにしても、グリーンテラーにしても、成長とともに徐々に大きくなり、なわばりを持ったり闘争したりすることから、コブをもつのはオスで、コブはメスに対するアピールになると考えられています。以前、テレビで日本海のある場所に暮らすコブダイの番組を見たのですが、それは立派なコブを持っていて、多くのメスと暮らしていました。でも、他のオスとなわばりを争い、顔を合わせれば闘争の日々で、年をとると若いものになわばりを奪われてしまう...たいへんな世界だと思います。鳥類や魚類の一部のオスは派手な色合いをしています。生きものにとって、見た目でのアピールは重要なのです。▲オシドリ(右がオス)

魚類

2025.03.30

  • #オシドリ
  • #グリーンテラー
  • #コブダイ

「コツメカワウソ」の記事

Happy birthday !

8月1日はコツメカワウソ「ツバキ」のお誕生日です。20歳になりました!おめでと~(*^▽^*)飼育下でのコツメカワウソの平均寿命は15歳ほどですので、とても高齢おばあちゃんカワウソです。今は展示を引退し、予備水槽で息子のザクロと一緒にのんびり暮らしています。 (←ツバキ ザクロ→) 昨年よりも朝寝、昼寝と寝ている時間が多いですが、プールで泳いだりする時間もあり食欲も旺盛。給餌の時にザクロより早く食べ終わり、「ちょうだい」ともらいに行こうとすることもあるぐらいです。そしてお腹いっぱいになると休憩するためのタオルをちょうだいと催促されます。私たちも老後はこんなマイペースな生活を送りたいものですね。笑ただ20歳ともなると老化にともない関節症や心臓疾患、乳腺腫瘍などの疾患がありますが、獣医の指導のもと上手くお付き合いしております。 (←ザクロ ツバキ→)そんな日々を送っていましたが、実は数日前に痙攣発作を発症してしまい、一時は係員みんなでその時を覚悟しました。でも2時間程度で餌を食べるまで持ち直し、係員に「私の涙を返せ(笑)」と言わせておりました(^_^;)ツバキは強いな~。(ツバキは2日間ほどでお部屋に戻り、今はまたザクロと一緒にゆっくり過ごしています。)高齢のツバキがこのように疾患を抱えながらも元気に過ごせている理由の一つに、「麻酔をかけたり保定をしなくても、注射や触診がしっかりできる」ということがあります。 これは若い時から身体に触れる、注射をするなどのトレーニングをしっかり行ってきた成果です。ツバキのお世話をしながらその重要性を再認識させられます。と、ハラハラすることもありましたが、無事に20歳の誕生日を迎えられてホッとしました。これまで海遊館で飼育してきたコツメカワウソで一番長寿だったのは、23歳まで生きたニッキです。ツバキにはぜひニッキを超えるほどゆっくり長生きしてほしいものです。

コツメカワウソ

2025.08.01

  • #コツメカワウソ

いろんなカワウソ

5月の最終水曜日は国際カワウソ保護基金(IOSF=The International Otter Survival Fund)がカワウソの現状をみなさまに知っていただくために制定した「世界カワウソの日」。今年は5月28日でした。当館では2018年からこれに賛同していろいろな催しを行っていますが、今年は特別講座でゲームやエコバッグ作りを実施しました。また、エントランスビル4Fの飼育員カウンターにおいて、カワウソについての掲示を行いました。なんとなく、みなさんはカワウソというと当館にもいるコツメカワウソを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?でも、世界にカワウソの仲間は13種いるのです。コツメカワウソの他に日本の園館で見られるのはユーラシアカワウソ、カナダカワウソ、ツメナシカワウソとラッコの4種。以前はビロードカワウソも見ることができました。この中でラッコは水族館で見られる数はもう残り少ないですが、今、北海道で数を増やしつつあるため、唯一、自然下で見られる種です。でも、ラッコがカワウソの仲間だと言われてもピンと来ない方も多い気がしないでもない...。また、ユーラシアカワウソは絶滅したとされるニホンカワウソに非常に近い仲間で、最近、存在が話題になった対馬のカワウソは韓国由来のユーラシアカワウソの可能性が高いと言われています。こちらは土佐清水市役所に展示されているニホンカワウソのはく製です。高知には数ヵ所はく製をおいている場所があるので、興味のある方は見に行ってみてくださいね。 カワウソの分類を見ると、7つの属に分かれます。・Lutra属(2種) ユーラシアカワウソ EURASIAN OTTER スマトラカワウソ HAIRY NOSED OTTER・Lutrogale属(1種) ビロードカワウソ SMOOTH COATED OTTER・Lontra属(4種) カナダカワウソ NORTH AMERICAN RIVER OTTER ウミカワウソMARIN OTTER オナガカワウソ NEOTROPICAL OTTER チリカワウソ SOUTHERN RIVER OTTER・Hydrictis(1種) ノドブチカワウソ SPOTTED NECKED OTTER・Pteronura属(1種) オオカワウソGIANT OTTER・Aonyx属(3種) ツメナシカワウソ AFRICAN CLAWLESS OTTER コツメカワウソ ASIAN SHORT CLAWED OTTER コンゴツメナシカワウソ CONGO CLAWLESS OTTER・Enhydra属(1種) ラッコ SEA OTTER更に分布図を見ると...。このうち、アフリカにいるのがツメナシカワウソとコンゴツメナシカワウソとノドブチカワウソの3種、南アメリカにいるのがオオカワウソとウミカワウソ、オナガカワウソ、チリカワウソの4種、北アメリカにいるのがカナダカワウソ、ラッコ。ただし、ラッコはロシアや日本にもいます。ユーラシア大陸に広くいるのがユーラシアカワウソで、東南アジアにいるのがスマトラカワウソ、ビロードカワウソ、コツメカワウソとなります。 分布と分類を比べると、南アメリカに生息するオオカワウソを除いた3種は北アメリカに暮らすカナダカワウソと近い仲間であり、東南アジアのスマトラカワウソはユーラシアカワウソと近い仲間であること。アフリカに暮らすツメナシカワウソとコンゴツメナシカワウソは東南アジアのコツメカワウソと近い仲間なのがわかります。ある場所で暮らしていたカワウソが別の地に行き、そこで増えていったのだろうなあ。考えるとすごいですよね。 こちらは当館の係員が数年前にチリに行った際に見たというウミカワウソ(Marine otter)です、豆粒サイズですけども。主に海の近くで暮らす小型のカワウソですが、遠くに動いているのがいくつか見られたそうです。自然の海でカワウソが見られるってなんかすてきです。 カワウソにもいろいろいるのですというお話でした。

コツメカワウソ

2025.06.11

  • #コツメカワウソ

特別講座「世界カワウソの日」

5月最終水曜日といえば、「世界カワウソの日」!海遊館ではちょっと早めの5月17日、18日に、カワウソについて楽しく学べる特別講座を開催しました。17日は小学生以上とその保護者、18日は大人の皆さまを対象に、カワウソの給餌見学やオリジナルエコバックづくり、ボードゲームなどを取り入れながら、カワウソや保全について参加者のみなさまと一緒に考えました。毎年、カワウソについてどんなテーマでお話しようかと頭を悩ませている担当なのですが、今年のテーマは「野生のカワウソの探し方」にしよう!ということで、私がコツメカワウソの生息地でもあるマレーシアで実際にみた風景や巣穴、糞など生息地の写真を見たり、2017年にカワウソが発見された長崎県の対馬のお話をしました。「図鑑に載っている生息地ってどうやって、何をしらべていると思いますか??」という質問に、最初は「・・・・・」と考え込んでしまった参加者のみなさまも、お話を聞きながら「なるほど...」「糞はどこだ?誰の足跡だ?」と考えをめぐらせてくださいました。そして、頭の中がカワウソでいっぱいになったところでオリジナルエコバック作りに突入!海遊館オリジナルカワウソスタンプとペンを使ってトートバックを完成させるのですが、なんとも皆様のセンスの良さ!!どれも素敵で私が欲しくなってしまいました。ちなみに足型のハンコは、海遊館のコツメカワウソに協力してもらった型をもとにハンコを作ったので、肉球の形や広がり方は本物なんです~(*^▽^*)後半はカワウソの保全についてのお話です。わたしたちの身近なものとコツメカワウソの生息地である東南アジアがどのように繋がっているのか、遠く離れた日本からカワウソを守るためにできることがあるのか、ボードゲームを使って感じていただきました。 今回の特別講座が「カワウソを取り巻く問題を自分ごととして理解していただき、自分ができることから1アクションをおこし、そして続けていただく」きっかけになれば嬉しいなと思う担当でした。今週は、日本各地のカワウソ飼育園館が、さまざまなイベントや情報発信をしていますのでぜひチェックしてみてくださいね。

イベントレポート

2025.06.05

  • #コツメカワウソ

お引越し準備中

今日は嬉しいお知らせです。 コツメカワウソの「センティ」が高知県立のいち動物公園へお引越しすることが決まりました!センティは2021年に香港オーシャンパークから海遊館にやってきて、2023年に「ビジュ」と子宝に恵まれ、国内に新たな血統となる子供たちが誕生しました。日本動物園水族館協会では、国内で飼育している希少動物約150種について、動物の戸籍簿(血統登録)を作成し、種ごとに繁殖計画を作り、繁殖に取り組んでいます。 海遊館でもカマイルカ、ゴマフアザラシ、カリフォルニアアシカなどの海獣類の他、ペンギン全種、コツメカワウソの血統登録を行っています。それぞれの遺伝的多様性を維持し、持続可能な繁殖を促進するためには、新しいペアを必要とします。 そこで、センティが新しいパートナーと繁殖に臨むことができるように、このたび、高知県立のいち動物公園へ移お引越しすることになりました。 現在、センティは「日本の森」水槽で娘の「シイ」と一緒に暮らしており、ごはんの時には お引越しのためのトレーニングに取り組んでいます。輸送用のケージへ誘導する際にセンティが暴れると輸送中に体調を崩してしまう要因にもなるので、事前にケージに慣れてもらうための大事なトレーニングです。今回は去年の「ヒノキ」のお引越しの時と同じように、事前にのいち動物公園から輸送ケージを送っていただきました。 扉のバネの音に警戒することもありますが、少しずつ慣れてきました。 センティとシイは6月3日まで「日本の森」で過ごし、お引越しに向けて4日からは予備室(非公開)へ移動する予定です。みなさま、「日本の森」で遊んでいるセンティとシイにぜひ会いに来てください。※予備室への移動は生きものの状態によっては急遽変更することもあります

コツメカワウソ

2025.05.31

  • #コツメカワウソ

カワウソコロコロ氷玉

海遊館のコツメカワウソは「日本の森」水槽の他にバックヤードでも暮らしています。それらの個体にも楽しく、刺激のある毎日を過ごしてもらうために日々遊び道具などを用意しています。この日用意したのは球状の氷です。中には餌で使用しているカワエビを入れています。氷が解けることで中のエビを取り出せますが、どんな反応をしてくれるでしょうか。まずはポポに渡しました。氷を受け取るとコロコロと転がしながらプールに入れてガジガジとかじります。プールから出してまた転がして、そしてまたプールに入れてを繰り返して、溶けてきた氷からエビを取り出して上手に食べています。 ▲エビを食べた後も氷で遊ぶポポ「ミウ」と「ロック」にも渡しましたが、ひたすら氷をかじるロックと、氷を丸ごとかじりだすミウと、2頭とも違った反応が見られました。▲ひたすらかじってエビを取り出そうとするロック▲溶け切るのを待てず丸かじるミウ同じものでも個体によって反応が違ってくるのは面白いですね。いろいろな刺激を与えながら退屈にならないように今後も工夫していきますので、その様子をまたお伝えできればと思います。

コツメカワウソ

2025.05.06

  • #コツメカワウソ

ロックのその後

2023年に突然左半身の麻痺の症状が現れたコツメカワウソのロック。海遊館で行ったX線検査や血液検査では原因が分からず、大阪公立大学さんの協力のもとCT検査、MRI検査を行い「線維性軟骨塞栓症(脊髄梗塞)」による麻痺である可能性が高いことが分かりました。その時の様子は過去のブログをご覧ください。投薬治療とリハビリですっかり元気になったロック。現在の様子について、紹介したいと思います。昨年9月にニフレルへお引越ししたロック。もともと水があまり得意ではないので、引っ越し当初はなかなかプールに入ろうとしなかったようですが、プールにスロープを設置する、入水訓練を実施するなどニフレル飼育員の努力で、自分からプールに入って泳ぐようになっていたとのこと。ニフレルでのロックの様子そして、この1月に海遊館に再び戻り、現在はバックヤードでのんびり過ごしています。水に入ったり、お昼寝をしたり、相変わらずマイペースなロック。歩行をみても行動をみても、以前麻痺があったとは思えない回復ぶりです。水に入っているロック寝袋代わりのトレーナーの上でくつろぐロック周りの様子をうかがうロック元気になって本当によかったです。カワウソにおける線維性軟骨塞栓症の報告はこれまでになく、ロックが初めての症例となります。今回の臨床症状や診断基準、治療や臨床経過が、今後カワウソの健康管理に役立つことがあるかもしれません。この度、「コツメカワウソにおける線維性軟骨塞栓症の診断と臨床経過」についての研究論文が、日本獣医学会が刊行する「The journal of veterinary medical science」のオンライン速報版に掲載されました。詳しく知りたい方は、ぜひこちらのリンクをご覧ください。https://www.omu.ac.jp/info/research_news/entry-16234.htmlhttps://www.jstage.jst.go.jp/article/jvms/advpub/0/advpub_24-0462/_article/-char/en

コツメカワウソ

2025.02.14

  • #コツメカワウソ

「コブダイ」の記事

見た目でアピール

「瀬戸内海」水槽のコブダイ。約5年前のブログ(「立派!」)と比べると、さらにコブが立派になってまいりました。こちらは「エクアドル熱帯雨林」水槽のグリーンテラーです。コブの大きなグリーンテラーは、なわばりを持ち、他の魚が近づくとオラオラしています。他にコブをもつ魚としては現在、当館にはいませんがナポレオンことメガネモチノウオなどがいます。コブがボナパルト・ナポレオンの帽子に似ていることから「ナポレオンフィッシュ」と呼ばれています。では、このコブはなにからできているのでしょう?触ってみるとぷよぷよしますから、骨ではありません。ということは??実は脂肪のかたまりなんです。哺乳類ではありますが、同じように頭にコブのようなものを持つのがシロイルカ。これは「メロン」と呼ばれる器官で、脂肪からできています。イルカの仲間はメロンを有し、音や超音波を集めて物にぶつけて反射させることで、大きさや方向などを知ると言われています。魚のコブは当館のコブダイにしても、グリーンテラーにしても、成長とともに徐々に大きくなり、なわばりを持ったり闘争したりすることから、コブをもつのはオスで、コブはメスに対するアピールになると考えられています。以前、テレビで日本海のある場所に暮らすコブダイの番組を見たのですが、それは立派なコブを持っていて、多くのメスと暮らしていました。でも、他のオスとなわばりを争い、顔を合わせれば闘争の日々で、年をとると若いものになわばりを奪われてしまう...たいへんな世界だと思います。鳥類や魚類の一部のオスは派手な色合いをしています。生きものにとって、見た目でのアピールは重要なのです。▲オシドリ(右がオス)

魚類

2025.03.30

  • #オシドリ
  • #グリーンテラー
  • #コブダイ

「ゴマフアザラシ」の記事

ゴマフアザラシ達の誕生祭

2月と3月はゴマフアザラシ誕生の季節でした。ということで、海遊館で暮らしているゴマフアザラシ達にお祝いとして氷と魚で作ったケーキをプレゼントしたので、その様子をご紹介いたします!2月24日生まれ、23歳になったメスの「ナナ」ナナは海遊館生まれのアザラシです。よくフロート(いかだ)の上でよだれを沢山垂らしながら寝ているので、お客様から心配のお声を頂くことも、、、(笑)普段ナナに氷をあげることがないので、びっくりしないかなと心配していましたが、興味深そうに触れていて安心しました。3月1日生まれ、13歳になったメスの「ラピス」ラピスも海遊館生まれのアザラシで、飼育員が親代わりとなって育てました。アクリル越しに人と遊ぶのが大好きで、手を振っていると大抵近寄ってきてくれます。ラピスは餌氷が大好きなので嬉しそうに遊んでいました。↑ラピスが生まれたときの写真3月8日生まれ、30歳になったオスの「パール」パールもまた海遊館生まれのアザラシです。年齢を重ね、背中のゴマ模様も薄くなってきましたが、まだまだ元気いっぱいです。前肢が長いのでパールのバイバイはとっても迫力があります。氷ケーキをあげた際はのんびりみていたのでダイヤに取られそうになっていました(笑)3月10日生まれ、12歳になったメスの「美桜」美桜は加茂水族館生まれで、2015年に海遊館にやってきました。現在は海遊館アザラシNo.1の体重で106kgになりました。よくアシカのおこぼれを狙って飼育員の足元にやってきています。氷ケーキを見せるとツンと触ってカメラの方にもしっかりと目線をくれました。終わった後はしっかりと付いている魚は完食しました。↑搬入後、初めて展示デビューした際の写真(当時2歳)3月19日生まれ、3歳になったメスの「おんぷ」おんぷは男鹿水族館生まれで、2024年に海遊館にやってきました。一番新参者で、最初は色々なことにびっくりしていた印象でしたが、現在ではしっかりと餌を食べ、新しいトレーニングも覚え、アクリル越しに人と遊び、ホースを追いかけ、と元気に暮らしています。氷ケーキを渡した際は、餌というより氷に食いついていました。↑搬入後、初展示デビューの際の写真(深い水槽にびっくりして飲み水用の容器にはまっていました)ここからご紹介するアザラシは保護された個体の為、誕生日や正確な年齢はわかっていません。推定12歳になったオスの「しげのぶ」現在は繁殖期で、メスにアピールを頑張っているしげのぶです。いつも眠そうな顔をしていて、給餌中もよく口をむにゃむにゃさせています。ターゲットと呼ばれるトレーニングで使用している棒が好きで、見せると噛みついて遊んでいます。氷ケーキは嬉しそうに咥えていました。↑搬入後、初展示デビューの際の写真推定21歳になったメスの「ショウ」水槽のすみっこが大好きで色々なところに挟まっているのでお客様からアザラシが挟まってます‼と言われることも。大丈夫です、好きで挟まっています。姿が見えなさすぎて心配になるときもあります。氷ケーキをあげたとき、初めは少し警戒して近づかなかったのですが、ショウの好きなメロードがあることが分かると、器用にシシャモを残してメロードだけを食べていました。推定21歳になったメスの「ダイヤ」海遊館アザラシNo.1の食いしん坊です。餌が欲しいとすぐにブーブーと鳴くので分かりやすいです(笑)水中に何か落ちる音が聞こえると餌だと思ってすぐにとんで来たり、上から様子を見ていると餌が貰えると思ってじーっと上を向いて見つめられます。氷ケーキをあげると、すぐに上に乗っている餌を食べていました。↑アザラシ達に氷ケーキをあげる日が続いていたので、おこぼれを狙って常に張り付くようになりました以上でご紹介は終了です。みんな海遊館に来てくれてありがとう、元気に暮らしてくれてありがとう。これからも、元気に過ごしてね!

哺乳類

2025.04.04

  • #ゴマフアザラシ

新しいボール!!

つい最近、生きものたちのおもちゃとして使用する新しいボールを入手しました!今まではバスケットボールをおもちゃとして使用していたのですが、今回はこちらのボールです。皆さん、これは何のボールか分かりますか?初めて見るという方も多いと思います。実は水球で使うボールなのです!撥水性も抜群で海遊館で使用するにはぴったり!乾いていると割と表面はサラサラしているのですが、水にぬれるとグリップ力が上がり、ボールが掴みやすくなるという何とも不思議な仕組みになっています。さっそく生きものたちにボールを与えてみました。その様子がこちら! こちらはカマイルカのキールです。とても器用にキャッチボールをしています! この動画でもボールを挟み持ち上手に運べて(??)いますね!途中でボールを落としているのも気付いていないほどフィットしているようです(笑) そしてこちらはカルフォルニアアシカのボス、「ミッチ」です。安定したキャッチボールに更には華麗なサッカーも披露してくれています!そしておまけのフープキャッチも見せてくれていますね!まだまだあります!続いてはこちらゴマフアザラシのおんぷです!あらら、疲れてしまったようです。今回ご紹介した個体だけでなく、バックヤードで暮らしているイルカにもおもちゃとして入れており、沈めたりして遊んでいる姿が見られます。「タスマン海」水槽で暮らしている個体も壁にこすりつけたり、跳ね上げたり色々な遊び方をしています!ぜひ水球のボールで遊んでいる生きものたちの姿に注目してみてください!※海遊館では生きものの筋力維持やトレーニング時に生きものが飽きないように、ハズバンダリートレーニングだけでなく、様々なトレーニングを行っています。

哺乳類

2025.04.03

  • #ゴマフアザラシ

「シマアジ」の記事

シマアジの成長記録

こんにちは、9月に入って夜が少し涼しくなり秋を感じるようになってきましたね。今日は「太平洋」水槽にいるシマアジの成長記録です。以布利通信69「水槽デビューを目指して」↑この投稿はおよそ2年前で、2023年の夏に以布利センターから約30匹のシマアジが「太平洋」水槽にやってきました。シマアジたちは、ジンベエザメと一緒に遊泳することで、周りの大きな魚から身を守りながら、おこぼれの餌をもらって暮らしています。特に餌の時間になると、「自分が一番餌を食べるぞ!」と伝わってくるくらい、ジンベエザメの口の前でオキアミやイサザアミを食べています。ジンベエザメの給餌担当者曰く、シマアジがジンベエザメに吸い込まれないように網でガードするのが大変だそうです。(ジンベエザメの吸い込む力は、1回の口の開閉で約100Lもの水を吸い込むくらい強力です!)そして、すくすくと成長していき...なんと、シマアジたちが無事、全員大きくなりました!水槽に搬入した時は9cm、10g程だったのが、今では45cm、1.5kg程に成長しました。▲搬入時▲現在今では、シマアジだけで群れを作って泳いでいる姿や、イトマキエイの餌のおこぼれをもらったり、餌のイカや魚を拾ったりと賢く餌を食べている様子をよく見ます。夜間や、ゆったり泳ぐときにはジンベエザメに付きやすくなります。やはり、安心するのでしょうね。実はこのシマアジたちは私が以布利に赴任後、1年目の時に採集して、海遊館に来た同級生です。同級生のシマアジたちの成長を見て、私も成長しないといけないなと思う飼育員でした。

魚類

2025.09.18

  • #シマアジ

「シロワニ」の記事

その歯、使い捨て!?

先日、「太平洋」水槽に搬入されたシロワニ。新しい環境にもすっかり慣れたようで、今では水槽内をゆったりと優雅に泳ぐ姿や、大きな歯をむき出しにしてエサを食べる様子をご覧いただけます。 そんなシロワニを観察していたところ、口の端から、いつもとは違う位置に歯が見えているのを発見しました。実はこれ、シロワニの歯が生え変わろうとしているところなのです。サメの仲間は、顎の内側にもたくさんの歯が並んでいて、まるでベルトコンベアのように古い歯が抜け、新しい歯が次々と生えてくる仕組みになっています。今回見られたのは、ちょうど歯が抜け落ちる直前の様子でした。水槽を掃除していると、たまに抜け落ちた歯が見つかることがあります。こちらが実際に拾ったシロワニの歯です。鋭い形をしていますよね。この鋭い歯で、シロワニは獲物をしっかりと捕らえて逃がさないようにしているのです。ちなみに、サメの種類によって歯の形や役割はさまざまです。映画で有名なホホジロザメのように、獲物を切り裂くために歯の先端がのこぎり状になっているものもいれば、ジンベエザメのように餌を水ごと吸い込むことで食べる種では、歯をほとんど使わないため、小さく退化していると考えられています。ホホジロザメの歯ジンベエザメの歯ご来館の際には、ぜひシロワニや他のサメの「歯」にも注目してみてくださいね!

魚類

2025.08.04

  • #シロワニ

「ジェンツーペンギン」の記事

「スナメリ調査」の記事

スナメリ調査で海遊館初!

今年初めてのスナメリ調査に行ってきました!スナメリは大阪湾の海の生態系の頂点にいる、イルカの仲間です。一般的に生態系の頂点にいる生きものが多くいると、その海は豊かであると言われています。海遊館では、10年以上前より大阪湾のスナメリの目視調査を行っています。3月24日、今年最初の調査であり、午後からは少し風が強くなる予報(風が吹くと白波が立ちスナメリの観察が難しくなります)だったため、午前中が勝負と気合を入れて8:45分に出発しました。出発してすぐに大阪・関西万博の「大屋根リング」が見えてきました。1時間ほどで関西国際空港付近に到着。(今までの調査で、スナメリは関西国際空港付近で多く観察されることが分かっています)すると、すぐにスナメリ発見!写真のようにスナメリは背びれがなく、ジャンプもほとんど行わないため、他のイルカと比べて観察がが難しいです。今日は幸先が良いと思っていると、その後次々とスナメリが...!そして、海遊館初となる波乗りをしているスナメリを観察することができました!これを見た調査スタッフ全員が興奮して一ヵ所に集まって写真を撮りまくっていました。1時間ほどで10数頭のスナメリを確認することができました。午後からは風が少し強くなってきたので、スナメリ調査とクラゲ調査を一緒に行い、ミズクラゲ、アカクラゲ、オワンクラゲ、カミクラゲなどが観察されました。今後もスナメリ調査を通して、大阪湾の生態系の把握に役立てればと思っています。5月頃には、一般の方も含めたスナメリ調査を予定していますので、楽しみにしていてくださいね!

哺乳類

2025.03.28

  • #スナメリ調査

「タカアシガニ」の記事

「デバスズメダイ」の記事

スズメダイ科の繁殖行動

あっという間に夏らしい気温になり汗をかく季節になりましたね!さて、昨年11月に "サンゴの生命力" をテーマに生まれ変わった「グレート・バリア・リーフ」水槽ですが、実は魚たちの生命力や命の巡りも感じることができます。今日はその一部分を紹介したいと思います。最下層のサンゴの周りではスズメダイ科の魚が多く遊泳していますが、実は産卵行動を見ることができます。最近ではグレートバリアリーフの固有種であるバリアリーフクロミスや、きれいな水色の体色をしているデバスズメダイ等が多く産卵しています。産卵行動は現在朝から昼にかけて観察できることが多く、① オスが産卵場所(構造物)を口や胸鰭を使ってキレイにする、産卵場所に入ってくる魚を追い払う② オスがメスに求愛行動を行い、産卵場所に誘う③ メスが擦り付けるように卵を産んだものにオスが放精する④ オスは卵が孵化するまで、死んでしまった卵を口で取る行動や、口や胸鰭を使って新鮮な海水を送る大まかに①~④の流れで産卵行動が行われます。 ↑この動画はバリアリーフクロミスの産卵行動で、上記では③にあたります。↑この写真はデバスズメダイの産卵行動で、上記では④にあたります。1つのサンゴに対して数個体のデバスズメダイたちが卵を守っている様子が見られます。みなさまも是非、スズメダイ科たちの繁殖行動を見に来てくださいね!

魚類

2025.06.01

  • #デバスズメダイ
  • #バリアリーフクロミス

「トラフザメ」の記事

オスのようでメスだった!?とあるトラフザメが見せた超不思議な生態

ジンベエザメが悠々と泳ぐ「太平洋」水槽、底に目をやってみるとじっとしていることの多い斑点模様の大きなトラフザメ。そんなトラフザメの不思議な生態の論文がこの度、国際学術誌に掲載されました。トラフザメはインド洋から太平洋にかけて広く生息する底生のサメで、幼魚のころはシマシマ模様から英語では "zebra shark(シマウマ(模様の)サメ)" なんて呼ばれることもあります。ちなみに和名の "トラフザメ" は "トラ斑(ふ)のサメ" が由来といわれており、成長に合わせて由来の生きものが変わるのも面白い特徴の一つです。トラフザメを含むサメ・エイの仲間は通常、おなか側のヒレ(腹ビレ)にある "クラスパー" の有無で簡単にオスメスが見分けられます。クラスパーはオスの特徴で、交尾の時に活躍する器官なのです。腹側から見たイズヒメエイのオスとメスの写真(左側がオス、右側がメス)おもしろいことに、時々、クラスパーを持っているのに卵を産む個体『雌雄同体=オスとメスの特徴を併せ持つ』が見られることがあります。更に、メスであっても、オスが居ない状態で卵を産んで殖える "単為生殖" を行う種類がいるなど、サメ・エイの性別や繁殖にはたくさんの不思議があります(しかも原因はまだハッキリとしていない...)。今回はこんな雌雄同体と単為生殖にまつわる調査をニフレルと海遊館の飼育員が筆頭となり、他機関と共同で研究し、論文を執筆しました。過去にニフレルで飼育していたトラフザメ、よく見てみると腹ビレの付け根にとても小さなクラスパーを発見しました。つまりオスですね。今回のトラフザメで確認されたクラスパー不思議だったのは、体は大人のサイズだったのに、クラスパーの大きさが未熟ということでした。稀にこんなオスもいるものなんだな。と思っていました。しかし1個体だけで順調に数年間飼育を継続していると、なんと卵を産んだのです!トラフザメの卵まさかのメス?でもクラスパーあるし・・・珍しい個体だな。と思いました。トラフザメでは、これまでにも単為生殖の報告が知られており、もしかしたら発生するのかも...という一縷の望みを持って卵を収集・保持していました。すると数ヵ月後に8個の卵の卵黄に胚(赤ちゃん)が見えたのです。そしてさらに数ヵ月後に1個の卵から稚魚が孵化したのです!(残念ながら稚魚は死亡...)その後、産卵した親個体は海遊館に移動してしばらく飼育していたのですが、残念ながら死亡してしまいました。そこで、これまでに起きた色んな謎を明らかにするべく、親個体の解剖・観察と稚魚との遺伝子の比較(親子鑑定)を行ったところ、このトラフザメが"不完全ながら雌雄同体の特徴を持ったうえに、"単為生殖" したことが明らかとなりました。当事者の我々も、混乱してしまいそうな事例でした。前述したように、世界中のいくつかの水族館でトラフザメが単為生殖を行うことはこれまでにも報告されてきましたが、"雌雄同体の特徴を持つ個体が単為生殖を行う" という事例はこれまでサメ・エイでも報告が無く、今回の事例が初めての報告となりました。これらの出来事をまとめた論文は下記URLから要約のみ無料で閲覧可能となっております。ご興味がある方は是非ご覧いただければと思います。https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jfb.70122サメやエイ、軟骨魚と呼ばれるグループは "原始的" と言われることもありますが、実はその生態にはわかっていないことも多くあります。今回の論文がそんなサメ・エイの生態の謎解きの一助となってくれたらいいなぁ...なんて著者は思っています。"単為生殖" のような現象は、同一個体を長期的に観察することができる水族館からの報告が多く、実は水族館は重要な研究フィールドとなります。こんな水族館という特殊なフィールドを活かしながら、これからもサメ・エイを始め、色々な生きものの不思議について発信していきたいと思います。

魚類

2025.07.27

  • #トラフザメ

「ハダカカメガイ」の記事

クリオネのお食事事情

小さな白い体を持ち、羽ばたくように泳ぐ姿が人気のクリオネ。 日本名では「ハダカカメガイ」といって、名前のとおり貝の仲間です。水中を泳ぐための翼のような部位「翼足(よくそく)」を持っていて、名前の「ハダカ」は貝類の一番の特徴ともいえる貝殻を持たないことが由来です。貝類の中では、「裸殻翼足類」(らかくよくそくるい)に属しています。ここで少し疑問に思われたかもしれません。「裸殻ということは、殻があるグループも存在する?」と。そのとおり!殻を持った「有殻翼足類」(ゆうかくよくそくるい)の貝もいるんです!クリオネほど名前がよく知られている生きものはあまりいませんが、代表として「ミジンウキマイマイ」をご紹介します。 ミジンウキマイマイは、こちらもグループ名のとおり、殻を持った翼足類の貝で、写真の下側が殻、そして殻から翼足を出して羽ばたきながら泳ぎます。殻をよくご覧いただくと、巻貝であることもお分かりいただけると思います。実は、このミジンウキマイマイはクリオネの大好物♡どちらも冷たい海域で暮らしていて、クリオネはミジンウキマイマイを見かけると普段の愛らしい姿から一変、頭部から「バッカルコーン」という触手を伸ばし、捕食します。 バッカルコーンを出す姿は水族館ではあまり見かけることがありませんが、時々何かの拍子にその様子を見せてくれることがあります。見れたらラッキー!クリオネの水槽を見かけたら、ぜひチェックしてみてください。

無脊椎動物

2025.09.19

  • #ハダカカメガイ

「バリアリーフクロミス」の記事

スズメダイ科の繁殖行動

あっという間に夏らしい気温になり汗をかく季節になりましたね!さて、昨年11月に "サンゴの生命力" をテーマに生まれ変わった「グレート・バリア・リーフ」水槽ですが、実は魚たちの生命力や命の巡りも感じることができます。今日はその一部分を紹介したいと思います。最下層のサンゴの周りではスズメダイ科の魚が多く遊泳していますが、実は産卵行動を見ることができます。最近ではグレートバリアリーフの固有種であるバリアリーフクロミスや、きれいな水色の体色をしているデバスズメダイ等が多く産卵しています。産卵行動は現在朝から昼にかけて観察できることが多く、① オスが産卵場所(構造物)を口や胸鰭を使ってキレイにする、産卵場所に入ってくる魚を追い払う② オスがメスに求愛行動を行い、産卵場所に誘う③ メスが擦り付けるように卵を産んだものにオスが放精する④ オスは卵が孵化するまで、死んでしまった卵を口で取る行動や、口や胸鰭を使って新鮮な海水を送る大まかに①~④の流れで産卵行動が行われます。 ↑この動画はバリアリーフクロミスの産卵行動で、上記では③にあたります。↑この写真はデバスズメダイの産卵行動で、上記では④にあたります。1つのサンゴに対して数個体のデバスズメダイたちが卵を守っている様子が見られます。みなさまも是非、スズメダイ科たちの繁殖行動を見に来てくださいね!

魚類

2025.06.01

  • #デバスズメダイ
  • #バリアリーフクロミス

「ビゼンクラゲ」の記事

ビゼンクラゲのビゼンとは??

2022年以来3年ぶりにアリアケビゼンクラゲの期間展示を開始しました(→「お久しぶりのデカいやつ」)。やはり迫力がありますね。採集に出発前、「今年は展示を成功させるぞ!」と準備に意気込む担当者に、私、疑問を投げかけました。「ねえ、なんで有明海で獲れるのにビゼンクラゲなん?ビゼンって岡山のことよね?」すると、「昨今の研究で、有明海で捕獲されるビゼンクラゲは "アリアケビゼンクラゲ" とされていて、他地域にいるビゼンクラゲとは別種といわれているんですよ」との答えが返ってきました。さらに「有明海ではアリアケビゼンクラゲは "赤クラゲ" と呼ばれていて、他に "白クラゲ" と呼ばれるヒゼンクラゲもいます」とも。ん?混乱する~。「肥前」とは佐賀県と長崎県のあたりをさすので、有明海を含む場所であり、そこからついた名前であろうことはまあわかります。ややこしいなあ~。それはそれとして、ビゼンクラゲのビゼンはどこからきたのという謎はまだとけてはいません。ということで、調査開始!まずはビゼンクラゲを見つけた方は誰かを調べました。学名に Rhopilema esculentum Kishinouye, 1891 とあるので、1891年にキシノウエという方が発見したことがわかります。この方は日本水産学界の発展に寄与した東京帝国大学の岸上鎌吉氏であり、1890年(明治23年)に岡山県の児島郡で採取したものを命名したのだそうです。でた!岡山つまりは備前国!!備前国とは岡山県の東南部に位置する旧国名で、玉野市や瀬戸市、備前市、岡山市の一部などを含みます。「ビゼン」はここからきていたのね。備前国では奈良時代に加工したクラゲを朝廷に収めていた記録があるぐらい、昔から食用クラゲの産地だったそうです。ちょっと時代はとびますが、江戸時代には岡山藩から幕府へ毎年クラゲを献上していたくらいに名産だったそう。岡山県の統計年報によれば、記録がある明治30年頃から大正時代にかけては10~90トンほどの漁獲量があり、ビゼンクラゲは岡山の主要な特産物だったことがわかります。岸上氏が命名したのは明治23年ですから、ちょうど岡山でビゼンクラゲが多く獲られている頃に名付けたのではないでしょうか。しかし、昭和に入る頃には漁獲量が激減し、昭和6年には0となってしまいました。数年後には統計年報からとうとうビゼンクラゲの項目は消滅...。実は、岡山のビゼンクラゲはどこにでもいたのではなく、当時、遠浅の広大な干潟をもつ児島湾内のみに生息していました。児島湾は岡山市の南部にあります。汽水域を好むとされるビゼンクラゲは有明海と同じような環境である児島湾にいたというのが興味深いところですし、児島湾の中でも大きな川が近い地域のみで漁が行われていたことがわかっています。児島湾は古代から干拓が行われていましたが、明治以降、干拓が進んだことや湾の締め切り等によって海の状況が変化したことがビゼンクラゲの生息に影響したと考えられます。その後のビゼンクラゲは戦後から昭和40(1965)年頃まではわずかに存在していたようです。2002年には広大の上氏らが瀬戸内海沿岸の漁業協同組合161か所にアンケートを行い、直近20年のクラゲ出現動向を調査されました。その結果、ビゼンクラゲについては95%以上の方が「知らない、全く見たことがない」と回答したそうです。2020年の岡山県版レッドデータブックでもビゼンクラゲは絶滅危惧種とされていて、岡山の名産だったビゼンクラゲはいなくなってしまったことを痛感します。尚、岸上氏が命名したビゼンクラゲの色は青かったとのことですが、明治26年(1893年)には有明海から赤い食用クラゲが報告され、標本を検討した結果,ビゼンクラゲとは色が異なる同種であるとされました。これがアリアケビゼンクラゲです。岸上氏は続いて明治30年(1897年)に有明海から別の白い食用クラゲを記録しました。こちらは後に Rhopilema hispidum のシノニム(同じ種類に対して複数の学名がつくこと)とされ、和名は肥前国にちなんでヒゼンクラゲと命名されたのです。そういえば、ヒゼンクラゲは高知でたまに入網するそうで、以布利や室戸方面の漁獲物を調べていた係員が写真を撮っていました。当館での展示経験は、担当によると「ビゼンと一緒に獲れて展示したことがあったかもしれない??」ということでしたが、また調べておきます。「お久しぶりのデカいやつ」で担当が書いているように、アリアケビゼンクラゲは「ビゼンクラゲ」とか「ビゼンクラゲの一種」と記載することが多かったのですが、このたび当館では2022年に発行された「クラゲの図鑑」に準じて、和名:アリアケビゼンクラゲ、学名:Rhopilema esculentum と記載することにしました。また、同じく「ビゼンクラゲの一種」と呼ばれているビゼンクラゲは?というと、スナイロビゼンクラゲと呼びます。スナイロ?これまで海遊館のクラゲをみてきてくださった方はあれっ?って思うかもしれません。なんか聞いたことあるような??例えばこちらのブログ「久しぶりに大きく育ちました」では、「スナイロクラゲは夏場に展示する大きなビゼンクラゲにとても近い仲間で、"砂の色"をしていることからその名前がついた」と書いてます。このスナイロクラゲもスナイロビゼンクラゲとよばれることになったというわけ。ちょうど、今、当館育ちのクラゲを展示中です。スナイロクラゲはウチダザリガニの命名者である北海道大学名誉教授の内田氏が1927年に陸奥湾および東北地方日本海沿岸に発生する種を Rhopilema asamusi と命名しました。当時、太平洋亜熱帯水域に分布するアリアケビゼンクラゲやヒゼンクラゲとは明らかな生息水域の違いがあるとしていましたが、このたび、スナイロクラゲ改め、スナイロビゼンクラゲとなり、学名はスナイロクラゲの Rhopilema asamusi が採用されました。スナイロビゼンクラゲの生息地は東北から九州にかけての日本沿岸、色も砂色?とか青とか白あって本当、クラゲ勉強中の私には理解が難しゅうございました。 何はともあれ、ビゼンクラゲの「ビゼン」の意味がわかり、私は大満足なのですが、岡山のクラゲのことを思うと切ない気持ちにもなりました。有明海ではアリアケビゼンクラゲがずっと生息し、ずっと有明海の名産であったほしいと祈るばかりです。

無脊椎動物

2025.08.13

  • #ビゼンクラゲ

お久しぶりのデカいやつ

海遊館クラゲファンの皆様!朗報です!!この度、3年ぶりに大きなアリアケビゼンクラゲを展示しました!!!デカい!!拍手!!!!8月の頭、先輩社員と採集のために福岡県に赴きました。クラゲ担当3年目の私はアリアケビゼンクラゲの採集に行くのが初めてなので、ドキドキわくわくです...!有明海周辺の福岡県柳川市は、「クラゲ漁師」がいる町として知られ、漁獲されたアリアケビゼンクラゲは塩漬けやミョウバンにより加工され、中華料理の高級食材等になります。また、地元ではお刺身として食べる文化があるのだとか!採集のために前日入りしていたので、事前情報でそれを聞いていた私は「これはぜひご賞味せねば!!」と地元のスーパーに意気揚々と飛び込みましたが、お刺身用のクラゲは売り切れでした。残念。さておき、当日はクラゲ漁師の船に乗せていただき、漁に同行させていただきました。事前情報では、今年は船の上がクラゲだらけになるほど大量にいると聞いていたのですが、刺し網(生きものの通り道に網を張る漁法)には最初全然かからず、心臓がキュっとなりました...!しかし、そこはその道ウン十年の大ベテラン漁師さん!たくみに船を操り、形のキレイなクラゲを次々とゲットすることができました!素晴らしいっ!その後、大阪へとんぼ帰りし、クラゲの搬入を行いました。さすが傘径50cm。めちゃくちゃ重い...!丁寧に海水の濃度と水温を調整し、時間をかけて搬入しました。リリース!無事に展示デビューです!さて、こちらのアリアケビゼンクラゲですが、海遊館では以前まで「ビゼンクラゲ」という名前で展示していました。ところが、同じく「ビゼンクラゲ属の一種」と呼ばれているクラゲがいました。それがこちらのスナイロクラゲです。実はこの2種、最近の研究で別種の可能性が出てきました...!このまま同じ名前を使うのは、ややこしい!というわけで、この度「アリアケビゼンクラゲ」と「スナイロビゼンクラゲ」という名前に改名されました!こちらのスナイロビゼンクラゲも「海月銀河」にて展示中なので、どこが違うのかじっくり見比べてみても良いかも知れませんね。心機一転、名前も新たになった、お久しぶりのデカいやつ!ぜひぜひ「海月銀河」でご覧ください!!!

無脊椎動物

2025.08.05

  • #ビゼンクラゲ

「ブダイ」の記事

ブダイの寝袋

みなさんこんにちは!梅雨も明けてこれから暑い日が続きそうですね、今年の梅雨は晴れの日が多くて個人的に快適に過ごせました!さてそんな話はさておき、今回皆さんにはブダイの眠り方について紹介したいと思います。ある朝「いのちぐるぐるサンゴ展」のブダイの水槽を見に行くと、謎の粘液のようなものが水槽の擬岩に引っかかっていました。なんだろうと思って触ってみるとトロっとしており、まるでゼリーのよう!調べてみるとブダイは自分で粘液を出して、それで体中を覆って眠ることがわかりました。粘液は寝袋なのです。寝袋の役割としては天敵や寄生虫から身を守る役割があるといわれています。つつまれて眠る姿はまるで布団にくるまる人間そのもの!夜間にビデオを設置して確認したところ、粘液に包まれていたブダイが起きだす動画が撮れたので紹介します。 寝袋とそこで眠るブダイのようすがわかるかと思います。起きたブダイのテンションの高いこと(笑)寝ている時のブダイは熟睡しているのか、触ってもなかなか起きないほどです(笑)。皆様も今の時期、眠るときは部屋を涼しくして、布団にくるまるとブダイのように熟睡できるかもしれませんね。

魚類

2025.07.13

  • #ブダイ

「マイワシ」の記事

みんなで集まれば怖くない!

みなさんこんにちは!夏も終わり秋らしい気温になってきましたね。秋といえばハロウィン、ハロウィンといえばお化け、お化けといえば『怖い』ですよね。でも家族やお友達一緒なら怖くない!はずです、、、。この魚たちはどうでしょう?こちらの写真は特設水槽を上から見た写真です。写真の左のほう、底付近にいる黒い塊はいったい何でしょうか?もう少し近くで見てみましょう。近くで見るとマイワシが群れで泳いでいます!!このマイワシたちはアオリイカやミズダコなどの怖い存在(捕食者)から身を守るためにみんな一緒になって泳いでいます。このような泳ぎ方を『希釈効果』といい、一匹で泳ぐよりも捕食者に狙われにくくする効果があります。絵本のスイミーをイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。他にも、パートナーを見つけやすくして、繁殖行動がしやすくなる効果もあります。今回紹介したマイワシの群れの形は楕円形でしたが、常に同じ形で泳いでいるわけではないので、いろいろな形を見ることができます!ぜひ海遊館に足を運んでいろんな形の群れの写真を撮ってみてください。みんなと一緒にいるけども、怖がりなので水槽を叩いたり、脅かしたりしないでいただけるとうれしいです。

魚類

2025.10.11

  • #マイワシ

「ミナミイワトビペンギン」の記事

ミナミイワトビペンギンのヒナたち

今年生まれのイワトビペンギンのヒナ達の最近の様子をお伝えしたいと思います。まずは5月29日に誕生した1羽目のヒナ、227番です。綿羽がほとんど抜けて、頭にちょこっと残るのみになりました。自分から泳ぎに行く姿も見られており、もうすぐふわふわな羽は完全に無くなりそうです。続いては、6月7日に誕生した2羽目のヒナ、228番です。フリッパーとお腹の辺りから少しずつ綿羽が抜け始めています。のんびりとしていて飼育員が近づいても気にしない、肝が据わっているタイプです。こちらの2羽は飼育員の手から餌を食べる練習も始まっているので、もし見かけた場合は応援してあげてくださいね!最後は、6月9日に誕生した3羽目のヒナ、229番です。229番は「フォークランド諸島(マルビナス)」水槽内で孵化しましたが、体調が悪くなった為、一時的にバックヤードで様子を見ていました。状態が回復した後、親元へ返すことを試みましたがヒナへの給餌が見られなかったため、飼育員が親代わりとなって育てることになりました。小さいときはミンチ状の餌を与えていましたが、現在は他のペンギン達と同じようにシシャモを丸のまま食べられるようになりました。 最近は、普段暮らしている飼育スペースの周りをお散歩するようにもなり、色々なことに興味が出てきたようです。 今後は展示水槽で暮らしていく練習を少しずつ始めていきます。229番が本格的に展示デビューする日を楽しみにしていてください!最後に、飼育員が229番の体をチェックしている、ほっこりする動画をぜひご覧ください!

ペンギン

2025.08.14

  • #ミナミイワトビペンギン

ペンギンの隠れた体の特徴!

皆さんこんにちは!今回はペンギンの身体の特徴を一つ皆さんにご紹介したいと思います!今回ご紹介する特徴は写真にあるオレンジの丸で囲われているこれ!!!皆さんはこのお腹に見える線が何か知っていますか?この線は卵をお腹で温める鳥類が持つ特徴の一つで、この部分を「抱卵斑」といいます。この「抱卵斑」はペンギンが卵や雛をお腹の下で温める際に使われます。そのためこの部分だけ羽が生えておらず、体温の熱をそのまま卵や雛に伝えることが出来るんです!しかし見てください。これは大人のミナミイワトビペンギンの写真ですが、先ほどの抱卵斑の線がどこにも見当たりません。実はこの抱卵斑は卵や雛を温める時期と、先ほどの写真のように大人になる前の雛の間でしか見られないんです!大人のペンギンは通常この抱卵班が羽でおおわれており、泳いでいる時に冷たい海水が皮膚にふれないようにすることで、体温を保っています。そのためこの抱卵斑を見ることができる期間は、私たち飼育員にとっても少しの間しかありません。(現在のミナミイワトビペンギンがいる水槽では見ることができません。)ペンギンの繁殖シーズンに来館されたときは、是非新しい見どころとして追加してみてくださいね!

ペンギン

2025.08.11

  • #ミナミイワトビペンギン

祝!「古賀賞」受賞

ブログでも何度も紹介している、ミナミイワトビペンギンの人工繁殖研究。昨年、世界で2例目となる冷凍精液を用いた人工授精によるヒナが誕生しました!このヒナもう大人と変わらない大きさまで成長し、元気に過ごしています。この度、このミナミイワトビペンギンの人工繫殖研究が、日本動物園水族館協会が定める「古賀賞」を受賞しました!古賀賞!? なにそれ? 初耳.........。そうですよね、この古賀賞、一般的な知名度はほぼありませんが、この業界の中では実はとってもすごい賞で、国内の動物園水族館に与えられる賞の中では最高に栄誉ある賞なのです。希少動物の繁殖における特に優れた業績や、繁殖が難しく世界的にも重要な種の繁殖に成功した場合に贈られる賞で、受賞するのは海遊館では初めてのことなのです。先日その授賞式に葛西臨海水族園のスタッフと海遊館スタッフとで参加してきました。(ミナミイワトビペンギンの繁殖研究は、葛西臨海公園と海遊館の共同研究です)授賞式の様子はこちら。(豊橋総合動植物公園提供)立派な金屏風のある会場での授賞式に少し緊張しましたが、最後はみんなでニコリ。(豊橋総合動植物園提供)授賞式の後には受賞記念講演も行いました。(豊橋総合動植物公園提供)この研究は、2011年から開始し、今年で15年目に入ります。その間、3羽の人工授精によるヒナが誕生しました。ミナミイワトビペンギンの繁殖生理の解明や人工授精技術の開発はようやく目途が立ってきました。ここからの目標は、この技術を使って、国内のミナミイワトビペンギンの繁殖の問題(繁殖率の低さ)を解決していくことです。また、この研究の最終目標は、この人工繁殖技術を野生下のペンギンの保全に役立てることです。野生下のミナミイワトビペンギンは、気候変動や漁獲の増大による餌生物の減少などが要因で生息数が減り、国際自然保護連合(IUCN)が制定するレッドリストでは「危急種(VU)」に指定されているなど絶滅が危ぶまれています。今はまだ、この技術を活かすタイミングではないかもしれませんが、いつの日かペンギンたちに危機が迫った際には、動物園水族館の飼育下だからこそ得られた繁殖技術を活かし、ペンギンたちの未来をまもることができればと考えています。【過去の人工繁殖についてのブログ】人工授精へのチャレンジ(2024.04.27) 葛西臨海水族園とタッグで世界初の快挙達成(2022.08.16)今年もチャレンジしました(2021.08.08)ミナミイワトビペンギン人工繁殖(2018.05.07)

ペンギン

2025.06.19

  • #ミナミイワトビペンギン

「ワモンアザラシ」の記事

飼育員が聞いている音

皆さんこんにちは。海遊館で使われているアクリルパネルはとても分厚く、お客様側からはなかなか生きものたちが奏でる音が聞こえません。そこで本日はアクリルパネルの向こう側で飼育員が聞いているいろんな"音"について紹介します!まずは、ワモンアザラシのユキユキは自分のお腹を叩いて音を鳴らすことができます。 実はこの腹叩き、アザラシが威嚇をする際によく取る行動なのです。にしても、ユキの腹たたきは音に迫力があってたまりません!(笑)続いては、同じくワモンアザラシのアラレが出す音「ブーン!」です。 実はアラレのこの音も、威嚇の時によく出す音なのです。同じ水槽で暮らすモヤが近づくとアラレはよくブーンと鳴いています...。(ユキとアラレの動画は、飼育員によるトレーニング時のものです。)最後にカリフォルニアアシカの親子、アスカとハクの声をどうぞ! アスカは大きな声で今年の6月に生まれた我が子ハクを呼び、ハクもまた母の呼びかけにしっかりと答えています。この二頭のやり取りは子育て中の期間限定で聞ける声なので意外と貴重なんですね!!海遊館に足を運んだ際には、アクリルパネルの向こうの音に耳を澄ませると、もしかしたら生きものたちが奏でる音が聞こえてくるかもしれません♪

ワモンアザラシ

2025.10.28

  • #カリフォルニアアシカ
  • #ワモンアザラシ

最近のモヤ

皆さんこんにちは!今回は、ワモンアザラシのモヤの近況についてお伝えします!ワモンアザラシの繁殖期は4月~5月で、この期間、発情期のオスは縄張り行動を示して成熟オスの特徴である顔のしわがより一層深くなります。この時期、メスへアピールするための臭いを発するのですが、それがガソリンの臭いにとても似ています。モヤは最近、その『ガソリン臭』が少しずつ強くなってきていて、「北極圏」水槽の扉を開けたと同時にブワッと臭いがすることもあります。目の前で給餌をしているときは少々臭いことも...(笑)この臭いから、この時期はホッキョクグマもオスのワモンアザラシを避けるそうです。そして・・・現在モヤは、以前 ゴマフアザラシのブログ にもあった、『チンレスト』のトレーニングを頑張っている最中です。チンとは顎、レストは休むという意味で、このトレーニングは、写真にあるチンレスト台を出すと動物自身の選択で顎を乗せ、リラックスした体制を取っていることを私たち飼育員が判断しやすくするためのものです。この状態で体を触ったり給餌者が動いたりして様々な刺激を挟んでいき、どんな状況下でも顎を乗せられるようにトレーニングします。最終的にはチンレストをした状態で採血ができることを目標としています。モヤも最終的には採血ができることを目標にしていますが、元々他の個体に比べても臆病な性格で、少しの物音や誰かの大きな動きにびっくりして水面に戻ってしまうことが多く、時間はかかりますが地道にトレーニングしています。こちらが最近のトレーニングの様子です。 まだまだ採血までは道のりが長いですが、モヤがこのトレーニングをしているのを見かけた際はぜひ応援してあげてくださいね!

ワモンアザラシ

2025.03.21

  • #ワモンアザラシ

「日本の森」の記事

花だけじゃないよ(クチナシ)

「日本の森」に朝、佇むとほのかに花の良い香りがします、とはいえ今年は梅雨明けも異常に早く、もう花も終わりかけてしまってますが...香りの正体はクチナシの花です。クチナシはアカネ科の仲間でなんと!コーヒーの木が近い仲間だそうです。東南アジアに広く分布し、日本では静岡県以西の本州や四国、九州、南西諸島の森林に自生します。温暖でやや湿った半日陰の場所を好みますが、園芸種として用いられることも多く、海遊館に来る途中の街路でも見られます。道端で香りと花の姿を見かけたら、少し遅れて「日本の森」で花が開きます。花が咲くのは6~7月で、よい香りがするということで、春のジンチョウゲ、秋のキンモクセイとともに夏のクチナシとして「三大香木」と呼ばれます。どの花も香りが特徴的ですね。クチナシの名前は諸説ありますが、冬になる実が熟しても口が開かないため、「口無し」に由来するといわれています。「死人に口無し」という言葉を連想させるとして、庭に植えることを好まない人もいらっしゃるようです。しかし、花は学名の Gardenia jasminoides からわかるようにジャスミンのような良い香りだし、実は生薬や染料として用いられるなどたいへん有用な種なのです。身近なところだと、たくあんや栗きんとんなどの色付けに使うため、お正月前にはスーパーや八百屋さんで売っていることもあるそうですよ。クチナシの色素はこのように黄色だけでなく、赤や青もあるのだとか。3種類の色素を混合し、カラーバリエーションを生み出すことも可能だというので、すごいですね。花は有名ですが、実はあまり気にしていなかったので、「日本の森」のクチナシ、今年は実についても注意深く見守りたいと思います。

植物

2025.07.07

  • #日本の森

花が咲き始めました

今年も梅雨を前に「日本の森」でヤマアジサイが咲き始めました。アジサイの語源は小さな青い花が集まるので「集真藍」=「あづさあい」となったのではないかといわれています。でも、漢字では「紫陽花」と書きますよね。実は中国の「紫陽花」は別の花なのだそう。ただ、太陽の光の下で咲く紫の花ということであれば、「紫陽花」のほうがそれらしい気もします。こちらはテイカカヅラ。花はこちら。語源などはこちらをご覧ください → どこまで増えるかな?(「日本の森」のテイカカズラ)最近、私の好きな某劇団のショーの中で、愛する式子内親王が亡くなり、トップスター演ずる藤原定家がテイカカヅラとなって内親王の墓にまきつく場面が出てきて「おう、これは!!」となりました。ファンの方、ぜひご覧ください。そして、こちらは初めて見る花。ハコネウツギです。花の色が白から紅色に変わるため、ゲンペイウツギと呼ばれることもあるそう。ウツギは「空木」、「卯木」と示されますが、ハコネウツギのようにスイカズラの仲間、アジサイの仲間、ユキノシタの仲間など科や属が違うものがあります。「空木」は幹が空洞になっていることから、花が卯月(5月)に咲くから、この字があてられました。また、ハコネウツギは「箱根」に多いというわけではなく、牧野新日本植物図鑑には「それは誤認」と書かれていました。なせ、箱根だったのでしょうね??担当者曰く、「伸び放題だったので、今年はメンテナンス時にばっさり剪定しようと思ってた」そうですが、花も咲いたので、もう少し様子をみてもらいたいものです。

植物

2025.05.28

  • #日本の森
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