世界初!ミナミイワトビペンギンの凍結精子を用いた人工授精に成功しました!

葛西臨海水族園との共同研究による世界初の快挙!
ミナミイワトビペンギンの凍結精子を用いた人工授精の成功を確認


海遊館と葛西臨海水族園(東京都)は、共同でミナミイワトビペンギンの人工授精に取り組み、本種では世界初となる凍結した精子を用いた人工授精に成功しました。

海遊館では平成23年より、野生下において絶滅の恐れがある本種の繁殖生態の解明と人工繁殖技術の確立を目指した研究を開始しました。平成28年からは葛西臨海水族園と連携し、同年に世界初となる液状保存の精子を用いた人工繁殖に成功しました。
平成29年には両園館で共同研究契約を締結し、取り組みをさらに発展させるべく、精子の冷凍保存への研究を開始しました。

昨年度に海遊館で飼育しているミナミイワトビペンギンから精子を採取、凍結保存の処理後に輸送し葛西臨海水族園の1羽のメスに対して人工授精を実施しました。
人工授精を実施した1羽のメスは、4月4日、8日に計2つの卵を産み、5月8日に1羽のヒナが誕生しました。血液を用いたDNA検査の結果、凍結保存の精子を用いた人工授精によるヒナであることが判明しました。
なお、孵化したヒナは、残念ながら5月10日に死亡しました。

今回実施した人工授精の結果

《親鳥》母:葛西臨海水族園メス 父:海遊館オス
《精子の処理》凍結保存 ※世界初
《人工授精の実施日》3月28、31日
《産卵日》4月4日
《孵化日》5月8日
《DNA検査の結果》人工授精によるヒナと判明

今後の取り組み

海遊館と葛西臨海水族園は協力関係をより深め、本種における人工授精の技術を確立させます。また、この技術を国内外の水族館や動物園に普及させることで、繁殖を推進し、絶滅のおそれがある野生下のミナミイワトビペンギンの種の保存にも貢献したいと考えています。

ミナミイワトビペンギンについて

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英名:Eudyptes chrysocome
学名:Southern Rockhopper Penguin

体長は成熟個体で45〜58cm、体重は2.2〜4.2kg。ペンギンのなかでも小型の種で、岩場を飛び跳ねながら移動することからこの名前がついたといわれています。目の上にある黄色い冠羽が特徴で、沿岸の岩場の小石や雑草で巣づくりをします。メスは1回の繁殖で通常2個の卵を産みます。ペンギンの中では気性がやや激しく、小魚やオキアミなどを食べます。

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